前回では、問題から仮説を作り様々な検証をして、問題となる真因を特定出来ました。

 

さて、この真因を特定出来たらいよいよ“アクション仮説”の設定と評価をして、問題解決をする行動プランを決めます。

 

スキームとしては、

 

① ゴールへの仮説を発想(5W1H)

→アクションプランの洗い出し(ツールを使って構造化)

 

② ゴールへの仮説の評価(ペイオフマトリクス)

→真因に対しての最適なアクションプランを決める。

 

ここでも使うツールは最小限に抑えます。

 

では、やってみましょう。

 

前回の例で言うと、

 

問題:施策の成果が出ない

 

これに対してPDCAで因果関係の「なぜ?」で分解していくと、

 

施策の改善が出来ていない(Action)→施策検討の時間がない(モノ)→改善よりも新しい企画創出の制度になっている(真因)

 

 

 

この真因に対して5W1Hで解いてみます。

 

 

 

『改善よりも新しい企画創出の制度になっている』

 

たとえば、

 

WHO

・今の改善担当者を変えたらどうなるか?→Bさんにしたら改善されるのではないか

・人を増やしたらどうか?→リソースを増やせば改善に集中されるのではないか

・事業部長を変える→部長を変えたら方針も変わるのではないか

 

WHERE

・改善担当自体が動けない→他にやることがたくさんある→やることをもっと他の人に分散させたほうがいいのではないか

 

WHAT

・新しい企画を立てるのはやめる→一度くらいダメでもPDCAで回して改善を見直してみよう

・他の業務に振り回されている→その業務自体がそもそもムダではないか?

 

WHEN

・新しい企画を産み出すのは今ではない→問題に対するPDCAが必要だ

・時間がなくなる要因となるのはなんなのか?→企画創出における課題や宿題を止める

・タイミングを変えたらどうか?→改善を極めてから新しい企画をやってみる
 

WHY

・なぜ新しい企画をポンポンやろうとする→一回失敗したらそれがダメだと思い込んでしまっているのではないか

・なぜ改善する時間がないの?→他の煩雑な業務に手いっぱい→その煩雑な業務は無駄ではないか?

 

HOW

。新しい企画を考えるよりもまずは改善して使える案にした方が効率がいい

 

 

思いつくまま書いてみましたが、

これらをアクション仮説まで絞ってみます。

 

『改善よりも新しい企画創出の制度になっている』

・その煩雑な業務は無駄ではないか?→もっと他の社員に均一に仕事を振り、一人当たりのコスト削減を図る

その業務自体がそもそもムダではないか?→改善の足かせとなっている実務の見直し

・改善を極めてから新しい企画をやってみる→新しい企画創出の禁止

・Bさんにしたら改善されるのではないか→改善としてのPDCAを回せる人にする

・一回失敗したらそれがダメだと思い込んでしまう→PDCAで回して改善に務めていく

 

ちなみに、SCAMPER法を使ってビジュアライズ化するのもオススメです。

 

 

はい、色々なアクション仮説が出てきました。

 

 

これらのゴールへの理想的な仮説をどうするか?

 

 

ここで“マトリクス表”を使って、仮説の評価(選定)をして、アクションプランを絞ってみましょう。

 

 

横軸を“実効性”、縦軸を“効果”にします。

 

この場合、実行性があって効果も高いものを採用します。

 

例えば、左上に来た“仕事量の均一化”。均一化させるためには、1on1や全体ミーティングなどで事前に告知したり、社員によっては教育も必要になってくるでしょう。ですから効果はそこそこ高いけど、事前準備が必要なものが出てくるため時間も掛かり実効性が薄い。

 

これはこれで、別途アクション仮説を立てながら、PDCAで実行に移す必要がありますが、ここで優先すべきアクションプランは、

 

一番右上にきたもの、

 

 

PDCAで回して改善に務めていく

・改善の足かせとなっている実務の見直し

 

『この二点からまずはやってみましょう』ということです。

 

 

どの会社でも限られたコストのなかで効率良く回していかねばなりません。

費用対効果が望める理由からです。

 

 

これらゴール仮説をPDCAサイクルで実行・検証を繰り返し行い、問題解決の進捗を確認しつつ、仮説をアップデートしていくことが重要となります。

 

アクションプランまで出て行動後のPDCAを私は、“俯瞰PDCA”と呼んでますが、

 

俯瞰PDCAでの注意点として二点あります。

 

・Planの段階で検証計画を明確にする

→仮説を実行したときに、どのような検証結果が出れば良いのかを設定しておくこと。

 

・Checkの段階で、データや数値で検証する

→数値やデータ以外の評価にゆだねると、人は情報を都合よく解釈してしまう習性があるために、実態とは離れた検証をしてしまうことがあります。データに基づいた改善と反省を重ねていくことにより、客観的な検証結果を得られるようにするためにデータ化と数値化はとても重要です。

 

 

なぜ、PDCAで実行するのか?

 

 

仮説を練って磨いてまた良い仮説を重ね続けることでしか、本当に良い仮説は生れないからです。

 

 

ぜひあなたのビジネスにも、ロジカルシンキングを取り入れてみて下さい。

 

一方で、ロジカルシンキングはビジネスでしか使わないという思い込みはないでしょうか??

 

そんなことありません。

 

私生活でもめちゃくちゃ応用が効きます。

論理的思考が出来れば生活の悩みも消え、自信も湧いてきます。

 

次回は、このロジックを私生活に取り入れる方法をお伝えしますね照れ音譜