ずっと曇天。
天気なのか心なのかわからないけど。
でもいつか晴れますよね。
だって天気か心かもしれないし。

今は曇天。
それでいい。
耳に伝う何かの気持ち悪さで目を覚ます。
見えるのは見慣れた天井で、大抵内容はさっぱり忘れている。
悲しい夢だったのか、幸せな夢だったかも定かじゃない。
ひどく曖昧な感情にしばらく呆然として、
新しく頬を伝った涙の冷たさに「なんで泣いてるんだ」と愕然とする。

ただ、涙の重力は重いなと。
引き込まれながらまた眠りに落ちた。

いなくなってしまえばいいとこんなにも願っているのに、
生きて欲しいとこんなにも願っているのは自分だ。
追い詰めるのは自分が弱いんだと、自分に言い聞かせる為。
涙を流すのはまだ心が痛むと自分に叫ぶから。
弱い弱い自分を精一杯抱き締めるのは、同じ顔した人間だったよ。

なんて滑稽な一人芝居だろう。
なんて悲しい猿芝居だろう。

疲れた自分に拍手喝采と罵詈雑言が投げられて、
罵詈雑言の方に耳が向いて、(しょうがない。そういう人間だ)
途方に暮れて「ああしょうがない、主役降板でもするか」と思ったって、
自分は舞台から飛び降りられない。

足が竦んで、手も震えて、冷や汗も流れて、
涙も流れて、

必死にここにいたいと思ったんだ。
人生の軌道は容易く変わる。
放物線を描く事も、上昇気流に乗る事だってある。
その時、願わくば上を向いてる人間でありたい。

キリがない事なら、下よりも上を。
人間は本当に弱い生物だ。

弱いくせに頂点を目指し、それがゆえに周りの人間を蹴落としていく。

嘲りと非難。
縋る手を払いのけ、罵倒する。泣き叫び、喚く腰抜け。
それを見て安心する。
私よりも下がいるのだと。

ひどい話だ。
誰かに幸せだと言ってもらえるまで、

誰かに愛してると言ったり、言われたりするまで、

そして出来れば、

死ぬまで、生きたい。
死ぬ程苦しい。

そんな感情は死んでみないとわからない。

死ぬ程。

それを口にする事態、間違っている。

そこちょっと黙ろうか。

黙って両手を上げて一発殴られてくれないかな。

渾身の一撃を見舞ってあげるよ。


お互いのボディブローで鏡が砕け散る。

何枚割ったかもう忘れてしまった。
毎日毎日毎日。
絶望しながら目を覚ます。
体がだるい。
涙が出る。
息が浅い。
そんな症状から始まる最悪の1日だ。
いつからこうなったのか覚えていない。
進む時間に必死でついて行こうとするが足が覚束ない。
視界も涙でぼやける。
そっちに行くなと誰かが叫ぶけれどよろける足は言う事を聞いてくれない。
見下ろせばそこは断崖絶壁で。

落ちたら死ぬよなと笑う。
そこで膝が震えて倒れ込んだ。起き上がる気力はない。けれど飛び込む勇気もない。
泣いてばかりだ。

いつかここから飛べるだろうか。
風に乗るのか、
そのまま落ちるのか、

わからないけれど飛びたいと思った。