僕にとってはくだらない。誰かに誰かの幸せを、命を、奪う権利なんてどこにもない。それでも僕らが戦いをやめない理由はなんなんだろう。溜息ひとつ吐いて、「どうせくだらない事なんだろうな」と自嘲する。くだらない、僕にとっては。でもそれは誰かにとって、命を懸けてまで守りたい何かなんだろうな。
最後に笑えたら。俺は上手く笑う事ができない。だからその分、君を笑わせようと必死になった。その度に君は泣きそうに顔を歪める。ねえ、どうしたら笑ってくれる?俺はどうしたら君を幸せにできる?「あなたが笑ってくれたら私は幸せ」そうやって君は泣き笑いになる。そして続ける。「愛してくれなくてもいい。ねえ、どうか幸せになって」君はわかってた。愛してはいないけれど、幸せにしたい。幸せにしなきゃいけない。そんな歪んだ感情に。「ねえ、笑って。最後ぐらい笑ってさよならをしたいの」
それが私を守ってくれる事実本当の自分を曝け出す事なんて無理に等しい。今まで築いたもの。昔の自分に決別した覚悟。そしてこれからの未来。本当の自分がそれを背負うには重過ぎる。潰れてしまう。誰かが戯言のように「それも本当の自分だよ」と呟く。そんなの嘘だ。それが本当ならこんなにも苦しんだりしない。悲しくなったりしない。「私は私なんだ」と悲鳴じみた声なんてあげたりしない。偽った私を引きずって、今日を生きている。
随分控えめだけれど随分傲慢な話誰かの人生なんて救えはしないけれど、今この目の前にいる小さな子供に今日一日を生きる希望だけなら渡すことが出来る。「随分控えめだけれど随分傲慢な話だな」そう君が笑った。けれどこの感情には誰も間違ってるなんて言 えないと思うんだ。偽善者や自己満足の言葉を投げかけられても、それのどこが間違っているのか僕にはわからない。救えるから救う。助けを求められているのなら助ける。それに意味付けをしたがる理由を僕は知らない。それだけでいいんだ。難しい事はいらない。僕が出来るからするんだ。関係ない奴らは引っ込んでればいい。口を閉ざして黙って見とけ。
答えはどこに。もし、二度と取り戻せないものを奪われたらどうすればいいだろうか。悩んで、悔やんで、泣き叫んだ結果が。散々な選択を導き出すとしたら。奪われたら、奪った本人を。そう考えてしまう。同じ感情を叩き付けてやりたい。その感情は間違ってはいないと思う。けれど。いるんだろう、その奪った人にも。傍で寄り添い笑っている人が。俺と同じようにいたんだろう?その笑顔がちらつくたびにこの手が震える。「奪う側にまわるの?」ともういない君がこの胸を叩く。泣きながら君に問うんだ。だって君はもういないじゃないか。俺はどうすれば救われる?君はどうすれば報われる?答えを返す君はもういない。もう、いない。
幸せになる。本当に出逢えて良かった。苦しさを知った。切なさを知った。愛を感じる事が出来たよ。この人ならと、信じる事が出来た。愛してくれてありがとう。君の短い一生を、僕にくれて本当にありがとう。僕は君を忘れない。忘れずに幸せになる。君が望んだ通り、僕は幸せになると約束するよ。