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テーマ:前貸の債権

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説】

問題 R7-4A

使用者は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金を前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と相殺することができる。

解答:正解

 

-ポイント-

(1)前貸の債権と賃金との相殺に関する内容です。

原則…使用者が、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権」と賃金を一方的に相殺することを禁止。

例外…労使協定(事業場の過半数組合または過半数代表者との書面による協定)がある場合、賃金から控除することが可能。

 

(2)相殺できるのは、労働することを条件としない貸付であることが明白な場合。

 

■前借金相殺の禁止(法17条)

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない

 

 

 

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テーマ:解雇の予告

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説】

問題 R7-3E

事業主が犯した経済法令違反を原因として購入した諸機械、資材等を没収され、事業の継続が不可能となったときは、労働基準法第20条第1項にいう「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に該当することから、当該事業主が、これを理由として労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも30日前にその予告をしなければならない等の同条同項に定める解雇の予告を行う必要はない。

解答:誤り

 

-ポイント-

(1)事業主自身の法令違反(経済法令違反)によって事業継続が不可能になった場合は、「やむを得ない事由」には該当しないので誤り。

 

(2)労基法第20条の「やむを得ない事由」は、不可抗力的な事象(天災・事故など)が対象。

当然、事業主の違法行為による事業停止は、自己責任であり、予告義務は免除されない。

したがって、解雇予告または予告手当の支払いが必要になります。

 

 

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テーマ: 就業規則の記載事項

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-7B

就業規則の記載事項として、労働基準法第89条第1号にあげられている「休暇」には、育児介護休業法による育児休業も含まれるが、育児休業の対象となる労働者の範囲、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、育児介護休業法の定めるところにより育児休業を与える旨の定めがあれば記載義務は満たしている。

解答:正解

 

-ポイント-

(1)前半の論点

⇒「休暇」には、育児介護休業法による育児休業も含まれる。

 

(2)後半の論点

⇒育児休業の対象となる労働者の範囲、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、育児介護休業法の定めるところにより育児休業を与える旨の定めがあれば記載義務は満たしている。

 

 

(3)労基法第89条第1号では、就業規則に「休暇」について記載する義務があり、「休暇」には、育児介護休業法による育児休業も含まれます。

ただし、育児休業の詳細(対象者、手続、期間など)をすべて書く必要はなく、

「育児介護休業法の定めるところにより育児休業を与える」

という記載があれば、記載義務は満たされます。

 

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■作成及び届出の義務(法89条)

一~三⇒絶対的必要記載事項  三の二~十⇒相対的必要記載事項

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

 

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

 

二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

 

三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

 

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

 

四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

 

五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

 

六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 

七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

 

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テーマ:事業主が2社に渡る場合の業務上傷病による解雇制限

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説】

問題 R7-3D

事業主が同一人でないX社とY社に使用される労働者が、X社の業務により負傷し、その療養のために休業する期間及びその後30日間については、X社もY社も当該労働者を解雇してはならない。

解答:正解

 

-ポイント-

(1)業務上の負傷・疾病による休業期間+その後30日間は解雇禁止。

(労働基準法第19条)

設問の場合の労働者が2社に使用されている場合の解雇制限は、

⇒負傷の原因となった事業主だけでなく、他の使用者にも及びます。

(複数事業主に雇用される労働者は、療養中は複数事業主による解雇制限の対象。)

 

 

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テーマ: 就業規則の作成

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-7A

同一事業場において、パートタイム労働者について別個の就業規則を作成する場合、就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となるため、パートタイム労働者に対して同法第90条の意見聴取を行う場合、パートタイム労働者についての就業規則についてのみ行えば足りる。

解答:誤り

 

-ポイント-

(1)前半の論点…誤り

「就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となる。」(×)

 

前提として、「就業規則の本則」とは、正社員などの一般的な労働者に適用される就業規則として考えます。

 

つまり、「正社員に適用される就業規則」と「パート向け就業規則」は合わせて事業場の就業規則になるため、それぞれ単独という記載は誤り。

 

 

(2)後半の論点…誤り

「パートタイム労働者についての就業規則についてのみ意見聴取すれば足りる」(×)

 

 

労働基準法第90条では、事業場の全労働者の過半数で組織する労働組合、またはその代表者の意見を聴く必要があり、パートタイム労働者だけに意見聴取すればいいということではない。

 

■問題の解き方

限定語(のみ、必ず、すべて、いかなる場合も)という表現には、例外の有無を確認することが必要です。

 

 

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■作成の手続(法90条)

1 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

 

2 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

 

 

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テーマ: 私傷病の場合の休業

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-6E

労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病のため医師の証明に基づいて使用者が労働者に休業を命じた場合、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

解答:誤り

「私傷病のため」がキーワード

 

-ポイント-

健康診断の結果、医師の証明で休業命令が出された場合であっても、それが「私傷病」によるものであれば、使用者の責任による休業ではない。

 

従って、使用者には、労基法第26条の休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務は生じません。

 

 

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■健康診断(法66条)

1.事業者は、労働者に対し、医師による健康診断(一定の検査を除く。)を行わなければならない。

 

2 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、

医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。

有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。

 

3 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、

歯科医師による健康診断を行なわなければならない。

 

4 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

 

5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。

ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

 

 

■休業手当(法26条)

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

 

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テーマ: 年俸制の賃金

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-6C

労働基準法では、年俸制をとる労働者についても、賃金は、毎月一回以上、

一定の期日を定めて支払わなければならないが、各月の支払いを一定額とする(各月で等分して支払う)ことは求められていない。

解答:正解

 

-ポイント-

(1)年俸制の賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

(2)各月の支払いを一定額とする(12等分して同じ金額で支払う)ことは不要。

 

■年俸制のポイント

・毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことが必要

・年俸を12分割・14分割などして支払うのが一般的

•各月で均等額にする必要はない。

 

 

 

 

■賃金の支払(法24条)

1 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 

2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

 

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テーマ:賃金全額払の原則 (判例:日新製鋼事件)

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-6B

使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、当該同意が「労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは」、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則に違反するものとはいえないとするのが、最高裁判所の判例である。

解答:正解

 

-ポイント-

(1)退職金と会社債権の相殺がポイントの問題。

 

■賃金全額払の原則(労基法24条) 

使用者は、労働者に対して全額を支払うのが原則。

当然、一方的に賃金を控除するのは禁止。 

 

■相殺が認められる場合の条件 

労働者が自由な意思で同意していること。 

その同意には、【合理的な理由が客観的に存在すること】が大前提。

 

■結論

単に、同意の2つ返事だけでは違法で 、「相殺が理に適っている(合理的)で、」誰が見ても問題ない(客観的)」がそろって初めて、相殺することが可能。

 

 

■日新製鋼事件(最判 平成2年11月26日)

(事件の背景)

労働者が、退職時に「退職金で借入金を返済する」との約束で会社から住宅資金を借りていた。

 

その後、労働者は破産申立てをする状況になり、会社に退職を申し入れた。

会社は当初の約束通り、退職金から借入金を相殺する清算処理を実施したところ、破産管財人が「賃金全額払の原則に違反する」として退職金の支払いを請求した事件

 

(最高裁の判断)労働者側が敗訴

労基法24条では、使用者による一方的控除を禁止しているが、労働者が自由な意思で同意し、その同意に合理的な理由が客観的に存在する場合は、相殺しても違反にならない。

 

本件では、労働者が自発的に退職金で返済するよう依頼しており、会社の強要もなく、借入制度も労働者に有利な内容で、同意の合理性が認められた。

 

(判例の趣旨)

•相殺が認められるには、単なる同意では不十分。

•自由な意思+合理的理由+客観的理由が必要。

 

 

■賃金の支払(法24条)

1 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 

2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

 

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テーマ: 賃金の支払い

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-6A

派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金直接払の原則に違反しない。

解答:正しい

 

-ポイント-

(1)法24条で、賃金は「通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められていてます。

 

(2)設問のポイント

本来、派遣元が賃金を支払う義務を持っています。

設問の場合、派遣先がその賃金を手渡すことは、直接払いの原則に違反するかどうかが論点になります。

 

(3)昭和61年の通達(基発333号)

派遣先が賃金の支払い主体になるわけではなく、単に「手渡すだけ」なら違法ではありません。

(直接払いの原則には違反しない。)

 

■賃金の支払(法24条)

1 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 

2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

 

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テーマ:労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動

 

【過去問1問1答 ワンポイント解説 労働基準法】

問題 H30-5E

労働基準法第22条第4項は、「使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信」をしてはならないと定めているが、禁じられている通信の内容として掲げられている事項は、例示列挙であり、これ以外の事項でも当該労働者の就業を妨害する事項は禁止される。

解答:誤り

 

-ポイント-

(1)「例示列挙」ではなく、「制限列挙」

 

(2)使用者が第三者と共謀して労働者の就業を妨げる目的で通信してはならない項目4つ(制限列挙)

・国籍

・信条

・社会的身分

・労働組合運動

 

(3)上記の4項目に関しては通信をすることを禁止

例えば、能力や勤務態度に関しては通信の禁止事項ではない。

 

■退職時等の証明(法22条)

1 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

 

2 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。

 

3 前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。

 

4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

 

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