トレーニングというと普通は何か普段しない運動や体操などをある一定の時間こなすことを言うと思う。ジムに行ったり、自宅で自主トレーニングすることが例として挙げられる。体操トレとする。

 

またもう一方では、普段の生活そのものをトレーニングとするという考え方もある。最近は、日常の動作をトレーニングになるようにするとか、普段から姿勢を良くするとか、云々がそれにあたるだろう。日常トレと呼ぶことにする。

 

重心力トレーニングでは、前者が体操で、後者は北京原人姿勢で普段、例えば、立つ、歩く、座るを過ごすというもである。

 

北京原人姿勢とは、「股関節で捉えた姿勢」である。

 

「股関節で捉えた姿勢」で何がトレーニングになるのか。

 

それは「最低限の力」で「立つ、歩く、座る」などの日常の動作をこなせるようにすることである。これは「捉え」により「胴体深部がより活性化」することで生じる。

 

といっても、「股関節で捉えた姿勢」を取れてさえいれば「最低限の力」で自然とこなすことになっている。本人の自覚は無くとも。

 

「北京原人姿勢」=「股関節で捉えた姿勢」=「胴体深部が活性化」=「最低限の力で身体を維持・動かす」ことを日常化すると結果としてものすごい威力が発揮されてしまう。

 

 

例えば、ある中年の2人がいたとしよう。

 

Aさん

・身体関係の資格保有のトレーナーで、職歴は10年以上。

・プロ選手と個人契約を結んでいる。

・勉強熱心で、関連セミナー参加、関連書籍を読むなど毎日勉強。トッププレーヤーを分析したりと、身体操作のメカニズムを探る。関連知識は豊富で、自分の本やDVDを出している。

・自らもセミナーを主催し教える。

・本人も、巷の体幹トレやストレッチ、さらには~理論・メソッドと呼ばれるものを実践。ほぼ毎日続ける。そして、自分の独自の理論・メソッドを提唱。

・普段の姿勢にも気を付け、巷にある「正しい姿勢や歩き方」を実践。

 

 

Bさん

・普通のサラリーマン。

・特に運動はしない。

・毎日朝晩15分程度、重心力トレーニング体操を実践。でもたまに朝か晩かさぼる。しかし、必ずどちらかは体操をする。

・普段は、北京原人姿勢で普段(立つ、歩く、座る)を過ごす。手刀チェックで、暇さえあれば「股関節で捉えているか」チェック。

・身体関係についてはたいして勉強していない。仕事が別にあるのでそんな暇はない。

 

Aさん、Bさん、それぞれが上記の内容で2年過ごしたとする。

 

結果はどうなるか?

 

Aさん:「胴体深部の動かない住人」のまま。

Bさん:「胴体深部が動く住人」の仲間入り。

 

素人が専門家よりも胴体深部が動くようになる。

 

何故、こうなるのか?決定的な違いは何か?

 

それは、Bさんが普段から「北京原人姿勢」=「股関節で捉えた姿勢」=「胴体深部の活性化」=「最低限の力で身体を維持・動かす」ことをしていたからである。

 

Bさんも始めは、まだ未熟なので、正確に捉えている時間が少ないが、徐々に捉えられている時間、つまり無意識でも捉えられている時間が増えていくので、単純計算で1日平均10時間捉えられているとする。これに体操の15分を追加して、10時間15分とする。

 

「量」を計算すると、

 

10H15M×365日×2年=448950分=約7482時間

 

この時間を「捉えている」、つまり「トレーニング」をしている時間である。

 

Aさんは、体操トレだけで1日平均1時間で、2年で730時間。ただし、体操トレにおいて、かろうじて捉えている時間があったとした場合。捉えがなければ0時間である。普段の姿勢は捉えの意識が無いので0時間とする。

 

そして、「質」も向上する。

 

例えば、最初の「捉え」はおぼつかなく弱いので、捉え度「1」とする。これを一カ月つづけると、捉え度は「1.2」ぐらいにはなる。そうすると次の一ヶ月は「1.2」で過ごすことになり、さらに向上速度が上がる。さらなる1ヵ月は「1.8」ぐらいに到達するかもしれない。

 

捉えは、その時間が長くなればなるほど鋭くなり、鋭くなればなるほど「最低限の力」で動く力が上がる。「無駄のない」動きに磨きがかかる。さらには、体操の質も必然と上がる。

 

Aさんは残念ながら、どんなに勉強して、身体を動かしても、体操トレにも捉えがなく、ましてや普段から捉えがないので、胴体深部が継続的に向上しない。「0」に何をかけても「0」である。

 

同じ2年間を過ごしても、AさんとBさんでは胴体レベルにおいてかなりの差が生じる。

 

そして、2年経った頃には、Bさんは捉えがかなり正確になっているので、日に日に、一分一秒、僅かであるかもしれないが、それが0.00001でも「捉え度」が上がり続ける。さらに、意識的に捉え確認はしているものの、ふとした無意識化での捉えもかなりできるようになっているので、一日およそ15時間ぐらいは捉えている状態が続く。つまり、トレーニングのトータル時間がさらに長くなる。

 

「長時間の捉え」=「捉え度の向上」=「胴体レベルの向上」

 

こうなると、どんどんAさんとの胴体レベルの差は開いていってしまう。Bさんの観える世界・景色がAさんにはまったく観えず、どっちが専門家かか分からなくなる。

 

体操も必要であることは間違いないが、「捉えて普段過ごす」というのが、実は、超基本かつ最強のトレーニングなのかもしれないと思う今日この頃である。

 

ちょっと追記する(May11th2019)

この北京原人姿勢=捉えた姿勢は原則、誰にでも身一つあれば、道具もお金も無くてもできるし、場所も選ばない。さらに「捉えて」さえいれば後は勝手に、自動的に、胴体が開発される。余計な知識や難しい理屈はいらない。基礎中の基礎の基礎なのだと改めて思う。