■第3日目 7月8日 ローマ



kudamono ← ホテル近くに出てる店、barの出店番のようなものか。



9:00、起床。
朝食を食べたら、即外出できるように準備する。
昨日に引き続き簡素な朝食。



ホテルに宿泊している他の客は、ほとんどが英語圏の人たちのようだ。
ペラペラペラペラ。
きゃつら、見ているとパンよりもフレークを好んで食べる人が多いんだな。
これどうでもいい気付き、屁をこいて寝ろ。



本日のメインイベントはヴァチカン市国にいくこと。
10:00過ぎ、昨日と同じようにテルミニ駅に。

『今日はバスで行ってみよう』

と僕が思いつきを言ったために、駅周辺で嫁とともに立ち往生。



・・・・バスってどうやって乗るんだ?



しかも、どのバスに乗って良いのかわからず、嫁とウニウニウニウニ、ちょっといちゃいちゃしてたらもう11時半。やっとこさ、ローマ一日周遊できる観光バスのチケットを入手し、いざヴァチカンへ。



11時45分。
ヴァチカン到着。



時間もだいぶ経過してしまっているから、昼飯はbarでパニーニを買って、行儀悪く食べ歩き。
レタスをサン・ピエトロ寺院前に落とすなどしつつ。



サン・ピエトロ寺院に到着。

pietoro3 ←表参道?から望むサンピエトロ寺院


いやーさすがカトリックの総本山、ご立派なものです。
いやむしろご立派なのは当然。
十分の一税など中世の昔から、当たり前のように税金を搾取している宗教団体だもん。
税金取る宗教ってどうなんだ。


pietoro2


異端審問、魔女狩り、免罪符などやりたい放題、すき放題、中世ヨーロッパの暗黒時代を作った本拠地であり、権力の巣窟。

そういう暗の部分を隠すかのような、真白い大理石造りの寺院がサン・ピエトロ寺院。

と暗い部分を浮き彫らせて見てしまうのは、僕たちのような非キリスト教徒で、キリスト教からすればここは教皇がおわしまします神聖な場所。
別にヴァチカンが悪いといっているわけではく、信仰は見る人によって様々であるというだけ。



一神教というのは、全知全能のl主なる神に何もかもをゆだねることができる反面、その神がその存在によって人間世界を縛りつけるという側面を持つゆえに、信者個人に精神的安寧を与えるが、同時に彼らの生活にしばしば実害をもたらすシステムを有している。
中世カトリックは、このシステムをうまく利用して富と権力を増幅した。



一方、多神教においては、神は全能ではないどころか欠点もおおく、それらは非常に人間的であるために、人々は神にすがることはなく己の内面を見つめる機会を持ち、また信仰に縛られることなく合理的な環境や国家を構築できる側面を持ち合わせている。
ギリシアで哲学が生まれそして栄え、ローマで国が永きわたり繁栄を極めたのは、彼らが多神教徒であったことが大いに関係している。



どちらが良いとか悪いとかでなく、ローマという一都市の中に、地中海世界に覇権を轟かせたローマ帝国があり、また世界最大の一神教であるキリスト教の総本山がありと、相反する二つの世界が渾然一体として残っているという、そのこと自体が非常に興味深いのです。



それがローマなのです。



さてさて、それでは早速サン・ピエトロ寺院に。
総本山だけあって、入場するには金属探知機をくぐらなければならない。
そのくらいの警戒は必要やね。

列に並ぶこと20分。
サンピエトロ寺院に踏み込む。



入ってすぐに右手に人だかり。
遠めでもわかった。
その時僕の毛穴が開いた。



ピエタ。


pieta


聖母マリアにそっと抱きかかえられるイエス。
慈悲深くイエスを見つめるマリアの視線が、イエスの受難をやさしく包む。
マリアの女性的な造形と、イエスの男性的な造形のコントラストが、真白な大理石によって、より強調されていた。作者ミケランジェロの傑作にまたひとつ触れることができた。


pieta2


ダ・ヴィンチと違い、芸術作品を多く残したミケランジェロ。
この万能型の天才は、自らのイメージを確実に形にすることで、我々に中世に花開いたルネサンスの一片を残した。



いろいろと書きたいところだが、芸術作品の云々を述べるのは愚でしかないことは、僕にもわかっている。
芸術作品とは、その作品に付随する情報をもって鑑賞すべきではなく、あくまでも我々個人一人称で鑑賞すべきであり、また作品の作者になったつもりで鑑賞すべきだ。
ゆえに僕の感想なりを他人に伝えるのは、ここでは避けたい。



ピエタがミケランジェロによるものだと教える前から、嫁はその作品に魅了され、懸命にカメラのシャッターを押していた。僕は、そこに芸術作品に対峙すべきもっとも大切で基本的な姿勢を見たように思う。



サン・ピエトロ寺院を進むと、そこかしこに功績を残した教皇の遺影が残っていた。
ピオ四世。
この人もローマのルネサンスを支えた一人。


pietoronaibu ←さすがに内部の意匠は聖書の象徴で埋めつくされている


サン・ピエトロ寺院を出て、次はいよいよヴァチカン美術館へ!
システィーナ礼拝堂を拝観するですよー!



と勇んだが、ヴァチカン美術館は12:30で受付終了とのこと。
その時の時間、12:50。

首尾よく締め出され、ジ・エンド。

ローマに来て、ヴァチカン美術館を見れないという最悪の事態に。
ショック。



嫁に『またここには来るよ』と、自分への慰めも兼ねて声をかけつつ。
ショック。




ショックすぎて、今日はここまで。




三日目はまだ少し続く。






まだまだ2日目の続き。



17:00。
スペイン広場中央には噴水があり、それがちょろちょろと水を垂らしておるのを、手ですくったり、足にかけたりと涼しむ人達がおるなどを、ジェラートを食べつつ、薔薇売りたちをぼうと眺めつつなどし、嫁としばし座す。



さあてそれでは、と腰を上げ、スペイン広場から続く、通称ブランド通りことコンドッティ通りを進む。
Dior、PRADA、GUCCI、ルイ・ヴィトン、FULRA、サルバトーレ・フェラガモなどのショップが並ぶ。
嫁はフェレンツェでブランドものを購入するとの宣言をしていたので、ローマではひやかすにとどまる。
ひやかしだけになったのも、僕自身がブランドにあまり興味がないからではあるが。



それにしても店に群がる人種の半分が東アジア人だった。
日本はもとより、中国、韓国、台湾など。
メガネっこばかり。
実よりも名を重んじる地域なのな。ゆえに質は分からなくても、ブランドは大好きなのな。



コンドッティ通りを抜けて、更に前進すると、テヴェレ川に至る。
ローマの生命線であり続けたテヴェレ川を望む。


hy ←見切れる嫁とテヴェレ川


ローマ建国はこのテヴェレ川から始まるのだから、泥水で濁った水面にも、なぜか伝説を感じるのは本による刷り込みからだろうか。




神話では、ローマの地には当時アルバロンガという王国があった。
そこの王女を軍神マルスが気に入ってしまい、ある夜マルスは王女を夜這いする。
王女はこの一件で双子を妊娠してしまった。
(神の人間が交わるこのようなローマの神話もことごとくギリシアの影響をうけている)


このことを知ったアルバロンガの王は、大変に怒り、生まれてきた双子をテヴェレ川に捨ててしまう。
テヴェレ川に捨てられた双子は、その後、牝狼に拾われ乳を与えられ育てられることになる。

成長した双子は、力を合わせて自分たちをこのような境遇に陥れたアルバロンガの王を倒した。


この双子は、兄はロムルス、弟はレムスといった。

アルバロンガを倒した双子は、やがて兄弟で争うようになった。
軍配は、兄のロムルスに上がる。

このロムルスが、初代王となり、都市国家ローマの歴史が始まるとされる。




これがローマの始まりとテヴェレ川の物語。

ローマの象徴は、双子を育てたこの牝狼である。
ACローマのエンブレムに、双子に乳を与える牝狼が描かれるには、この神話からである。


ookami


そのテヴェレ川沿いを北上すると、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス帝廟がある。
はやい話が、アウグストゥス帝及び一族の墓である。
地中海世界にローマの平和を充実させたアウグストゥスの廟とあれば、これ必見!

と勢い込んで乗り込んだが、えーこれは何なのでしょう。





・・・・・人っこ一人いません。




観光客どころかローマっ子さえいません。

いるのは僕と嫁の二人だけ・・・・。
アウグストゥス帝廟って、こういう扱いされているの?
確かに草はぼうぼう、木は生い茂り、一見すると廃墟に見えなくもない。
だからって、放って置くのはもったいない。
これじゃ、観光客はぜったいこないわな。


少し悲しい気分になったが、個人的にはこれが見たくて来たところもあり、誰もいない遺跡でばっちりと記念撮影。
パスク・ロマーナ!


asu 思わずピース。悲しいわけじゃない。



アウグストゥス帝廟をさらに北上し、ポポロ広場に。
広場南には、双子の教会で有名なサンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会とサンタ・マリア・ディ・モンテサント教会。


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ポポロ広場には牝狼の像と、トリトーネの像があった。
もちろん広場だけあって、若者たちはちゅっちゅちゅっちゅしていた。


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それにしても教会は聖母マリアから名をとっているところが多く、ほとんどがサンタ・マリア。
日本のマリアといえば、ユースケ・サンタマリアか小澤マリアくらい。


maria


ポポロ門を抜けて、フラミニオ広場へ。
ローマ街道の一つフラミニア街道を見る。
この街道を一つ見るだけで、ローマ街道がいかに直線的に作られているがよくわかる。


jj


フラミニ駅から共和国広場まで帰ってきて、三越ローマ支店へ。

ここの観光相談所で薦められた日本語メニューのあるレストラン『ゼウス』に行ったのだが、嗚呼まずい。
これに金は払いたくない。
それにしてもなぜパスタ、日本のカプリチョーザよりまずいのだろう????




ローマの太陽に一日中焼かれ、てホテルに戻ると、シャワーを浴びて、嫁ともども即身成仏。
南無。




二日目終了。










事件は起こった!



・・・といかにも大事であるかのように書きましたが、まあそこまで大変なものではないのです。
ちょっと気持ちが昂ぶったまで、お許しを。



事件とは、ローマはもとよりイタリア全土で、もはや市民権を得ていると云っていい『スリ』に遭ったこと。
ヴェネツァ広場を、嫁と並んで歩いていたところ、僕の視界に何気なくローマのガキが入ってくる。
だが、それだけでは危険を感じてはなかった。



なんせ『スリ』なんてのは、あくまでも対岸の火事。
運の悪い人、注意が欠乏している人が遭遇するものだと高をくくっていた。
その点、オレ様は強面だから、当然のようにイタリア人も怖がるだろうし、さらに鋭利な刃物とビビッて近寄ってさえ来ないだろうとも思っていた。



しかし、これが甘かった。
確かに僕のこの予想は外れてはおらず、僕自身は標的にされなかったのだが、奴らのターゲットはマイワイフだったのだ。



ローマのガキは、僕らの背後にゆっくりと近づてきた。
そして、嫁のリュックのバンドを外し、リュックの口の紐を緩めた。
大きく口を開けた嫁のリュックはさながら、蜂に蜜を提供する花といえただろう。
なんせ10万近く現金が入っていたからね。

大きく口を開けたリュックに、思いっきり腕を突っ込み、ガキは物色を始めた。
恐らく彼の手には財布の手ごたえがあっただろう。
ガキの顔はシメタ!と、勝ちを確信したに違いない。
なんせ危機感のない日本人が何も気付くことなくお金を提供してくれる寸前なのだから。
そこまでは完全にガキの勝ちだっただろう。



しかし、相手が悪かった。
嫁を騙すのは簡単かもしれないが、そこには三島由紀夫先生を日本刀の生まれ変わりだと信じている右寄りダンディ、ピストンことオレ様がそこにいたからだ。
ふと嫁の後ろにうごめく影に気付き、ガキに言い放ってやった。



『おっと待てい、ローマンボーイ!』


ガキは、ひっと肩をすくめ、腕を引っ込めた。


更に僕は続けて云った。


『坊主気をつけな。お前の歳じゃまだ三途の川は早すぎる』



さすがに、ガキも失禁間際だったね。
生まれてまだ見たこともないような一重瞼の大人が詰め寄って来たのだから。

ガキは何も盗んでないことを主張し、逃げるように走っていった。



嫁に確認させたところ、実害は出ておらず一安心。

ただ、これを機に嫁は荷物を持つということに関して、全く僕の信用を失った。
これ以後、彼女に許された持ち歩いていいモノは、飴ちゃんだけとなる。



さあてと実害ないし、気を取り直して僕らはパンテオンに行こう。



パンテオンは、ローマでもっとも気持ちが安らぐ場所とガイド本に書かれていたよ』とは嫁。
しかし、パンテオン入り口には、バックパッカーから、ローマのガキンチョ、ジプシーなどが、所狭しと、座り、また寝転ぶなどしており、どう贔屓目に見てもお行儀の良いところではなさそうだ。
こいつらは、ここがパンテオンと分かっているのだろうか。



パンテオンといえば、フェレンツェの『花の聖マリア大聖堂』こと『サンタ・マリア・デルフィオーレ』のドオモ建築を手がけたブルネレスキにヒントを与えたように、見事なドームを有する古代ローマが誇る建築技術を有する建造物。保存状態も未だにこの状態を保っているのであれば最上だろう。

パンテオンのドームの頂きから光が差していた。
同じように古代ローマにもここから光が差していたのだろう。


pante ←ミケランジェロの賛嘆がわかる光


パンテオンを出て、ロトンダ広場のリストランテでローマ初の食事。
何を注文して良いのか分からず、取り合えずカルボナーラを食す。



が、マズっ!



え、イタリアなのになぜまずい。

店が悪かったのだろう。
仕方ない、次に期待だ。




気を取り直し、次なる目的地に。
モンテチトリオ宮殿、キージ宮殿(現首相官邸)の目の前を通り、トレヴィの泉ことポーリ宮へ。
うわ、すごい人だかり。
有名なのも困りものだね。

うん確かに素晴らしいバロック様式の彫刻だ。
しかし人が少ないときにじっくり見たいものだね。

まあ仕方ないから、コイントスしておこう。


tore


tore2 ←バロックのモチーフはトリトーネが多い


次はマチェッリ通りを抜けて、スペイン広場へ。

まあスペイン広場になにがあるわけではないのだが、まあ有名だし、取り合えず。
ここは意味もなく休憩をしている人ばかりいる。


雰囲気的に、スペイン広場だから休憩しなきゃ損みたいな感じになっていた。ミーハーばかりだぜ、ほんと。
といいながら、まあ確かに僕も映画のようにジェラートを食したのだが。。。。


supe ←パンツが見えるかもと、まあお約束通りチェックはしたっす!




そうそう。
ここには、僕に向かって『TAKAHARA!』と陽気に声を掛けて来た外人がいた。


『オレは高原ちゃうぞ、外人』


と思っていたら、何気なく僕の腕にミサンガを巻いてこようとしてきた。

これは話に有名な無理やりミサンガ巻いて、お金を請求する例のやつだなと思い出し。




『NO、NO、NO!!!!!』





と云ったのは・・・・・・・・・嫁のほうだった。
スリ被害未遂の一件で、敏感になっていたようだ。




女は強くなるものである。





この日はまだまだ続く。





久しぶりに更新しようと思います。
ただ更新しようと思っている内容が、これなんと自己満足のザ・新婚旅行記というから、皆さん読まないで結構ですよ。
ザってつけたいところが、もう自己満足。
所詮、自分が大好きなんですよ、僕は。

それでは張り切って、新婚旅行記を書きたいと思います。




が、自己満足なので、文章を読んでもらおうなんて思っておりません。あくまでも自分のためのダイジェスト版です。
お気をつけますよう。



旅行の行き先は、イタリア。
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアの9日間の旅路。

その名も、H■Sのチャオの旅!・・・らしい。
チャオって付けたら、なんでもイタリアになると思っているのか。可愛らしくなると思っているのか。
もうちょっと企画書ひねりなさい。



それにしても、なぜイタリアなのか。
理由は簡単、ローマの遺跡群、ルネサンスの芸術作品、建築物群を、この眼で見ること。
観光なんて浮ついた気持ちでは僕はいなかったよ、マンマ。
そう僕は修学しに行ったのです。

だから、今回の旅の計画は全て僕が選んだ。
嫁の介在する余地はほとんどないといってよい状態。

とはいいつつ嫁と旅行なんて1年ぶり。
嫁はFURLAのバックを狙っているらしかったが。




■第一日目 7月6日 12時■


成田空港を飛びたったエールフランス航空機は、12時間のフライト後パリへ。
パリで2時間ほど待ち時間を要したところで、再びエールフランス機に乗り、目的の地ローマはフィウミチーノ・ダヴィンチ空港へ。

パリ空港で感じたことだが、ヨーロッパの人は背があまり高くないのか、俺はどちらかというと低くない方だった。


外人に対して、変に自信がついた。


日本人ってのは、やはり外人に対して常にフィジカル的な劣等感を持っているのだな、この俺様も含めと感じつつ。



日本を旅立ち15時間後にローマへ到着。
H■Sのお雇いドライバーがダヴィンチ空港まで出迎えていた。
彼の運転するバンに乗り、空港からローマ市街へ移動。


H■Sのイタリア旅行には僕ら夫婦の他に、25歳前後の女の子3人グループが乗っていたのだが、これがまあうるさいうるさい。
成田からそいつらとは道中ずっと一緒だったが、もうずっと喋りっぱなし。
しかも内容が無意味も無意味、あまりにも無意味な会話を何時間もするもんだから、頭がスカスカなんじゃないかと本気で疑った。

北朝鮮のミサイル発射に対し、断固として制裁を加えるすべきだと主張する俺なんてのは、彼女たちからすると気持ち悪いおじさんなのだろうか。
いや大丈夫だ。鳥肌実閣下が俺にはついている。


ローマ市街へ到着し、ホテルに着いたのが、現地時間の夜11時30分。
長旅ご苦労様ということで、時差ぼけも感じることなく、嫁ともども即身成仏。南無。

一日目終了。



■第二日目 7月7日  8時30分起床■

『雨だよ』との嫁の声で目覚める。
ローマについて一日目にして、雨か!
しかも結構強く降っているじゃないか。
なんと運がないことよ。

とほほほ。


と意気消沈、オレ小チンなどと、つぶやいて弱気になっていたら、9時にはうって変わって快晴に。
なんてことだ。


天気までも気まぐれなのか、この国は。
ははは、嬉しいじゃあねぇかい。

チャオ、太陽。
グラッチェ、イタリア。
パスタはマンマのだよね。

と天を仰ぎつつ喜ぶ。

kore ←たいへんに噴水がしょぼいがバックに


ホテルで簡単な朝食を済ませて、かつて『世界都市(カプトゥムンディ)』と呼ばれたローマの市街へ。

それにしてもこの旅、俺と嫁の全くの二人旅。
イタリア語は全く話せないことはもとより、英語も単語のみを繰り出すが必至という語学力しか有していない二人だ。不安だ。
しかも二人ともイタリアに精通してないときたもんだ。違う意味では少なくともオレは中一には精通していたが。



やれることといえば、俺が遺跡や寺院に関して解説や講釈をたれることができるくらい。

それでも進まねばならぬとまずはローマの中心駅であるテルミニ駅へ向かう。
吉田照美に液、なんつう駄洒落が頭に浮かびつつ。

向かう途中、共和国広場を通るため、まず『サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会』を見学。
この教会は、ディオクレツィアヌス帝の浴場跡を利用して、ミケランジェロが設計。
浴場跡を利用して造られているため、教会内部が横十時のつくりをしている。
うむ、さっそくルネサンスの巨人ミケランジェロと出会う。
(ローマはミケランジェロだらけだけど)

ちなみにこの教会はイタリアの国葬に使われることでも有名。

アンジェリ


テルミニ駅に到着し、地下鉄に乗ってコロッセオへ。
地下鉄の駅を出て、眼前にそびえ立つコロッセオを目の当たりにし、サブイボがブツブツと。
おおーすげー。

これホンマに約2000年も経ってる建造物でしょうか。
レンガは剥がされてしまいって、表面の意匠まではわからないが、ただその立ち姿はすでに圧巻。
ローマの建築技術に驚嘆。

koroseo
ちなみにローマが剣闘士による殺し合いや、猛獣との対決を好むようになったのは、エトルリア人の影響。トスカーナは確かによく肉を食うからな。



コロッセオ内部を見て回っていると、コロッセオに猛獣発見。
ライオンか。

neco ←三毛なる獅子


コロッセオの脇には、コンスタンティヌス帝の凱旋門が。
キリスト教に唯一尊ばれた皇帝だけあって、状態がよい。
むむむ、素晴らしい。

konsu




コンスタンティヌス帝の凱旋門を抜けて、フォロ・ロマーノへ。
フォロ・ロマーノに来ることがこの旅の最大の目的であったため、遺跡群を一望し勃起。
ここにローマの中心があり、地中海世界の中心があって、英雄がいて、ヒロインがいた。
確固とした政治があり、見事な法律があり、神々が祭られ、娯楽がもあり、古代人はここを目指した。
ローマの心臓。
フォロ・ロマーノ。

foro



カエサルの火葬場と云われている場所にて。
ガリア戦記を読んで興奮したことを思い出し合掌。

kaesaru


ガイウス・ユリアス・カエサルの英語読みは、ジュリアス・シーザーだが、7月(July)はジュリアスが由来。その7月にカエサルの火葬場に立っていることに、カエサルへの思いを熱くした。


フォロ・ロマーノやコロッセオの説明を嫁に延々と聞かせる。
あまり頭に入っていない様子だが、オレは聞いてもらうことよりも云いたいだけだから、これでいいのです。


フォロ・ロマーノから、ヴェネツィア広場はエマヌエーレ2世記念堂へ。
こりゃすげー意匠だわい。



それからふたたびヴェネツィア広場を通って、次はパンテオンへ。
そこへ向かう途中このヴェネツィア広場にて事件は起こったんです












月も変わり、6月となった。
陽も高くなり、ますます日中の気温も暑くなり、あともう1ヶ月も経てば、夏到来である。
地球温暖化の影響で日本の気候は、ほぼ亜熱帯の様相を呈しているが、こと東京ではその熱さ特有の不快感をことさら強く感じる。
東京のもつ人口的な佇まいが、夏の不快感と気持ち悪いくらいにマッチングし、肌に纏わりつくように思えるのだ。




とはといいつつも、僕もすでにこの不快さに慣れたもので、東京の夏は今年で、はや8年目を迎える。
昨日からクールビズが始まったそうだが、僕が東京の夏と8年も対峙しているなんて驚きである。
たいした人生ではないが、広島の片田舎で生まれ育った僕が東京で生活を始め、結婚もし、家も購入するとは、ついぞ8年前の自分には思いもよらぬことであった。
人に歴史ありとは自分自身が自らを振り返ったときに感じる想いなのだろうと、最近ふと思ったりする。

歳をとったのだろう。




最近、テレビドラマの恋愛ものを観ていた妻が、こう云った。


『恋愛って、なんで結婚でしか成就できないんだろうね?』


恐らくハッピーエンドで終わるドラマしかない昨今の恋愛ドラマを受けての発言であろうが、僕はそれを受けて妻にこう云った。


『今はドラマにもならくなったが、死で成就する恋愛もあるんだよ。それが心中だ』


彼女は、ふーんと頷いただけで、再びドラマのストーリーに戻っていった。
たわいもない夫婦の会話ではあるが、僕としては珍しく心に残る会話であった。




それからしばらくして、僕は営業中、とぼとぼと歩きながら、ふと妻との会話を思い出した。
恋愛は、生きて成就されるものと、死して成就されるものがある。

例えば、仮に成就しない道を選んだとしても、別れは生への選択肢であろう。
別れることで、お互いの別々の生を選んだことになるからだ。




そもそも考えてみれば、恋愛に限らず、僕たちがする全ての行動は、生か死のいずれかに根ざしているような気がする。
今僕がこうやって営業しているのは、食うためであり、つまり生に根ざしたものだ。
飲み会に行くのも、生きることを謳歌したいがための行動であり、これも生だといえる。
フットサルをするのも、楽しむため、体力の向上のためにするのであり、これも生だ。

例えばセックスはどうであろうか。
性行為を楽しむためのセックスであれば、これは間違いなく生といえるが、しかし子供を作るためのセックスは、死に根ざしてるといえないだろうか。
いつかは死ぬであろう自らの遺伝子を残す行為としてセックスを捉えれば、これは最終的には死に根ざしているといえる。




いずれにせよ、僕たちは生や死を意識することなく生活をしているが、しかし僕たちの行動はすべてこのどちらかに縛られているのだ。




そんなことを考えながら、僕は日比谷線霞ヶ関駅で、電車に乗った。

僕を載せた電車の行き先は、生なのか死なのか、どこに向かっているのだろう。








新婚旅行が決まった。




国はイタリア。
コースはローマ(日帰りポンペイ)、フェレンツェ、ヴェネツィアの、9日間。
添乗員なしの二人旅。




新婚旅行は、無銭旅行みたくアクシデントを楽しむみたいなものではないので、スムーズトリップを目指すべく添乗員付きのツアーにすべきだと思っていたのだが、結局添乗員なしの独力旅行になってしまった。





そうなった理由は、僕の我儘が原因なのだが、そもそも何で我儘を云ったかというと、某旅行会社の添乗員付きツアーはフォロ・ロマーノには立ち寄らない、そしてコロッセオはバスで前を素通りするだけ、というまったくもってローマに行く意味がまったくないプランを立てていたからである。





なんで古代ローマの遺跡を観光に入れないのか?




と思わず某旅行会社の担当者に詰め寄ったが、担当者はツアーの時間的な関係もありましてはうにうにと、うににうにうにうにばかり云っていたが、理由は担当者本人もよくわかってないのだろう。




アホが!




なら自分で観るからヨロシ!ということになり、嫁さんの了解も貰って結局は、独力旅行にした。
英語も話せず、もちろんイタリア語なんてトッティがプリンチペと呼ばれているくらいしか知らないのに、大丈夫だろうか?
多分大丈夫じゃないだろうね。





それでも僕は古代ローマの遺跡が観たいのだ。
現在のローマがなぜにローマとして存在するのか、バチカンがなぜにカトリック教会の総本山になったのかなどを考えると、全ての歴史は古代ローマが存在したからであり、ヨーロッパを語るためには、古代ローマを知らずして語れないのである。




多分に偉そうなことを云っているが、この僕も大して古代ローマを知らないのです。
かなり好きだけどね。



roma

フォロ・ロマーノ




W杯日本代表23人が選出された。
GK土肥と山本太郎は似ている。
福西は声が高い。
そして、駒野は顔が面白い。




この23人が日の丸を背にW杯に臨むわけだが、やはりどう考えてもブラジルに勝てるとは思えない。
ブラジル代表23人を見る。
常人が1人もいないじゃないか。

ロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョ、カカ、カフー、ロベルト・カルロス、ジーダ・・・・・。
控えになるであろう選手にもロビーニョ、ジュニーニョ・Pの面々。




このメンツにどうやって勝つってんだ?
正々堂々と真っ向勝負して勝とうなんて、正直それは全く持ってナンセンス。
ブラジルと対戦して勝てる方法を解説しているコメンテーターがいたら、そいつはナンセンス野郎なのでコメントに耳を傾けなくてもよろし。




ブラジルと対戦して勝つ方法はただ一つしかない。
それは煽動作戦。




ブラジル代表の選手は、ことサッカーにおいては子供に夢を与えるスター選手ばかりだが、その反面私生活はお世辞にも品格あるとは云えない人が多い。

(少々偏見からの物言いにはなるが、まあ遠からずといったところだろう。)




彼らはゴシップネタには事欠かない人たちなのである。
そう、このゴシップを使わない手はない。

僕の考える煽動作戦とは、彼らのゴシップを利用し、彼らを精神的に不安定にさせるといういたってシンプルなものだ。




まったくもってゴシップを利用するとは、卑怯、卑屈な作戦で、いやらしいとは思う。
しかし真に効果的な作戦とは、卑怯卑劣な作戦であるという事実は、古今の戦の歴史を見れば明らかであるので、これにあまり多くの言は割かない。
ただ一つ云えるのは、卑怯な作戦は実に実用的であり合理的である。
それが卑怯となるのは、騎士道、フェアプレイを紳士協定している人々から見た見解である。





少々わき道に逸れてしまったが、悲しいかな日本はこのように卑怯な作戦でしか勝利できないと、僕は考えたわけだ。
それが具体的にはどういったものかというと、怪物ツートップのロナウドとアドリアーノの仲を裂くというもので、ブラジルの主戦力を非戦力化させる実践的な作戦だ。





まずロナウドのゴシップだが、日韓W杯当時彼はブラジル女子サッカー代表ミレーネと結婚していたが、ロナウドの浮気が原因で、すったもんだの末に離婚。


その後2005年には、ロナウドは人気モデルだったダニエラ・シカレッリと婚約し、関係者を集めて盛大な結婚式を挙げた。


綺麗な嫁さんもらって、ロナウドよかったね!となるところだったのだが、しかしここに来て問題が発生した。


ロナウドは前述したとおり元妻ミレーネと離婚したはずであったのだが、実は正式な離婚手続きが完了しておらず、法的には未だミレーネと籍を共にしている状態だったことが発覚したのだ。


なんといい加減なラテン男!


こんな話、当然ダニエラから呆れられても仕方ないはずなのだが、ここで終わらないのがこのバカップル。


実はダニエラにも実は離婚歴があり、よく調査すると彼女も正式な離婚していないことがわかったのだ。


そしてこの結婚は、二人ともに重婚(犯罪です)の可能性があるということで、一頓挫。
そうこういしているうちに、二人は破局、バイバイとなったのだ。


この一件により、ロナウドの幼稚さは多くのマスコミにバッシングされることとなった。





次にアドリアーノだが、彼は2005年に父親を亡くし、当時精神的に相当疲労した時期を送っていた。
そんな時、彼に天使が現れた。


彼は、あまりにも美しいその天使に夢中になってしまい、夢中のあまりつい我慢することを忘れ、彼女を妊娠させてしまった。


結局アドリアーノは『出来ちゃった婚』をしたわけだが、その天使はなんと、重婚問題でロナウドと結婚できなかった、前述のダニエラ・シカレッリその人なのだ。


しかもアドリアーノはご丁寧にも、ロナウドとダニエラの結婚式に出席していたという。
まぬけ。





この状況は例えるなら、ロナウドがシュートしたボールがバーに弾かれ、こぼれたところをアドリアーノが豪快に決めたということになるのだろうか。
彼等らは私生活までもFW的な動きをしてしまったのだ。




これらダニエラを巡るブラジル最強ツートップのゴシックを利用してしまおうというのが、今回の作戦。
まずダニエラの節操のなさ。これがポイントになる。




ダニエラはブラジルツートップ、ロナウドとアドリアーノの二人とニャンニャンしているわけだが、この事実を逆手にとって悪しき噂をでタレ流す。





例えば『ロナウドのテクニックは超絶だったわ』でもいいし、『アドリアーノのって、大砲みたいなの』でもいい。
少し長めなのであれば、『アドリアーノはとても豪快なの。それに比べてロナウドは超絶テクニックはあるんだけど、スピードがあり過ぎるのよねとか。





つまり、これはサッカーの話をしているのだが、それがダニエラの口を通してになると、彼らの夜の生活を髣髴とさせる話になり、それが彼らの耳に入るとなると、これはもうお互いが気になってしかたないであろうというもの。





ましてや、アドリアーノは結婚しているわけだから、ピッチの隣でプレーしている男が、ビッチな嫁の上でプレーしてたなんて、気が気じゃないはずだ。





これがうまくいけば、確実に二人は仲たがいするにちがいない。
そして、結果ツートップ二人が全く機能することなく、ブラジル代表は日本戦を終了することになるのである。





そして、日本相手に結果を残せなかった彼ら二人を、母国ブラジルは国をあげて、こう批判するであろう。
『いくら代表ツートップといえど、共有するのはボールだけにして欲しいものである!』と。





そんな感じで、日本代表、頑張れ!








サンボマスターのアルバム発売ライブに行ってきた。




『こんばんわ、僕がサンボマスターですぅぅ!』




サンボマスター。
唄とギターを担当している山口隆は、ライブ中何度も何度もこう自己紹介をした。
ライブだから、サンボマスターだから赦されているであろうあのブサイク顔を汗でびっしょりにして叫んでた。




あんたがサンボマスターだなんて、そんなの知ってるよ!
なんて気のきいたツッコミなど入れることなく、僕は叫んだ。

『ギターやれ、ギターをもっと!ぶおおおお、やまぐぅちいいいい!』

アドレナリンが出る、身体中から溢れ出る。
口から、鼻から、耳から、毛穴から、肛門から、尿道から、あらゆる穴から、脳内伝達物質が噴出した。




僕の眼前に立つ女は、完全に昇天間近な状態。腰を激しくビートさせている。
それを横目に見ながら、


『この野郎、スケベな動きしやがって!動きがエスカレートして、キャーとか黄色い声援あげたりなんかしたら、赦さん』


とサンボ右翼的な感情を抱いたりしたが、結局彼女はキャーとかキャーとかキャーとかも叫ぶことなく、ぶあああおおお!と明らかに人語ではない言葉で山口に応えていた。
あんた同志だよ。





恐らく僕の自分史上、もっとも変人になりたい願望を持っていて、既に変人だったりする親友トナリは、今日がサンボライブデビューだ。
さぞロックンロールに身を任せているだろうと思い、彼を見る。
すると大あくびをしているではないか!
しかも3回もだ。





『おい、この野郎!その大きな口に渋谷に徘徊するニグロの44マグナムをぶち込むぞ!』

『だって、前のノッポボーイが邪魔で全然ステージが見えないんだもん』

『だもんじゃねー!ノッポボーイのせいにするな!欠伸が出たのはお前のせいだ、でなければ5月のせいだ!この野郎!』

『うん、でも楽しいのよ』





・・・・だったらいいのだ。
形は無意味なのだ。
この空間では、形あるものは意味をなさない。
あるのは原始に近い言葉だけでいいのだ。
魂だけでいいのだ。
サンボ最高だぜ!
どんな素敵な言葉を並べたても、どんな素晴らしい旋律を奏でたとしても、それはなんら意味をなさないことを知らされる。





『僕らがね、こうやってアホみたいにロックンロールしてるのはね、あんた方とこうやって会えるからなんだ、おいそこのボケっ!』



はい、そこのボケです。そうです、僕がそこのボケなんですっ!
こんな独りよがりをすることが、嬉しかったりした。そんな日だった。




結局、山口隆率いるサンボマスターはアルバム『僕と君の全てをロックンロールとと呼べ』全18曲(アンコールナンバー含め)全てを唄った。
アンコールナンバーには、『美しき人間の日々』と『そのぬくもりに用がある』を唄った。
この2曲には、正直しょんべんが出そうになった。






ライブは終わった。






家に帰り、嫁さんにライブの感想を求められた。





『真夏のとても蒸し暑い日にする濃厚なセックスに似た、疲労感と充実感を全身に感じているわけなんですよっ!』





と僕が答えると、





『なんですぐセックスとかいうの、下品な』





と一蹴された。





セックスは下品じゃないのだ!
そもそも下品とか、下品じゃないとか、そんなもん問題じゃなくて、それがロックンロールであればいいわけなんですよっ!






とそんな強気の発言を彼女に云えないまま、彼女は寝てしまい。





そしてその日僕のロックは死んだ。








涙で花が咲くものか!




これサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』で、ボーカル山口隆が特有のがなり声で絶叫する歌詞です。




それを今日、僕はオーディエンスの1人として聴きに行くのっす。
3rdアルバム『僕と君の全てをロックンロールと呼べ』発売ライブにと称し、本日PM19:00から開始。
まったくもって冴えない親友トナリと共に、ロックンロールとは『魂の放射』なわけなんですよ!を体感してきます。




『僕と君の~』の歌詞は全く覚えてないですが、ロックンロール魂だけは持って行くつもり。






涙で花が咲くものか!
しかし、尿で花は枯れるのじゃ!





とは、サンボの興奮で尿が真黄色の僕が、今唯一伝えることが出来る真実なわけなんですよっ!





では、行って来ます。




サンボマスター, 山口隆
僕と君の全てをロックンロールと呼べ



新婚もすでに3週間が経過した。
短いけども人と共に暮らすというのは、自らの再発見でもあると最近わかった。




ついこの前の朝、洗面台で顔を洗っていたら、横から嫁はんが出てき、『昨日どんな夢を見ていたの』と訊かれた。




この質問を受けたら、察しの良い方であれば、寝言で良からぬことを口走ったのだなと、ある程度予想することは難くない。かくいう僕も察しの良いほうで、コヤツ寝言のことを云いたいのだなとすぐにわかった。




相手がこういった質問をしてくるということは、僕が寝言で問題発言をしたことは確実なのだが、しかしとうの本人は何を言ったかまでは判然としない。




しかしだ。




相手はそれを知っていて、俺をどう料理しようかと手をこまねいている。

朝から不利的状況。




しかも困ったことに、僕のほうといったら自分自身いったい何を口走ったのかを、知りたいという好奇心まで湧いてきてウズウズしてくる始末。




こうなると、もう嫁はんの手の内。
完全なる籠の中の小鳥状態、ピヨピヨだ。




そんな居心地の悪い状況に僕は簡単に屈したピヨ。
いったい全体僕は何を言ったのかと、素直に訊いてみた。
すると嫁はんの口から出てきた言葉は朝一番で耳にする言葉ではなかった。







アナル








えっ、アナル?






その後に続く言葉は?








いや、アナルだけ









単語だけで、アナルと?








『そう、ぽつりと』







ぽつりと?








アナル







朝一からのアナルインパクト。






恥ずかしい。
とても恥ずかしいが、でもなんかほっとした。

僕らしくてほっとした。
これが僕らしくない言葉だと、ただ恥ずかしいだけなんだけど。




アナルで、ほっ。
僕のキャッチコピーにしたいくらい僕らしい。




嫁はんは不可解だろう。
僕自身もなぜにこの言葉を口走ったのか不可解だが、寝言としては問題なしだ。
まったくもって快便じゃないか。




ただ一つ気になるといえば、アナルと口走る夢がどんな夢だったのかということ。
つい先日も、白鷺と青鷺が交尾しているところを、むむむ異種交配だなと思いながら、じいっと見ている夢を見たばかりだし。




夢診断求む。