新婚もすでに3週間が経過した。
短いけども人と共に暮らすというのは、自らの再発見でもあると最近わかった。
ついこの前の朝、洗面台で顔を洗っていたら、横から嫁はんが出てき、『昨日どんな夢を見ていたの』と訊かれた。
この質問を受けたら、察しの良い方であれば、寝言で良からぬことを口走ったのだなと、ある程度予想することは難くない。かくいう僕も察しの良いほうで、コヤツ寝言のことを云いたいのだなとすぐにわかった。
相手がこういった質問をしてくるということは、僕が寝言で問題発言をしたことは確実なのだが、しかしとうの本人は何を言ったかまでは判然としない。
しかしだ。
相手はそれを知っていて、俺をどう料理しようかと手をこまねいている。
朝から不利的状況。
しかも困ったことに、僕のほうといったら自分自身いったい何を口走ったのかを、知りたいという好奇心まで湧いてきてウズウズしてくる始末。
こうなると、もう嫁はんの手の内。
完全なる籠の中の小鳥状態、ピヨピヨだ。
そんな居心地の悪い状況に僕は簡単に屈したピヨ。
いったい全体僕は何を言ったのかと、素直に訊いてみた。
すると嫁はんの口から出てきた言葉は朝一番で耳にする言葉ではなかった。
『アナル』
えっ、アナル?
その後に続く言葉は?
『いや、アナルだけ』
単語だけで、アナルと?
『そう、ぽつりと』
ぽつりと?
『アナル』
朝一からのアナルインパクト。
恥ずかしい。
とても恥ずかしいが、でもなんかほっとした。
僕らしくてほっとした。
これが僕らしくない言葉だと、ただ恥ずかしいだけなんだけど。
アナルで、ほっ。
僕のキャッチコピーにしたいくらい僕らしい。
嫁はんは不可解だろう。
僕自身もなぜにこの言葉を口走ったのか不可解だが、寝言としては問題なしだ。
まったくもって快便じゃないか。
ただ一つ気になるといえば、アナルと口走る夢がどんな夢だったのかということ。
つい先日も、白鷺と青鷺が交尾しているところを、むむむ異種交配だなと思いながら、じいっと見ている夢を見たばかりだし。
夢診断求む。