アジアにおけるお坊さん映画については、2019年にリニューアルした「アジアのお坊さん映画館」に詳しく書かせて頂いたが、そこに書き切れなかったことや、それ以降のお坊さん映画について纏めさせて頂くことにした。
(2025年1月24日更新)
先ず、ホームページの本文で触れたタイ映画「アラハン・サンマー」(2007年)以降のタイのお坊さん映画について。
・下の画像は「ナモOK」という2014年のタイ映画のVCD。
・その内容が公開前後に物議を醸した問題作「อาบัติ アーバッティ」(2015年)に関しては、映画のタイトルがその経緯の中で微妙に変わったため、日本語のサイトでは「アーパッティ」「アーパット」「アーバット」などの表記が混在している。
仏教言語であるパーリ語の「アーパッティ」に関しては、こちらの記事を参照のこと。
・2019年にはタイ寺院における得度式がテーマのホラー映画「ピー・ナーク」が製作された。
・2024年のタイドラマ「イツカ、ミライハ」という、4エピソードから成るオムニバスSFドラマの内の第3話「信心もハイテク化」は、AI時代のタイ仏教を描いた傑作。
・同じく2024年のタイドラマ「ザ・ビリーバーズ」という連続ドラマは、タイの寺院における、信仰を食い物した詐欺ビジネスがテーマ。ちなみにこのドラマのタイ語タイトルは「สาธุ」。
⇒「สาธุ(サートゥ)」という仏教語については「タイ仏教用語のサートゥについて」をご覧ください。
・タイ以外のアジア各国のお坊さん映画としては、「The Monk」という、ミャンマーのお坊さん映画があるそうだが、私は未見。
・また、「輪廻の少年」という、チベット仏教僧が主人公のドキュメンタリー映画は、韓国人監督によるインド製作のドキュメンタリー映画。
テレビ版放映の後、2017年にノーカット完全版が劇場版として公開されたが、私はテレビ版のみ視聴。
・2023年のブータン映画「お坊さまと鉄砲」は1999年のブータンお坊さん映画「ザ・カップ 夢のアンテナ」以来のお坊さん映画の傑作。
・日本のお坊さん映画については、周防正行監督の「ファンシィダンス」以外に「アジアのお坊さん映画」として紹介するほどの内容を持つ映画がまだないので、ホームページ内では「ファンシィダンス」のみ紹介しているのだが、この機会に紹介してみると、最近では「典座 TENZO」、「仁光の受難」、「ボクは坊さん。」などがあり、歴史上のお坊さんを描いた日本映画としては、「釈迦」「日蓮と蒙古大襲来」「日蓮」「空海」、道元を描いた「禅 ZEN」などがある(ちなみに陳 凱歌=チェン・カイコーが監督した、「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」は、日中合作映画)。
いずれにしても、ホームページ「アジアのお坊さん映画館」には「達磨はなぜ東へ行ったのか」を始めとする韓国のお坊さん映画やチベット仏教の少年僧が主人公のブータン映画「ザ・カップ 夢のアンテナ」など、様々なお坊さん映画を紹介していますので、是非ご覧頂ければと思います。