夜の風、あるいは羊の咆哮 -2ページ目

夜の風、あるいは羊の咆哮

羊が毎夜、咆哮しています。





高校入試、


私立専願組は


合格が決まって遊んでる頃かな。



まぁ、


遊んだらいいと思うよ。



ただね、


うちの塾は


ただいま11:30分現在、


私立専願で合格が決まった生徒が


まだ勉強している。



もちろん


高校内容をね。



彼とは


3年間かけて


早稲田に通す。



という約束をした。



そのために必要なことを


今からやっている。



やや理不尽ともいえる内容を、


必死になりながらこなしている。



偏差値40台前半の高校。



ただ、こちらの言うことを


きちんとこなしてくれれば


早稲田くらいなら通せる。



今年一人、早稲田に通して、


早稲田に通るために必要なことが


ある程度分かってきた。



3年あれば十分。



偏差値40台前半でも大丈夫。



こちらの言うことさえ


期日を守ってきちんとやってくれれば


早稲田くらい通るよ。



本当に?



と思うだろう。



うん、


そう思うと思う。



これから3年間


しんどい思いをする。



本当に通るの?



そう思うのが普通だと思う。



だけど、


彼は俺のいうことを


丸々信じて、


課題に取り組んでくれている。



本当に早稲田に通るの?



そんな疑いの心も持たず、


素直にこちらの言うことを


きちんとこなしてくれる。



彼にはその能力があるから、


間違いなく通るよ。



ある人に全幅の信頼を寄せる。



その能力さえあれば大丈夫。



さて、


これから3年間。



楽しくなりそうだ。












国公立入試まで、


今日を入れてあと1週間。



いよいよここまで来たか。



今年の高3生には


本当に力を入れた。



ここまで教務に専念したのは


初めてではなかったか。



彼らが高2の初めだったとき、


この校舎の専属になった。



そのときに


力を入れるべきは彼らだ、


力を入れるべきは高2生だ、


そう思って、力を入れてきた。



丸2年。



彼らに力を入れてきた。



俺はそう思っている。



多くのものを犠牲にしながらも、


彼らのためにやってきた。



もちろんそんな恩着せがましいことは


彼らには言わないんだけど、



ただ、


多くのものを


犠牲にしてきたのも確か。



嫁にどれだけ迷惑をかけたか。



娘にどれだけ接することができたか。



そういったものを


全てかなぐり捨てて、


多くのものを彼らに捧げてきた。



その彼らの入試が


もうすぐ終わる。



俺の費やしてきた


時間と労力が


一つの実を結ぶ。



それが


どういった種類の果実であるか。



願わくば


芳醇な喜びに


満ちたものであってほしい。




いずれにせよ。



いろんな紆余曲折がありながらも、


ようやくここまでたどり着いた。




彼らの入試が


もうすぐ終わる。














高校3年生。


関関同立の結果が


ほぼ出揃った。



一人を除いて、


全員合格。



一人を除いて。



そう、その一人。



なんとかならなかったか。



落としてはいけなかったよな。



受からせてやらないといけなかった。



確かに勉強始めるのが遅すぎた。



いや、本気になるように


もっていけなかった。



こちらの責任は大きい。



もっとできたんじゃないのか。



あれもしてやりたかった、


これもしてやりたかった。



今、思い返すと、


後悔の念が沸いてくる。



こっちこそが、


本当の本当に本気だったか?



不合格を知ったときの彼の顔。



一瞬だけ、


本当に一瞬だけだけど、


涙を見せそうになった。



周りがいたから


気丈に振舞っていたけれど、


ふとした瞬間見せたあの顔。



忘れないでおこう。



あの顔をずっと心にとどめて


忘れないでおこう。



さあ、後期に向けて、


俺が差し出せるものは


全て差し出そう。



与えられるものは


全て与えよう。



こっちこそが


本気の本気になろう。


















高3生、


国公立入試が大詰めを迎えている。



もう、学校はないので、


塾に朝の10時に来て、


晩の11時に帰る。



そんな生活を続けている。



高3生と勉強できるのも


あとわずか。



できるだけのことを


してあげたい。



でも、


ここまで来ると、


俺にできることは


ほとんどない。



高3生は


自習室に篭ったきり、


なかなか出てこない。



昼ごはん、晩ごはんの


タイミングくらい。



トイレとか


いかないのかなぁ、


なんて思うくらい、


全然、自習室から出てこない。



俺にできることは、


もう、ほとんどないんだ。



時々、英作の添削くらい。



朝から晩まで


ずっと塾にいるのに、


会話をすることは


あまりない。



あまりないこともないんだけど、


以前と比べると


格段に減った。



寂しいような


嬉しいような。



俺にできることはなんだろう。



そう、


俺はここに


座ってればいいんだ。



朝から晩まで、


彼ら彼女らが勉強している間、


とにかく俺は


ここに座っている。



彼ら彼女らを信じて、


俺はここに座っていよう。



それが


この時期の高3生にできる


唯一のことか。



寂しいような


嬉しいような。










どうしても

酒が飲みたくて

そんな日もあるだろう、

どうしても

酒が飲みたくて。


嫁と娘が寝静まった頃

そっと家を出る。


高校時代、

受験勉強の合間に、

真夜中

ラーメンを食べに出た。


そのときの気分に

似てるかも知れない。


そう、

家族が寝静まった頃、

そっと家を出る。


細心の注意を払って。


音を立てないように、

誰も起こさないように。


そっと家を出た。


とにかく

酒が飲みたい一心で、

そんな気持ちになる時もあるだろう。

コートを羽織り、

ブーツを履いて、

そっと家を出たんだ。


行き先は

家の近所のバー。


何度か足を運んだことがあって。


大好きなマティーニと、

今日はモヒートを飲もうと思って。


それだけにしておこう。


今日は

それだけにしておこう。


そう思って行ったんだけど、

どうやらオーナーが変わったみたいで

中に入ると女の子ばっかり。


もちろん店員がね。


客は男ばっかり。


男たちは

女の子の気を引こうと

必死になってる。


まぁ、

そんな店に

すっかり変わってしまっていた。


やれやれ。


結局、何も飲まず

家に帰って

ウィスキー。


どうしても

飲みたいとき。


バーのカウンターのはしで、

一人、思索に耽りながら、

度数の高い酒をちびちびと飲む。


今日は

そんな気分だったんだけど、


まぁ、いずれにせよ、

女の子のばっかりで、

飲んでもないのに、

あんなやつらにチャージ払うのは納得いかない。


てか、酔ってきた。

また明日やな。


うん。


また明日。








モチベーションを保つのは


非常に難しい。



大人だってそうなんだから


子どもだったらなおさらだろう。



やればいいことがある。



それは分かってる。



だけど、なかなか腰が上がらない。



大人だってみんな経験がある。



やればいいんだろうけれど、


なぜかやれない。



俺だってそう。



毎日毎日、


朝、シャワーを浴びるときに、


自分のモチベーションを立て直してる。



朝、太陽に向って、


今日もがんばります、


と言わないとがんばれない。



モチベーションを保ち続けようと


強く意識して初めて、


ようやくモチベーションを保つことができる。



自分のモチベーションを保つのでさえ


相当苦労しているのに、


生徒の、つまり他人のモチベーションを上げるのは


100倍難しい。



勉強しないと受からない。



だけど、だらだらやってしまう。



その気持ちは分かる。



痛いほど分かる。



だって自分もそうなんだから。



だけどね、


このままだったら受からないよ。



そんな子のモチベーションを


どうやって上げればいいのか。



自分の非力さが悔しい。



俺に教わってなかったら、


モチベーションを上げてもらって


第一志望に通るんだろうか。



そんなことを考えると、


ほんとに辛いよな。



第一志望に落ちて涙を流してる。


だけど俺は、涙が出ない。


だってあんな勉強で受かるわけないと思ってるから。



第一志望に受かって涙を流してる。


だけど俺は、涙が出ない。


だってあんな勉強で受かるくらいなら


たいした大学ではないと思ってしまうから。



そんなふうにして最後を迎えたくはない。



落ちたら悔しくて自然と涙がこぼれる。


受かったら嬉しくて自然と涙がこぼれる。



そうなるまで


生徒にコミットメントしていこう。



そうでなかったら、


彼らに語った俺の言葉は


いったいなんだったのか。



この1年かけてやってきたことは


いったいなんだったのか。






もっとスキルを磨こう。



モチベーションを上げられるようにしよう。















いやぁ、


ここ数日、


怒涛の日々だった。



22時間働いて、


1時間だけ眠って、


また16時間働いて。



なかなかヘビーな


日々だった。



さて、その間、


うちの塾の1年間で


一番大切な会議があった。



10年後を見据えて、


今年1年はどういう動きをしなければならないか。


そういったことを


話し合った会議。



実り多いものであったし、


やる気にもなった。



今年1年は


去年の2倍働く。



まだまだ


できること


やらなければならないことが


たくさんある。



バリバリ働こう。










入試が終わって


塾に戻ってきたときの生徒の顔。



大きなことを達成したという


充実感に満ちている。



まだまだ子どもとも言える年齢で、


自分の人生を大きく左右する戦いを


終えてきた。



受験は子どもを成長させる。



戦争も飢餓も徴兵制もない時代、


子どもを成長させるシステムがあるとすると


この受験と言えるのではないか。



ゆとり教育という名の下、


一時はそのシステムさえも破壊されようとしていたが、


人間の本性がそうはさせなかったのか。



結果、今も受験は脈々と受け継がれている。



中学3年間、あるいは高校3年間。



この間ほど人が成長する時期はない。



大人が3年間で


彼らほど変われるだろうか?



日本社会の中で、


受験というシステムが担ってきた役割というものが


確かにあって、


そしてそれの代替品が発明されない限り、


このシステムはなくしてはいけないのではないか。



世の中は


目に見える役割だけで成り立っているわけではない。



なぜそれがあるのか


誰も明確に答えられない。


だが、確かに何らかの影響を与えていて、


それは言葉にはできないんだけど


確かにそこにあって、


それはどうやら


プラスの影響を与えているようだが、


それもはっきりしない。



そんなことが


世の中にはたくさんある。



しかしながら、



言葉によって必要性が明示できない、


イコール


無意味なもの。



という等式は


この世の中に限って言えば


成り立たないことのほうが


圧倒的に多いのではないか。



所詮、人間が言葉にできることは


わずかでしかない。



そのわずかな言葉で


表現し得ないからといって


無意味なものではないんだ。



受験から帰ってきた


生徒たちの顔。



そこには確かに


成長の証があった。











このブログ

同僚が一緒にやろうと

言い始めたのがきっかけ。


以前にもいろいろと

やってたことはあるんだけど、

以前のブログとは

意識して文体を変えてみた。


等身大の自分ではなく

少し背伸びをした感じ。


背伸びをしたって

女子高生みたいなこと言って

実際にはおっさんなんだけど、

まぁ、おっさんだって

背伸びくらいするよ

ということで、

このブログは

自分の思ってることをかけ離れて

少し偉そうというか

自慢げというか、

なんというか

要するに

自分をよく見せようとして

書いている節がある。


そうそう、

このブログの

一番最初の頃

ブログの文体で

すごく迷ってた時期があった。


まぁ、

そんなことは

どうでもいいんだけど、

なんでこんなことを書いてるかって


その俺を誘った同僚が

一向に更新する気配が

ないということ。


忙しいんだろうけれど。


だから

別にどうってことも

ないんだけど。


まあ、とりあえず、

俺もこのブログに対する熱が

ほとんど冷めてきたようだ。


ブログは毎日書くものだ

という

どこからきたのか

分からないんだけど、

なぜか自分の中にそんな考えがあって、


毎日更新できていない今、

このブログを

やる意味があるのかなぁ。


なんて

考え始めて。


さて、

どうするか。


とりあえず、

今年度は続けよう。


高3生の入試が

全部終わるまでは続けよう。


入試が終わった後に、

このブログを続けるかどうか

決めよう。


それまでは

毎日書く。


駄文を連ねよう。


やめる前に

それくらいはせめて

やらないとな。


そうじゃないと

今まで書き連ねてきた言葉たちが

かわいそうやん。


まぁ、いずれにせよ、

もう一度

このブログに

真摯に向き合おう。


言葉の持つ力を

大切に。











Would you know my name?

If I saw you in heaven.


もし天国で会ったなら

俺の名前を覚えてくれているだろうか。


君がさぁ、

あの世に行ってから

こっちの世界では

随分いろんなことがあったんだぜ。


大変なことがいろいろあったよ。


君が想像もつかないようなことがさ。


そう、

こっちの世界も

言うほど楽じゃないんだ。


でもさぁ、

いいことも悪いことも

いろいろあるんだけど

やっぱり楽しいんだよね。


人間ってそんなものかもしれない。


そんなものがどんなものかって

そんなのわからない。


とにかく

そんなものなんだよ。


ところでさぁ、

ちょっと聞きたいんだけど、

そっちの世界って

どんな様子なの?


噂ではさぁ

天国は白くないといけないから

天国の住人はみんな

壁をペンキで白く塗る作業をしてるって聞いたけど。


本当なのかなぁ。


もうすぐ

10年になるのか。


あの日パチンコ屋で。


君はボロ勝ち、

俺はボロ負け。


あれから

10年が経とうとしている。


そっちの世界はどうや?


もう慣れたか?


君なら上手いことやってるやろ。


10年もあったら

随分出世したんじゃないか?


てか、

そっちにも

出世ってあるんかなあ。


まぁ、遅かれ早かれ

いずれお世話になると思うから

そのときはいい就職先に

口利きしてくれ。


なぁ、

こっちの世界はさぁ、

君も知ってると思うけど、

君のほうが良く知ってるかなぁ、

時々辛いことがあるんだ。


どうしようもない気持ち、

やり場のない気持ちが、

身体の中に鬱屈してくるんだ。


まぁ、

君に話したところで

君にはどうすることもできないよな。


ちょっと

愚痴を聞いてもらいたかった

だけなんだ。


少し落ち着いたよ。


ありがとう。


夜遅くごめんな。


また、今度。


おやすみなさい。