入試がもうすぐ終わる | 夜の風、あるいは羊の咆哮

夜の風、あるいは羊の咆哮

羊が毎夜、咆哮しています。





国公立入試まで、


今日を入れてあと1週間。



いよいよここまで来たか。



今年の高3生には


本当に力を入れた。



ここまで教務に専念したのは


初めてではなかったか。



彼らが高2の初めだったとき、


この校舎の専属になった。



そのときに


力を入れるべきは彼らだ、


力を入れるべきは高2生だ、


そう思って、力を入れてきた。



丸2年。



彼らに力を入れてきた。



俺はそう思っている。



多くのものを犠牲にしながらも、


彼らのためにやってきた。



もちろんそんな恩着せがましいことは


彼らには言わないんだけど、



ただ、


多くのものを


犠牲にしてきたのも確か。



嫁にどれだけ迷惑をかけたか。



娘にどれだけ接することができたか。



そういったものを


全てかなぐり捨てて、


多くのものを彼らに捧げてきた。



その彼らの入試が


もうすぐ終わる。



俺の費やしてきた


時間と労力が


一つの実を結ぶ。



それが


どういった種類の果実であるか。



願わくば


芳醇な喜びに


満ちたものであってほしい。




いずれにせよ。



いろんな紆余曲折がありながらも、


ようやくここまでたどり着いた。




彼らの入試が


もうすぐ終わる。