寂しいような、嬉しいような | 夜の風、あるいは羊の咆哮

夜の風、あるいは羊の咆哮

羊が毎夜、咆哮しています。




高3生、


国公立入試が大詰めを迎えている。



もう、学校はないので、


塾に朝の10時に来て、


晩の11時に帰る。



そんな生活を続けている。



高3生と勉強できるのも


あとわずか。



できるだけのことを


してあげたい。



でも、


ここまで来ると、


俺にできることは


ほとんどない。



高3生は


自習室に篭ったきり、


なかなか出てこない。



昼ごはん、晩ごはんの


タイミングくらい。



トイレとか


いかないのかなぁ、


なんて思うくらい、


全然、自習室から出てこない。



俺にできることは、


もう、ほとんどないんだ。



時々、英作の添削くらい。



朝から晩まで


ずっと塾にいるのに、


会話をすることは


あまりない。



あまりないこともないんだけど、


以前と比べると


格段に減った。



寂しいような


嬉しいような。



俺にできることはなんだろう。



そう、


俺はここに


座ってればいいんだ。



朝から晩まで、


彼ら彼女らが勉強している間、


とにかく俺は


ここに座っている。



彼ら彼女らを信じて、


俺はここに座っていよう。



それが


この時期の高3生にできる


唯一のことか。



寂しいような


嬉しいような。