Another sky(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

前回までのお話の続きになっております。

さくらと葦切は、山あり谷ありでしたがめでたく結ばれ、奏は高校合格を果たします。

春休み、奏は母と設楽が暮らすNYへと遊びに行くことになりました…

 

 

まるで

 
夢の中にいるように。
 
たくさんの外国人に囲まれて急に心細くなってきた。
 
東京から飛行機で12時間ほど。
 
奏はひとりでニューヨークにやってきた。
 
バゲージを拾って、それを転がしながらキョロキョロとした。
 
飛行機に一人で乗るのも初めてで、しかも海外・・
 
緊張して機内でもあまり眠れなかった。
 
心細さがマックスになった時、
 
「おーい、」
 
日本語が聞こえて思わず振り返る。
 
設楽が笑顔で手を振っていた。
 
この人のことを今までどう接していいのか、果たして本当はどういう人なのかと
 
毎回手探りだったが
 
この時ほどこの人の顔を見てホッとしたことはなかった。
 
「旅行シーズンで。 いつもより空港が混んでいるよ。 やっと見つけた、」
 
設楽は笑顔で奏の前にやってきた。
 
「・・こんにちわ、」
 
なんと挨拶をしていいのかわからわからず思わずペコンとお辞儀をした。
 
「よく、来たね。 ずっと・・待ってたよ。」
 
胸が
 
きゅんとなった。
 
 
彼が運転する車に乗った。
 
「飛行機で、眠れた?」
 
設楽が聞くと
 
「あんまり・・。 なんだか緊張してしまって。 飛行機も乗るの二度目だし・・」
 
奏はホッとしたあとは、またこの人と会話するのに少し緊張した。
 
「梓も。 本当に心待ちにしていたよ。 ・・あ、高校合格・・おめでとう、」
 
設楽は思い出したように言った。
 
「あ、ありがとう、ございます・・」
 
「君の大事な時に一緒に居れないことを彼女はとても申し訳なく思ってて。 本当はそばにいたかったと思う、」
 
「北都さんのお宅で本当に良くしてもらいましたから。 卒業式には南さんと、篠宮先生も、」
 
奏は思わずさくらの名前を口にしてしまい、慌てて噤んだ。
 
それを察した設楽は
 
「気にしなくても。 いいよ。 って・・ぼくが言うのもなんだけど。 そうか。 卒業式も行ってくれたんだ、」
 
少しだけ微笑んだ。
 
もうお互い別れて。
 
そしてお互いに一緒にいる人がいて。
 
本当は何の気遣いもしなくていいのだろうけど、やはりさくらのことを彼と話をするのは少しためらう。
 
いや、
 
自分が嫌なんだ、と奏は気づいた。
 
 
春休み、奏は母のいるNYにひとりやってきました・・
 

奏の登場はこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

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