Another sky(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

設楽のマンションは、あのセントラルパークからほど近い
 
NYの住宅事情からしたら、一等地なのではないか、という場所に建つ高層マンションだった。
 
この人が日本はもちろん海外でも一流のピアニストであることをつくづく思い知る。
 
奏はエレベーターで隣に立つ設楽を何となく見てしまった。
 
 
「奏、」
 
マンションに入ると梓が飛んできた。
 
「頑張って。 来たよ、」
 
母は少しだけ以前よりふっくらとしたようで、そしてものすごく幸せそうな表情が印象的だった。
 
なんだかんだで会うのは10か月ぶりくらいだった。
 
「元気そうね。 なんだか背もまた少し伸びて、」
 
梓の方が久しぶりに会った息子にもう胸がいっぱいになってしまい声をつまらせた。
 
「合格、おめでとう。 ほんと・・よかった、」
 
そして思わず奏を抱きしめた。
 
「・・ありがと・・」
 
母の匂いが久しぶりで、ホッとするとともに何だか少し照れくさくて
 
「赤ちゃんは、」
 
と、サッと離れてしまった。
 
「こっちよ、」
 
ベビーベッドのあるリビングに連れて行った。
 
 
まだ生まれて2週間の赤ん坊がスヤスヤと寝ていた。
 
「ちっちゃいー・・」
 
奏はまだ生まれたての妹を見て思わず顔がほころぶ。
 
「よく寝てくれて助かってる。 赤ちゃんも15年ぶりだから色んな事思い出しながら。」
 
奏はすぐさまポケットからスマホを取り出して、写真と動画を撮りはじめた。
 
「ひなに絶対写真送ってって言われてるんだ、」
 
「ひなたちゃんも元気?」
 
「うん。 第一志望の高校に受かって、すっごい張り切ってる。」
 
「そう。 よかったー、」
 
母子の会話を少し後ろで設楽は嬉しそうに聞いていた。
 
「名前は?」
 
思い出したように奏は母に聞いた。
 
「美音。 美しい音って書いて『みお』って読むの。 啓輔さんがつけてくれたの。」
 
「みお、かあ。 かわいい名前・・」
 
ちょっとだけふにゃふにゃ動いて産着を吸う仕草をする妹が本当にかわいくて。
 
「美しい音を。 奏でる…」
 
梓はぽつりと言った。
 
「え?」
 
「そういう。 気持ちで、」
 
母の言葉に奏はその設楽の思いをすぐに汲み取り、スッと彼の方を見やった。
 
設楽は照れくさそうにサッと奏から視線を外した。
 
 
いつも。
 
ぼくのことを考えてくれてる。
 
設楽と接する時にその気持ちがヒシヒシと感じる。
 
嬉しいけれど。
 
その気持ちについていけない自分が少し後ろめたい。
 
産まれたばかりの妹と対面する奏。その名前に設楽の自分への思いをまた思い知りますが・・
 

奏の登場はこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

お話が長くなっております。よろしかったら読んでやってください・・

 

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