「虎に翼」第50回~第10週「女の知恵は鼻の先?」 | 日々のダダ漏れ

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「虎に翼」 第50回

第10週「女の知恵は鼻の先?

 

 

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穂高) この道に、わざわざ戻ってくる

 覚悟は、相当なもんだったろう。君を

 この道に引きずり込み、不幸にして

 しまったのはこの私だ。君に、専属

 の家庭教師を頼みたいというお方が

 いてね、給料は弾むと…。

寅子) あの待ってください。

 えっ…不幸? 私が…?

 はて?

(ピクリと反応する桂場)

寅子) はて?

 

**********

 

穂高) 佐田君、これ以上君に、

 傷ついてもらいたくないんだよ。

寅子) 先ほどまでは、平等な社会の

 ために真っ向から戦ってらしたのに、

 今は、私を女だからと、排除しようと、

 なさってますか?

穂高) 排除だなんて…。

 私はただ、理想論だけでは駄目だ

 ということを学んだんだ。今はまだ、

 女性たちが生きやすい社会じゃな

 い。それこそ、憲法と民法が世に

 なじんだ時に、初めてかなうのか

 もしれない。

寅子) 先生は何も分かって

 いらっしゃらない。

穂高) うん?

寅子) もちろん、私が桂場さんの

 もとを訪ねたのは、家族を養うと

 いう理由はあります。でも私は、

 無理に法律を学び続けたわけじ

 ゃない。好きでやったんです。

 好きでここにいるんです!

穂高) 佐田君。

寅子) そうです、私は好きでここ

 に戻ってきた。戦争や挫折で、

 いろいろと変わってはしまった

 けれど、でも、私は好きで

 ここに来たんです! 

 それが、私なんです。

 だから、ご厚意だけ

 受け取っておきます。

 失礼します。

(出て行く寅子)

穂高) 桂場君。

桂場) はい。

穂高) 私はまた、何か

 問題を起こしたかね?

(笑う桂場)

桂場) いや、ある意味、背中を

 押してやれたんじゃないですか?

 

**********

 

(鼻の穴全開の寅子)

 

優三) トラちゃん、落ち着いて。

 深呼吸。

 

寅子) 落ち着け…

 深呼吸…深呼吸…。

(深呼吸する寅子)

寅子) 第11条、「国民は、すべての

 基本的人権の享有を妨げられない。

 第12条、「この憲法が国民に保障

 する、自由、及び権利は、国民の

 不断の努力によって、これを保持

 しなければならない」。第13条、

 「すべて国民は、個人として尊重

 される」。第14条、「すべて国民は、

 法の下に平等であって、人種、信

 条、性別、社会的身分、又は門地

 により、政治的、経済的、又は社

 会的関係におい、差別されない」。

 

自分を取り巻く環境は、

今までと何も変わらない。

でも、この憲法がある。

好きで戻ってきた以上、

私が私でいるために、

やれるだけ努力してみるか。

 

(隣を見て、微笑む寅子)

寅子) よしっ。

(寅子を目で追う

優しい眼差しの優三)

 

**********

 

(時が止まったような会議室)

寅子) あの。

 僭越ながら、意見を申し上げて

 よろしいでしょうか?

工藤) ああ、もちろんだよ。

寅子) この大戦で、私は、夫を亡

 くして、戦争未亡人となりました。

 夫だけではありません。父も、

 兄も、亡くしました。

神保) そうだったのか…

 つらかったね。

寅子) 前の民法で言う、「家という

 庇護の傘の下において守られて

 きた」、という部分が、確かにある

 のだと思います。

神保) うん。

寅子) しかし、今も、昔も、思ってお

 ります。個人としての、尊厳を失う

 ことで守られても、あけすけに申せ

 ば、大きなお世話であると。

神保) うん、そう…。

神保) 君、随分なことを言うじゃ

 ないか。

寅子) 先生が大切になさりたい、

 家族を大事にするという美風が、

 おっしゃられたとおりに、私たち全

 員に備わっているのなら、一人一

 人の尊厳を信じ、守れば、何も言

 わずとも、美風は失われないので

 はないでしょうか。

神保) 君は何も分かっちゃいない

 ね。個人の尊厳ばかりに目を向

 け過ぎだ。みんな自分のことば

 かり主張しだしたら、家族なんて、

 すぐにちりぢりになっちまうよ。

寅子) では、もし、神保先生の息

 子さんが、結婚して、妻の氏を

 名乗ることにされたら、息子さん

 の、先生への愛情は消、結婚し

 たとして、夫の名字を名乗ろうと、

 佐田の名字を名乗ろうと、私や、

 家族への愛が消えるとは思いま

 せん。名字一つで何もかもが変

 わるだなんて、悲しすぎます。私

 たちは、多くのものを失ったので

 すから。憲法にあるとおり、より

 よく生きていくことに、不断の努

 力を惜しまずにいきませんか?

 ねえ、皆さん。

 

**********

 

<猪爪家>

寅子) 一度読んで、

 意見を聞かせてほしいの。

(顔を寄せ合い、

草案を読むはると花江)

はる) そうね、強いて言えば…

 片仮名ばっかりで読みにくい

 わね。

花江) ですよね。何でこう、私たち

 に分からせまいとする書き方を

 するのかしら。

はる) きっと自分たちが頭がいい

 って自慢したいんじゃないかしら。

花江) そう思ってしまいますよね。

 

**********

 

穂高) ほう、口語体で?

寅子) はい。記載を口語体にするこ

 とで、この法律がより身近になると

 思うんです。この改正案を、より多く

 の女性に読んでもらいたいですし。

神保) くだらん。

 そんな見え方だけ変えても。

穂高) いえいえ、見え方は

 大事かもしれません。

 

**********

 

昭和二十二(1947)年・七月

 

紆余曲折を経た、

民法の一部を改正する法律案は、

昭和22年7月、無事、国会に提出

され、その後、12月に成立するこ

とになります。

 

花江) 750条、「夫婦は、婚姻の

 際に定めるところに従い、夫又は

 妻の氏を称する」。えっ、これは、

 結婚したら、夫でも妻でもどっちの

 名字を好きに名乗ってもいいって

 ことですよね。

はる) そうよね。

 じゃあこの法律がもし…。

優未) (くしゃみ)

花江) うん?

はる) フフフ。

花江) この法律が、もしあったら、

 直道は、米谷直道だったかもしれ

 ないっていうこと?

花江) そうなりますね。

 もっと言えば、私たちが猪爪じゃ

 なくって、お義母さんの旧姓だっ

 たかもしれない。

はる) あっ、直井さんっていうこと。

花江) うん。

直明) えっ、じゃあ、

 僕、直井直明?

花江) 直井直人、直井直治。

直治) え~っ!

直人) 「なお」ばっかり!

花江) そうよ。

直治) 直井直治。ハハハハハハ!

直人) 直井直治? 直井直治って…。

 

**********

 

工藤) う~ん、結局神保教授の

 ゴリ押しで730条が残ったことが、

 なんとも残念だよ。

小橋) 「直系血族、

 及び同居の親族は」…。

一同) 「互いに扶け合わな

 ければならない」。

工藤) そんな当たり前のことをわざ

 わざ法律で規定することを、国民

 はどう感じるのかねえ。

寅子) でも、信じましょうよ。

 これからの社会は、国民にこの民

 法をどう使ってもらうか次第です。

 頑張りましょう。

(両手を広げ、寅子に迫る工藤)

工藤) サディ!

寅子) 何ですか、何ですか!

小橋) 暑い、寄るな寄るな!

工藤) ハグさせ…。

 

**********

 

(ノック)

工藤) 夜遅くまでご苦労だね。

桂場) 帰れ!

工藤) まあまあそう言わずにさ。

(ボトルを置く)

(クラッカーとイチゴジャムも)

 

**********

 

工藤) サディは、もうこの世界から

 逃げ出したりはしないと思うよ。

桂場) そんなもん分からんだろ。

工藤) それにしても皮肉だよねえ。

 たくさんの犠牲を払ったあげく、

 戦争に負けて、そうしたら、憲法

 が変わって、平等な社会に一歩

 近づいた。で、君はというと、水

 沼のじいさんがA級戦犯になって、

 やっと共亜事件の呪いから解放

 された。

 

(回想)

武井) 主文、被告人らは、

 いずれも、無罪。

 

工藤) 軍の甘い汁を吸っていた

 連中は全員いなくなって、一度

 外された出世街道にまたこうし

 て舞い戻ってきた。

(ジャム乗せクラッカーを食べ、

バーボンも飲む桂場)

桂場) お代わり!

工藤) んっ、はいはいはい。

桂場) ジャムの方だ。

工藤) ハハハハ、好きだね。

 

**********

 

昭和二十二(1947)年・十月

 

(噴水の公園で弁当を食べながら、

さりげなく通行人を見る寅子)

 

**********

 

寅子) 戻りました。

(時が止まったような職員たち)

(小橋を見る寅子)

寅子) どうしたの?

小橋) 花岡が死んだ。

寅子) えっ。

(寅子の瞬きが止まる)

 

**********

 

はて?…と昔の寅子が帰ってきたよ!

穂高先生は、現実的な視点から、寅子

を案じてくれているだけなんだけど…。

身内と思ってくれているのだろうけれど。

 

しかし、今も、昔も、思っております。

個人としての、尊厳を失うことで守ら

れても、あけすけに申せば、大きな

お世話であると。

 

…なんだよね~。こういう大きなお世話

というか、勝手に守りたがる人はいるw

 

そしてやはり花岡は…。

 

花岡) ありがとな、轟。

 でももう決めたんだ。

 こんな俺が言っても、何も信じ

 てもらえないかもしれないが、

 ここからは奈津子を誠心誠意

 愛して、何も間違わず、

 正しい道を進むと誓うよ。

第34回~第7週「女の心は猫の目?」

 

この台詞が出てきた時、嫌な予感はし

ていたのよね。正しさとは…難しいね。

 

 

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