「まんぷく」第32回~武士の娘の留め袖と萬平の茶色い塩 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「まんぷく」 第32
第6週 「お塩を作るんですか!?」
武士の娘の留め袖と萬平の茶色い塩

 

 

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<列車の中>

神部) 萬平さんが言うには、要するに、

 熱々の鉄板に海水をかけて、水が蒸発

 すれば、塩が残る。

萬平) そうだ神部君。さすが大阪帝大卒。

神部) ありがとうございます。せやけど

 そんな簡単に塩が出来るんでしょうか?

萬平) まあ出来ないだろうな。

神部) えっ?

萬平) 神部君、だから赤穂に行くんだ。

 江戸時代から、塩が作られていた所だぞ。

 

**********

 

福子) この度、こちらに引っ越して

 まいりました、立花でございます。

女性) ああ、あの陸軍倉庫やった…。

福子) はい、あそこに。

鈴) どうぞ、よろしくお願いいたします。

女性) こちらこそ。

福子) あっ、それで…これを。

(着物を差し出す福子)

女性) まあ、そんなご丁寧に。

福子) いえ、あっ、あの…お米と、

 交換して頂けないでしょうか。

 

**********

 

女性) はいはい、あの、海沿いの家に。

鈴) はい。

福子) それでですね…お母さん。

鈴) あっ、はい。

 あの、この、着物と、何か食べ物を、

 交換して頂けないでしょうか。

 

**********

 

鈴) もう嫌。まるで物乞いやわ。

 食べ物くれ、食べ物くれって、情けない。

福子) みんな当たり前にやってることよ。

鈴) 私は、武士の娘ですよ。

福子) あっ、あそこかしら、ハナちゃんの家。

鈴) はあ…。

 

**********

 

<ハナの家>

賢作) よう泉大津に来てくれたのう。

 福子さんのことは、

 嫁からよう聞いております。

福子) ほんまにかわいい。

(ハナの膝の上に子ども)

鈴) こちらさんは、

 泉大津の、地主さんやそうで。

賢作) 地主は私の父です。

 昔からここに住んでるもんで。

鈴) 地主の息子さんと、

 一緒になられたのね。お子さんも

 いらっしゃって、お幸せなこと。

ハナ) ありがとうございます。

福子) いないいない、ばあ~!

鈴) もう「ばあ!」やないでしょ。

福子) ばあ~!

鈴) 私も早く、孫の顔を、

 見せてもらいたいんですけど。

賢作) 子は、授かりもんですから。

福子) そうですよねえ。

ハナ) 今日は、お母さんと挨拶回り?

福子) そう。着物と食べ物を

 交換してもらってるんよ。

鈴) お恥ずかしい話で。

賢作) いえ。

 ぜひ、私どもにも見せてくれんかの。

福子) はい。とっておきのものを

 残しておきました。唐織の帯です。

ハナ) きれい。

賢作) これは上等や。

鈴) 私の、祖母から母へ、私へと、

 受け継がれたものです。

賢作) 300円で買いましょう。

鈴) えっ。

賢作) お金もご入り用でしょう。

 300円では、安すぎますか?

鈴) あっ、いいえ。

福子) ありがとうございます。

 ありがとう、ハナちゃん。

ハナ) ええのええの。

 福ちゃんは親友やもん。

 

**********

 

<兵庫・赤穂>

 

萬平さんたちが赤穂に着いたのは、

その日の昼過ぎでした。

 

萬平) 入浜式塩田。

男性) 昔からのやり方やけえ。

神部) 入るに浜で、入浜ですね。

萬平) 具体的にはどういうやり方を?

 

**********

 

萬平) 海水1リットルから、30グラムの塩。

男性) そがいなもんだね。

神部) つまり、海水の塩分は3%。

男性) でも、簡単に塩は取れんよ。

萬平) 手順を教えてもらえませんか。

 

**********

 

(塩作りの作業を見学する萬平と神部)

男性) どうぞ。

萬平) あっ、どうも。おお…。

神部) かんすいとはどういう字を?

男性) どがいに言うたらあ…鹹…。

神部) えっ、あの、もう一度お願いします。

萬平) 大阪帝大卒だろ。

神部) かんすいなんか聞いたことないです。

萬平) 漢字はこちらで調べます。とにかく、

 その、鹹水という、塩分濃度の高い、

 液体を作るわけですね。

男性) せぇから、塩にしていくのが、

 煎熬(せんごう)。

神部) それはどういう漢字を…。

萬平) その作業を見せて頂けますか。

 

**********

 

<立花家>

福) はあ~300円。

鈴) ハナちゃんのおうちは、

 お金持ちなのね。

福子) 地主さんやもの。

それに比べて、あなたの旦那様は、

 どうしていくつもりなのかしら。

福子) お塩を作るって言うてるやない。

鈴) 塩を作ってどうするの?

 清香軒さんに差し上げて、

 ラーメンをおいしくしてもらうの?

福子) それだけや…。

鈴) ご近所に配って、

 食べ物と交換するわけ?

福子) 分かりません。

鈴) 分からない?

福子) はい。

鈴) 自分の旦那が、

 何を考えているのか分からない。

福子) そやけど萬平さんは発明家ですよ。

鈴) だから?

福子) きっと何か、先が見えてるんよ。

鈴) 行き当たりばったりで

 生きてるとしか、思えない。

福子) 私は萬平さんを信じてます。

 お母さんも私たちの結婚を許した

 んやから腹をくくって下さい。

鈴) 腹をくくるって…。

福子) どっしり構えるのが

 武士の娘やないんですか。

(机を叩く鈴)

鈴) 暮らしは、どうするの? 

 明日もあさっても、食べていかないと

 いけないのよ、私たちは。

鈴) ハナちゃんの旦那様が、ええ着物

 があったら買うって言うてましたよね。

 お母さんまだ、持ってるでしょう?

鈴) 持ってません。

福子) まだ、隠してるでしょう?

鈴) 隠してない。

 

**********

 

<玄関>

神部) ただいま戻りました。

福子) お帰りなさいませ。

萬平) ただいま。

鈴) 赤穂はどうでした?

神部) 大変勉強になりました。

福子) ごはん出来てますよ。

神部) ありがとうございます。

 お昼食べてないんです、俺ら。

萬平) その前に神部君、倉庫だ。

神部) えっ?

萬平) 行こう。

神部) えっ…。

鈴) ちょっ…。

福子) ごはんはどうするんですか!

萬平) 先に食べててくれ。

 

**********

 

<倉庫>

萬平・神部) せ~の…。ああ…

 今日は、きれいな夕焼けだったから、

 明日はきっと晴れるだろうな。

神部) ええ陽気になるかもしれませんね。

萬平) 早速実験ができるぞ。

神部) 実験? (おなかが鳴る音)

萬平) 鉄板を置く土台と、海水がこぼれ

 ないように、こう、返しを作っておこう。

神部) 返しですか。(おなかが鳴る音)

萬平) 堤防だよ。(おなかが鳴る音)

神部) 萬平さんもおなかすいてるんや。

萬平) 今夜のうちに作るぞ。

神部) はい。

 

**********

 

<居間>

鈴) 先に食べろって言うてたんやから、

 食べましょう。

福子) 萬平さんたちは頑張ってるのに?

鈴) 親を、ないがしろにしてるわ。

福子) えっ?

鈴) 旦那の肩ばっかり持って。

福子) お母さんが自分で来るって

 言うたんやない。私たちと一緒に

 泉大津に来るって。

鈴) そんなこと言うたって、あなたしか、

 頼れないんやもの。家は焼けたし、 

 克子の家にはいられないし。咲は、

 もう、夢枕に立ってくれないし…。

 私のわがままも、少しくらい、

 聞いてくれたっていいやない。

福子) 分かりました。食べましょう。

鈴) いいの?

福子) こんくらいのことで

 萬平さんは怒ったりしません。

鈴) 頂きます。

(味噌汁を飲む鈴)

鈴) ああ~。

福子) お母さん。私と萬平さんの結婚式

 の時、きれいな留め袖着てたわよね。

 あれはどこに行ったん?

 

**********

 

萬平さんたちの予想通り、

次の日は、青空が広がりました。

5月なのに、真夏のような陽気。

 

神部) よいしょ。

萬平) よし…。

神部) 後ろ、気を付けて下さい。

萬平) よし。

神部) 置きますよ。

萬平) ああ、ゆっくりな。

(倉庫から鉄板を運び出し、表に

 用意した台に乗せる萬平と神部)

神部) あ~!

萬平) ああ、よし、ぴったりだ。

神部) こっちもぴったりです。

萬平) 神部君、でかしたぞ。ハハハハ!

神部) ありがとうございます。

 

**********

 

(波打ち際へ行き、バケツで

 海の水を汲む萬平と神部)

神部) よし!

 

**********

 

<倉庫の表>

(鉄板に触れる神部)

神部) あっつ!

 もうええやないですか萬平さん。

萬平) よし。やってみよう。

神部) はい。

(緩い傾斜をつけて、台に乗せらた鉄板。

 鉄板の上には、低い方に向かって

 逆ハの字形に角材が置かれていて、

 角材の内側にゆっくり海水を流す萬平)

神部) 蒸発してますかね。

萬平) してるさ。少しずつな。

(鉄板の上を流れた海水をバケツで受け、

 その水を舐めてみる神部)

神部) おっ、しょっぱなってます。

萬平) 流せ。

神部) はい。

 これを、何べん繰り返すんですか。

萬平) 鹹水(かんすい)になるまでだ。

 

**********

 

<ハナの家・水島家>

ハナ) まあ、きれいな留め袖。

賢作) これはええ。

福子) うちにある中で、

 一番ええ着物です。ねっ、お母さん。

鈴) はい。はあ…。

 

**********

 

<倉庫・表>

神部) はい。

(鉄鍋に鹹水を入れ、火にかける萬平)

萬平) よいしょ。

福子) ただいま戻りました。

神部) お帰りなさい、奥様。

萬平) 着物は売れたかい。

福子) はい。ハナちゃんの旦那様が

 500円で買うて下さいました。

神部) 500円!?

萬平) よかったな。

福子) はい。今は何を?

萬平) 煎熬だよ。

福子) せんごう?

神部) あの鉄板の上を何べんも流して、

 水分を蒸発させて、塩分濃度が濃くな

 った海水を更に煮詰めて、塩の花を作

 るんです。

福子) 塩の、花?

 

**********

 

<鈴の部屋>

鈴) はあ…。はあ~。

(うなだれる鈴)

 

**********

 

<倉庫・表>

(鍋の中を見ている福子)

福子) あっ…。

(うす茶色の結晶)

萬平) 塩の花だ。

神部) 萬平さん。

 

**********

 

<鈴の部屋>

鈴) 私の、留め袖が…。

(ちゃぶ台の上に突っ伏している鈴)

福子の声) お母さん! 

 来て! お母さ~ん!

(顔を上げる鈴)

 

**********

 

<倉庫・表>

(ザルに敷いた布の上に、

 塩の花を乗せる萬平)

萬平) あとはこうやって

 にがりを落としていく。

神部) にがりというのは、

 最後に残った、水分です。

萬平) よし。

福子) う~ん。

(ザルの下に置いた桶に落ちる

 にがりのしずく)

(ザルを持ち上げる萬平)

神部) 出来たんですか。

萬平) 出来た。

鈴) これが塩?

福子) なめてもいいですか?

萬平) ああ。ん~!

神部) ああしょっぱ!

福子) あっ、塩や! 塩です!

 お母さんもなめてみて。

鈴) 茶色いわ。

萬平) 鉄板の鉄が混ざってるだけですよ。

神部) 塩が出来た!

福子) 萬平さん!

鈴) でも茶色い。

萬平) やったぞ~! やったぞ~!

福子) しょっぱ~い!

萬平) いや、お義母さん、

 なめてみて下さいよ。

鈴) 茶色い。

萬平) やった~! とにかくやった~!

 

**********
 

確かに、ぶしむすにはいちいちイラッとさせら

れるけど…いわゆる世間の声を一人代弁し

ているともいえるので、ちょっと可哀想にもな

ってくる。あれを本当にご近所さんや、よその

人に言わせると、ギスギスした世界を見せら

れることになる。何だかんだ言っても愛嬌の

ある可愛いお母さんに言わせることで、まん

ぷくの平和な世界観は保たれているのよね。

身内になればなるほど言いにくいことを言語

化してくれる存在って実はかなりありがたい。

 

どうやって暮らす? お金は? 働かないの? 

子どもはどうするの? 言える人もいるだろう

けど、言えない人も多いと思う。ある意味、鈴

の容赦ないツッコミを利用して、福子は寛容

で理解のある、やさしい妻でいられるわけで。

子作りも、女性からは言いにくいところ、母が

心配してるという体でさりげなく誘導できたし。

ぶしむすが常に問題点を提示し、壁となって、

わがままや不平を言うことで、他のみんなが

いい人でいられるという仕掛けになっている。

 

どんどん発明家の…いや変人の片鱗が露わ

になってくる萬平を見ていると、鈴の存在はス

トッパーとして結構重要かもとも思えてきて…。

塩気がないラーメン。茶色い塩。企業にとって

クレームが気づきの宝庫でもあるように、ぶし

むすの文句、クレームは、意外と重要だったり

する。福子と鈴の、飴と鞭コンビは、発明家の

萬平にとってもなかなか理想的なシステムか

も。ぶしむすの声は世間の声でもあるからね。

 

いい人ばかりの世界で、一人憎まれ役となる

損な役まわりなので、鈴さんの言動に耐えら

れない人の気持ちはよく分かる。それでもや

っぱり、ギリギリ許せる可愛い人…に見せる、

中の人の人間力はすごいなあと思う。今日な

んて、着物を売って落ち込む鈴さんが可哀想

になったもの。もう福子しか頼れないんだもん

ね。文句言いつつ一生懸命ついてくるぶしむ

すが愛おしい。頑張れぶしむす! ファイト~。

いつか、いい着物が買ってもらえますように!

 

 

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