映画 「害虫」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

テーマ:
映画 「害虫」

害虫

誰も頼りにできない、戦場のような家庭や学校――。
北サチ子(宮崎あおい)は、母親稔子(りょう)の自殺
未遂、小学時代の担任、緒方(田辺誠一)との恋愛
などが影響してか、同級生の女の子とは違った雰囲
気を持つ
中学一年生の少女。自分に関する噂話が
飛び交う、気詰
まりな学校をドロップアウトして、街で
気ままに毎日を
過ごすことにしたサチ子は、万引き
で小銭を稼いで生活
する少年タカオ(沢木哲)と、精
神薄弱の中年男(石川
浩司(たま))と知り合う。彼ら
と小さな悪事を楽しみ、
子供らしい笑顔を取り戻す一
方で、変わってゆく自分に
対する混乱した気持ちを、
教師を辞めて遠方の原子力発
電所で働く緒方への
手紙に書き付けるサチ子。一方、ク
ラスメイトの夏子
(蒼井優)の努力のかいあってか、
サチ子は再び登
校し始める。合唱コンクール、人気者の
男子生徒と
の恋、そして何より夏子という親友を手に入
れて、順
調な学生生活を送るようになったサチ子に、残
酷な
現実が次々と突きつけられていく・・・。
子供らしい悪
戯は加速し、自分のことですら信じられなくなったサ
チ子は、唯一信じられる存在、緒方に会うために走
り出す。そして・・・。           
(2002年製作)

**********

北サチ子様
その後、元気でやっていますか。
こちらは大分落ち着いてきたように思えます。
もちろん、不安がないといえば嘘になる。
けれどもいまの僕は、
ここから逃げるわけにはいかないのです。

ペタという魚のオスは、あぶくをはいて巣をつくり、
そこにメスをさそいこんで、自分の体を折り曲げる
ようにしてメスをしぼり、卵を生ませるのだそうです。

今日、原発反対運動をしている組織からの
インタビューを受けました。
なぜ小学校の教師を辞めて、
こんな危険なところで働いているのかと。
僕はこの質問にインタビュアーが
期待するようには応えることができない。
だから、なんでこの役が僕に、と考えると、
なんだかおかしくなりました。

変な夢を見ました。
夜空には星も月も出ていなくて、
あたしのまわりはゴミだらけなの。

先生の知らない遠いところに、
私が先生をおいて行ってしまったら、
先生はさびしい? それとも割と平気?
そんなこと考えると、頭がおかしくなってしまいそう。
でも私は今、平気で生きています。

ペタというのは、
闘魚といわれている魚のことだと思います。

オス同士はものすごい戦いをするらしい。
長いときには、あの小さな魚が一昼夜にも渡って、
互いの体をかみつきあうのだそうです。

夢を日記に毎日つけていると死んじゃうそうです。
本当だったら、少しこわいです。

私は、また学校に行きはじめることにしました。

季節の移り変わりが、そちらとは大分違うようです。
それではくれぐれも風邪などひかないように。
いつもサチ子のこと、考えています。

一度でも自殺をしようとした人からは、
幸せが逃げてっちゃうって、本当ですか?
ママはもう二度と幸せになれないということですか?

サチ子はまだ13才だから、同じ年頃の
ボーイフレンドとつきあうべきなのかもしれない。

黒こげで内臓が飛び散ったカエルをみたら、
少しだけど気持ち悪くなりました。
こんなことをする私にはもうついてゆけないって、
先生だったら笑うかな。

あらゆる悪徳こそが人間存在の本質であり、
善とはただかろうじて悪ではない状態に
過ぎないのだと考えるならば―

およそこの世で最も真実らしくないものを―

先生は、
どうして自分を許すことができなかったの?

**********

男たちの「少女」に対する願望、期待、幻。その勝手
な欲望をぶつけてくる男たち。幸子は、あからさまに
性を意識させるタイプには見えない。フェロモンをま
きちらすタイプの女の子というよりはむしろ、固く幼く、
無機質な感じすらする。でも、そこがたぶん、「少女」
という一種の幻想を勝手に抱かせるのかもしれない。
そして幸子も、自らは意識していなくても、男たちに
意識されることで、無意識のうちに自分の中の「性」
を意識せざるをえなくなっていく。「害虫」とは、様々
な形でヒトに被害を与えるものに対する呼称らしい。
つまりは、自分たちに害を与えるものに対して、自分
の都合で勝手に名づけた虫ってことだよね。「害虫」
と呼ばれるもの自身に、「害虫」の自覚はないから。

何が、誰が「害虫」なのか? おそらくは、幸子のまわ
りにいる者にとって、幸子が「害虫」なのかもしれない。
でも、幸子にとっては、幸子のまわりにいる者こそが、
「害虫」なのかもしれない。幸子に親切だった夏子が、
その善良さで幸子を「不幸」と定義づけ、傷つけたよ
うに。何者でもなかったはずの幸子が、夏子によって
「可哀想な女の子」にされてしまった瞬間。夏子は幸
子にとっては「害虫」になった。そして、夏子にとって
も、自分の家に放火した幸子は「害虫」となったはず。
監督には監督の意図があるだろうけれど、それはそ
れ。私は私で、そんなことをグルグルと考えたりした。

宮崎あおいと蒼井優の、少女がもっとも少女らしかっ
た時間をフィルムに焼き付けたような…。誰かがこの
監督はロリコンだという感想を書いていたのだけれど、
ロリコンというより、脚フェチなんだなと、すごく思った。
少女の脚が好きなんだなあって。しつこいほどに脚を
撮ってるなあって。(いえ、私も脚フェチなのでつい…)

この映画、好きでも嫌いでもないけれど、幸子のよう
な女の子、確かにいるなあとは思う。そして、できれ
ば、関わりたくはないというのが、正直な感想。害虫
は嫌いだし駆除するのも嫌。でも、遠くからなら観察
してみたい、怖いもの見たさが映画になったような…。
見てはいけないものを見てしまったような変な感じw


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