極私的洋楽生活 -6ページ目

 

 


 

 

Five Years … 5年間
 
 
デヴィッド・ボウイの名盤
「ジギースターダスト」の冒頭を飾る曲
地球の滅亡まであと5年、と歌うこの曲は
アルバムコンセプトである
 
「地球人の5年後の滅亡からの精神的解放と
救済を異星人がロックンロール布教によって
遂行しようとする」
 
という荒唐無稽なファンタジーの
オープニングであった
どこか切なく、終末感の漂う曲調は
アルバムの一曲目としては
かなり異質な印象を受ける曲だと思う
 
 
ものごとを振り返る時
5年というタームは区切りやすいのだろう
「ついこの間」でもなく
「過去」と呼ぶほどの昔でもなく
ライブな進行感はないが、懐かしむにはほど遠く
オリンピックやサッカーワールドカップの
ブランクよりちょっとだけ長い
時事や時代の変化を総括するに
適当なボリュームの尺度なのかもしれない
 
 
有能なマーケッターでもあったボウイは
皆が総括しやすく現実的にイメージしやすい
5年間というタームを意識的に選択し
コンセプトへの共感を促した、
というのは妄想にすぎないだろうけど
 
 
今年のはじめ、そんなデヴィッド・ボウイが亡くなってしまった。
 

そして4月に熊本地震が起き
今も大変な状況が続いている
奇しくも今も過去となっていない
東日本大震災があったのも5年前である
 

その年に私はブログ記事を
書くことをやめてしまった
当時仕事が忙しかったこともあるし
気持ちが何となく塞ぎ
ブログに向かう姿勢が「書きたい!」から
「何を書けばいい?」「何か書かなきゃ」に
変わってしまい、書く意味を喪失してしまった
そしてもう戻れないくらいの時間が過ぎてしまった
 
 
私のブログの最終記事の日付は
2011年5月7日
それから5年の間
世界で起きたことはもちろん
自分に起きたことを上げだしたら
整理がつかないほど枚挙にいとまがない
けれどもそれを記録したものは何もない
記憶だけだ
ブログの世界ではその期間
空白だけがそこにある。
 

最近その空白感が
とても残念な事に思えてきている
年齢を重ね、未来に残された時間よりも
過去の時間の方が明白に長くなってしまった
からなのだろうか。
 
 
また、5年間も私のブログは
眠り続けているけれども
その間も多くの方にご訪問頂いていることに驚く
休眠しているブログなのに
毎日30名ほどの方に訪れていただき
5年前から訪問数は50000以上も増えている
おそらく検索エンジン経由で
来ていただいているのだろうけれど
自分の経験や思いが、見知らぬ方の
「知りたいこと」に何かしらほんのちょっとでも
貢献することもあったりするとしたら
こんなに嬉しいことはない
 

過去を振り返る記録として何か欲しくなった
また、私の戯言を見ていただく機会もある
という事への感謝
豚袋のブログはそんな動機で
もう一度復活してみようかと思う
 
 
いつまで続けられるかわからないけれど。
 

 
 
from album
 [The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars]
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豚袋でございます。
 
大変ご無沙汰いたしております
またブログを書いてみよう
と思うようになったこと自体
自分でも驚いています

ブログの書き方も忘れてしまったていたらくで
ちゃんと継続できるか自信もありませんが
どうぞお付き合いいただけますと幸いです

 

 

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豚袋でございます。
 
また間が空いてしまいました。久しぶりの更新です。せっかくコメントもいただいておりましたのに、ろくに返事もできず大変申し訳ございません。仕事でネットにどっぷりと浸かっており、正直仕事がたてこむと家でネットに繋ぐのすら嫌気がさしてしまう日々が続いておりました。ブログも放置しっぱなしで、なかなか皆さまのところにも伺えず不義理いたしております。
 
 
アパレル企業に勤務する私の現在のお仕事は、オンラインショッピングサイトの運営です。パソコンの中に職場があるようなものです。外部とのやりとりのほとんどはメール。毎日50件くらいのやりとりをメールで行います。毎日言葉を発するよりもキーボードを叩いている時間の方が長いのではないかと思います。そんな生活を送っているものですから、仕事以外でキーボードに触れたくない気持ちもあります。やはり人間はどこかでバランスをとらないとおかしくなる生き物のようで、ゴールデンウィークはやっと3日より本格的に休む事ができておりますが、電脳関係は一切シャットアウトして、呆けておりました。
 
 
さて、仕事に関してのどうでもよい愚痴が長々前段となってしまいましたが、久々に本編(と本人だけが思っている)のアルバムレヴューもどきの記事を書いてみようと思います。よく考えたら本編記事は今年初めてになります(もう5月というのに^^;)久々書くにあたって今までまだとりあげていない人にしようと思ったところ、この人のアルバムをブログ始めてもうすぐ4年も経つのにまだとりあげていない事に気が付きました。孤高のギタリスト、ジェフ・べック。今回は彼の作品で一番最初に聴いたアルバム、「ワイアード」をとりあげたいと思います。よろしくお付き合い下さいませ。
 

 

ジェフ・べック。言わずと知れたロック黎明期から活躍する大物ギタリスト。よく「3大ギタリストのひとり」という表現が使われますが、ことギタリストという呼称にフォーカスするならば、ジェフ・べックはひとつ抜けた存在だと思います。ギターに関しての他の追随を許さないテクニックとセンス、かつオリジナリティー。ギターという楽器に対しての並々ならぬ情熱。ブルースオリジンのロックフォーマットに収まらない拡大的スピリット。どれをとっても唯一無比の存在であると思います。
 

 

彼を修飾する言葉として「孤高・孤独」「職人」といったものが多く見受けられます。確かに彼はパーマネントなバンドスタイルの枠に自分を収められないほどのミュージシャン・エゴの強い人という側面が強く、実際自分以外のメンバーを固定化しようという発想が希薄で、自身のギタースタイルを求道していく事にしか興味がないように思われます。音楽的にもブルースにはじまりジャズ、ファンク・ブラックミュージックに影響を受け、フュージョンを経てしまいにはエレクトロニカ、テクノ領域まで行くという発展的な姿勢を取り続けている人です。そうしたフィールドの広さとストイックなまでの音楽に対する姿勢が彼を修飾する言葉に結びついているのかも知れません。
 

 

私がジェフ・べックのアルバムを初めて聴いたのは1977年頃、中学生でした。それ以前にもラジオ等で曲を耳にすることはありましたが、インストルメンタルに興味がなかったので、印象に残っていないというのが正直なところでした。きっかけは昼休みの音楽室で名も知らぬ先輩がギターを弾いていたのを聞いて、あまりにカッコよくしかもバカテクで驚いた事でした。当時パープルやツェッペリンのフレーズをコピーして弾いている人は沢山いましたが、その先輩が弾いているフレーズは明らかに異質であったので、誰の曲か尋ねたところジェフ・べックという答え。レッド・ブーツでした。さっそく原曲を聴いてみたくなって買ったというのがべックの「ワイアード」を聴くきっかけとなりました。
 

 

 

針を落とした瞬間から、見事にやられてしまいました。カッコよすぎます!まずリズム隊のパワフルでタイトな演奏で度肝抜かれました。そしてシンクロしながら入っていくべックの粘っこいギター。そのチューンはやがてリズムから遊離し、縦横無尽にフリーキーに変貌していく。またシンセとの絡み掛けあいが凄まじいテンションで繰り広げられていくその様は、圧巻としかいいようがありません。この一曲でべックの恐ろしさとこのアルバムの引力に身を任せるしかありませんでした。
 

 

またこの曲のバックが凄かった。ジャズ畑のミュージシャンに関しては全くの無知でしたし興味もなかったのですが、やっぱりパフォーマンスの凄さというのは確実にあると思い知らされました。シンセのヤン・ハマーとドラムのナラダ・マイケル・ウォルデンの名前はしかと胸に刻まれた瞬間でもありました。べックがバンド至上主義でなかったおかげでこれだけ素晴らしい才能とのケミストリーが生まれたと言っても過言ではないでしょう。
 

 

次以降の曲にはやはりべックが好きだったファンクへの傾倒を感じさせるノリのいい曲がすぐ続きます。またジャズ界の巨匠・チャールスミンガスの曲をとりあげつつ、ギターによるトリッキーでエフェクティヴなフレーズをこれでもかと解放したり、16ビートに乗せたフリーキーなエモーショナルないかにも「べックらしい」プレイを聞かせたりと、鬼気迫りながらも本当にのびのびとギターを楽しみつつプレイしている様子が伝わってきます。このアルバムのもうひとつのハイライトはやっぱりこの曲ではないでしょうか。べックの中でも有名な曲、ブルー・ウィンドです。
 

 

 

後のライブアルバム「ライブ・ワイアー」(こちらのアルバムも最高です。)でも盛り上げどころとなっているこの曲は、もはやべックの代表曲といっていいでしょう。当時は気にしておりませんでしたが、この曲はジェフ・ベックとヤン・ハマーのふたりだけで演奏・制作された楽曲であるようです。(ヤン・ハマーがシンセサイザーとドラムを演奏し、ベースもシンセサイザーによるもの)まず、そんな事はどうでもよく思わさせられる、べックとハマーの喧嘩とも思えるような壮絶なフレーズの応酬に耳を奪われる事間違いなしです。テクニカルでトリッキーながらも完璧な調和のもとに構成されている曲が多いこのアルバムの中で、ひときわ「疾走感」というかストレートな感情の発露は、ジャズのフォーマットの中でありながら極めてロック的なカタルシスに満ちていると思います。
 

 

それまでロックと言われるお仕着せの音楽ジャンルをなぞるように聞いてきた当時の自分にとって、べックのこのアルバムは全く異質な世界に感じられました。ジャズ、フュージョンという耳慣れぬジャンルへの最初の一歩であり、音楽的体験の幅が広がった瞬間でもありました。ただ、ジャンルのフォーマットが耳慣れぬものであっても、すんなり入っていけたのはやはりスピリットとしてのロックがベースにあったからだと思います。フリーキーかつスタイリッシュなジャズにロック的な攻撃性を加えた世界観は、あきらかにロック寄りの音塊を生み出したように思います。
 

 

べックの音楽的変遷はヤードバーズ、第一期ジェフ・べックグループ、第二期ジェフ・べックグループ、べック・ボガート&アピス、そしてソロと形態を変えるたびに音楽性を変えてきています。そのキャリアのなかで、組んだ相手の才能にインスパイアされさらに進化していったギタリストのような気がします。ロッド・スチュワート、ニッキー・ホプキンス、コージー・パウエル、カーマイン・アピス、ティム・ボガート等々、そうそうたる面々とたがいに影響しあったのでしょう。そしてこのアルバムではヤン・ハマーとナラダ・マイケル・ウォルデンという才能とフュージョン(融合)したのだと思います。このアルバムを聴いた後に、遡ってべックのワークをいくつか聞きましたが、やはり体験の鮮烈な印象において自分にとってはソロのいわゆる「フュージョン期」が一番べックを語るのにしっくりくるように思います。そしてやっぱり「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」「ライブ・ワイアー」の3作がもっともべックらしい時代だったのではないかと思います。
 

 

一曲聞きながら締めたいと思います。べックのアコースティック・ギターと、ピアノはじめバッキングの美しい、味わいのあるバラードです。余韻を残しつつ終わるこのアルバムは、やはりいろいろな意味において名盤であることは間違いないでしょう。最後に、ポール・ロジャースが言ったべックに関する最高の賛辞を添えたいと思います。それでは、また。
 

 

「ロックギタリストは2種類しかいない。ジェフ・べックとジェフ・べック以外だ」
 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


1970年代後半から80年代初頭は

サントリーのCMに釘付けだった
アート感覚にあふれ

練られたキャッチコピー

渋いナレーション
サントリーローヤルのランボーへの

オマージュに代表される
美しい映像美も見逃せなかったし

また選曲が最高だった

 
 
特に三宅一生さんの「角瓶」シリーズは
音楽のセンスが良かった
アラン・パーソンズ・プロジェクト
「In The Lap Of The Gods」
以前記事にもしたがウルトラヴォックス
「New Europeans」
いずれもCMでその存在を知った
アーティスト・楽曲だ
そして今回記事のホルガー・チューカイも
このCMシリーズで知ったアーティストである

 

 

ぐるぐると時代が回っている
私も回っている
時間が止まる日、角

 

 
ファッションの流れの速さに
てらし合わせたかのような
選ばれた短い言葉のナレーション
バックに流れる民族音楽の不思議な音階
美しく切ない旋律
言葉でなく、その声に込められた
プリミティヴな発露
英米のロックに馴染んだ耳に、
それはとても新鮮で一瞬で耳を奪われた

 

 
ホルガー・チューカイの曲であることは
すぐ分かったし、彼がCANというバンドの
元メンバーだったこともすぐ分かった
しかし何と言う曲なのかが、わからなかった
この曲が「Persian Love」という曲であるのが
わかったのはスネークマンショーのアルバム
「死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対!」
に収録されており、たまたまこのアルバムを
聴いて発見したのだった
さすがスネークマンショー、
と妙に感心してしまった

 

 
ホルガー・チューカイを遡って
発掘していくと必然的にCANに行き
CANというバンドのすばらしさを発見する
ひとつのきっかけから
次々に発見をしていける喜び
それが音楽の探索の醍醐味なんだろうな
と、いつも思う
優れたアーティストには優れた音楽が
すでに史実となっている
時間と時代を超越して体験できることは
幸せな事なのだ

 

 

 

 

 

from album
 [Movies]
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Reference:[サントリーウイスキー 角瓶 CM]
 
 
 

ところで最近、スネークマンショー復活R60が話題ですね!
わたしも毎週土曜深夜、WOWOWで堪能しております。
ツイッターでもサキサカさんとモモナイさんの非公式ツイットで相当盛り上がっていますよ^^