理学療法士が運営する、札幌駅前 コンディショニングサロンPhact ふぁくとのブログ
感染対策のためにマスクをするようになり、これまでない程に「呼吸」に意識が向けられるようになってますね。
リラックスして深い呼吸をする機会も減ってるので、多くのヒトが呼吸が浅いって感じてるのでは。
「呼吸が浅い」
「息が詰まる」
「息を吐ききれない」
「深呼吸ができない」
実際 このような問い合わせが増えてます。
そりゃそうです。
そこでGoogle先生でちょっと調べてみると、
首や鎖骨周りのマッサージやストレッチが 対処療法として紹介されていたり、意識的にお腹を膨らませる腹式呼吸なんかが出てきますね。
実際、こんな状況かと。
この記事では、
呼吸ってなに? 浅いって何? じゃあどうする?って形で、一歩踏み込んで考えて行けたらなぁと思います。
以下の目次に沿って考えていき、
最後には対処法としてのレッスンをご紹介していこうと思います。
◻︎ 呼吸について
そもそも呼吸って、「息を吸って、吐く」という動きの名前です。
当たり前の事だけど、これをシッカリ押さえておきたい。
そしてその動きの様式として、胸式呼吸・腹式呼吸という大雑把な分け方が有名です。
横隔膜が下がることで、
空気を吸い込む腹式呼吸
肋骨(胸郭|きょうかく)を拡げる事で、
吸い込む腹式呼吸
大きく分けると、こんな2つですが、
僕たちの"呼吸"は、まさか2択ではなく、もっともっとバリエーション豊富です。
お腹ばっかり頑張ってる人。
胸を膨らませるように吸う人。
肩を上げるように吸う人。
背中まで膨らんでる人。
首の筋肉をたくさん使う人。
細かくみると人それぞれ。
それは歩き方が一人一人違うように、呼吸も人それぞれなのです。
吸う時、吐く時の、肋骨の上下の動き。
自分の肋骨、どこがたくさん動いて、どこがあんまり動いていないでしょうか?
◻︎ 呼吸が浅いって?
呼吸というものが動きである以上、この表現自体がとっても難しい。
こちらは、スパイロメータという肺の機能を評価する時に使う機器のデータ。
目一杯 吸ったのがA。目一杯 吐いたのがB。
A〜Bの量が、肺活量です。
普通に吸う/吐く してる時のCの幅。
1回の換気(吸い込む)量。
これが少ないと浅い、大きいと深い?
理屈ではそうかもしれないけど そうも言い切れません。
a) のように吸い切った位置に近くで速く呼吸している人もいるし、b) のように吐き切った辺りでゆっくりな人も。
そして幅(換気量)はどちらも一緒。もちろん換気量が少ないパターンもありますね。
はて、浅いって何
呼吸という動きには、とにかく多様性・バリエーションがある。という事を理解して頂ければ
「浅い」と一言で片付けるのは難しそうって、分かってきました
では、浅いって一体なんだろう?
「息苦しい感じ。」「吐ききれてない感じ。」「吸えない感じ。」
呼吸が楽じゃない
= 努力的に感じている
= 効率が良くない
と、まずは言えるでしょうか。
◻︎ 影響すること
「 もう話はいいから、対処法を!! 」って思った方は、
> 対処法について考える
遠慮なく、次へどうぞ♪
興味のある方に、もうちょっと書いてみます。
呼吸と声。
声を意識してみる事は、自分の呼吸の多様性を知る1つのパロメーターになります。
先ほどのグラフの(a)の人のように、
吸い切った近くで速い呼吸をしていると、高い声で速口になりやすい。接客や緊張する場面、電話なんかでもこうなります。
(b) のように、
吐き切った辺りでゆっくり呼吸している時の声は、リラックスボイス♪ 寝起きやリラックスしている時は、声も低くもなります。
トーンが違う、という表現も。性格や喋り方の癖にも影響しますね。
交感神経優位、副交感神経優位と、自律神経の側面からも話が弾みそうですが、この話はいつの日か。。
そして 環境によっても影響を受ける。
シチュエーションによって変える必要があったり、無意識に変えていたりします。
社会生活の中では、"使い分け"も大事になりますよね。姿勢と同じです。
例えば緊張したり、好きじゃない環境に長くいると、そこでの呼吸方法が習慣化します。
その環境に"適応してる"とも"慣れる"とも言えますね。
仕事中は(a)のような仕事モードの呼吸も出来る。自宅に帰るとリラックスして(b)のような状態で寝ることも出来る。
本来、こんな振り幅(多様性)を持っていたはずの呼吸に偏りが起き始めているのかもしれません。
◻︎ 対処法を考える
:ここまでの話をまとめ、対処について考えていきます。
* 呼吸は多様性を持った動きだという事
体のあっちこち。膨らまして吸う事ができます。
多様性(バリエーション)がある。十人十色。
言葉では表現しきれない程、身体のアチコチが呼吸という動きに参加しています。
なので「お腹で吸って!」って言ったって限界があります。
「歩き方」や「自転車の乗り方」「バスケのシュート」なんかを考えると、動きや動作は言葉で伝えるには限界があるって分かりますよね。本来、言葉で教えられるものでなく、体感の中で試行錯誤の末に獲得していくものだからです。
* 不具合を感じるのは、効率よく呼吸ができてないって事
"効率よく"を、簡単に言うと"楽に"です。
楽に呼吸してるってどういう状態かって言うと、体のあちこちが呼吸に参加している状態です。
エース 1人だけが活躍するワンマンチームでは、エースはすぐに疲れてしまいます。
全員参加、One Team を目指したいわけです。
不調や疲れを感じている所は、一番 頑張っている所です。
他を活躍させて、エースを休ませてあげるのが本来の対処法ですよね。
首のマッサージや、辛い所のストレッチは、エースをまた活躍させるには有効かもしれませんが、根本解決にならない事が分かりますね
* 環境などの影響を受ける呼吸の習慣
本来は多様性のある動きのはずが、習慣的にパターン化された動きになってしまいます。
そこから脱する為には、不慣れな動きを取り入れる必要があります。
以上を踏まえ、呼吸を楽にできるためのSTEPを考えていきます♪
そして販売中の動画コンテンツの中から、いくつかの具体的な方法をご紹介していきます
STEP1
自分の呼吸を、まずは自分の体の感覚で感じてみましょう♪
毛の短い絨毯や畳など、痛みが出ない程度に硬めの床に仰向けになりましょう
背中と床が接地している感覚を頼りに、呼吸によって動いている所を感じてみます
本来ヒトはこうした感覚を頼りに、感覚に合わせて体の動きを調整し、姿勢や動作を獲得してきました。
でも大人になってからは、鏡や写真などの外部情報を頼りにし過ぎたせいか、自分の体を感じると言う基本的な機能を使うことに、不慣れになってしまっている方も多いかもしれません。
自分の居場所が分からなければ、目的地には到着できないかもしれません。
STEP2
もう少し詳しく、呼吸を感じてみましょう
右手を胸の上に、左手をみぞおちの上において、手のひらの感覚も使って呼吸を感じます
写真のように、脇のした辺りの膨らみ具合を感じてみて下さい
息を吸ったり吐いたりしている時に、一番頑張っているのはどの辺りでしょうか?
動きに参加していないのは、どの辺りでしょうか?
STEP3
普段、呼吸に参加していない所に、空気を送り込んでみます♪
両膝を立て、まずは楽に立てておける位置を探します
見つかったら足裏で床を踏んで、お尻を下からめくるように軽く持ち上げます
軽くで結構です。脚や首に余計な力が入っていないかにも注意を向けてください
床に押し当てられるている背中の辺りに、空気を送り込むように意識を向けてみます
平常時の呼吸のまま、1分程度リラックスしてやってみてください
持ち上げる高さを変えると背中の当たる所が変わります
心地よい所を探しながら、色々とやってみてください
今度は手を枕にして、うつ伏せに。
頭は左向きにして、右のほっぺたを手の上に載せます
左膝を少し曲げて、床の上に置きます
リラックスして出来る範囲にして下さいね
この格好になると、右の胸辺りが床に当たりますよね
今度はココに空気を送り込んでみて下さい
再び仰向けになり、最初との違いを探してみましょう♪
これらはレッスンのごく一部ですが、
普段動かない所や意識していない所が呼吸に参加し始めるだけで、呼吸が楽になるのを実感出来ると思います。
ワンマンチームが少しずつ解消される様子を、自分の感覚で味わってみて下さい
意識しやすい所もあれば、しづらい所もあると思います。普段使い慣れている所は意識しやすく、慣れていない所は使いづらい。
これらは人によって異なります。これこそが習慣や癖というもの。
そうした事が徐々に自分の中で明らかになっていけば、傾向が分かるから対策が組める。
STEP4
日頃の呼吸を観察してみましょう♪
レッスンに慣れてくると、日頃の呼吸にも意識が向けやすくなってきます。
まずは楽になった呼吸を、日常の中で感じてみて下さい。
そして呼吸を止めていたり、力を入れ過ぎたりしているのはどんな場面かを感じてみるようにして下さい♪
長文、最後までお読みいただきありがとうございます♪
はぁ〜〜僕も。集中して長時間デスクに向かった結果。。呼吸が浅い!!
レッスンして寝よっと
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!!