飲・水・思・源・2 -3ページ目

【本】隈研吾 オノマトペ建築

 

 今年の30冊目。

 「隈研吾 オノマトペ建築」 著:隈研吾

 

 新国立競技場の設計をはじめ、世界中で活躍している建築家・隈研吾氏の本。隈さんは沢山の本を出していますが、この本は自分の作品(2005年〜2015年の32作品)を「オノマトペ Onomatope(擬音語・擬声語)」で整理したもの。「ぱらぱら」「さらさら」「ぐるぐる」「ぱたぱた」「ぎざぎざ」「ざらざら」「つんつん」「すけすけ」「もじゃもじゃ」「ぺらぺら」「ふわふわ」の11のセクションからなっています。

 

 建築を考える時はつい平面図重視で機能的に考えることから始めますが、そこにいることをイメージした時にどういう気分になるか、外とどのようにつながりたいか、その分量は、といった感覚的な部分の感受性を共有する時に、オノマトペ的な言語は使えるのだと納得しました。この本に掲載されている平面図と空間の写真とが全くリンクしない所が、隈さんの建築の懐の深さなのかな。

 

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com

ジャコメッティ展

 

 新国立美術館で開催されていた「ジャコメッティ展」を観てきました。アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)は20世紀を代表する彫刻家で、細長く引き伸ばされた人形の彫刻で有名です。

 

 ジャコメッティの彫刻といえば、私の中で世界一素晴らしい美術館認定されている、デンマークにあるルイジアナ近代美術館を思い出します。ここにあるジャコメッティの常設展示の光景は、アートと自然の風景が一体とした環境が生まれていて、訪れた時にはオリジナルとはこういうことか深く感嘆したものです。個人の想像力を超えたその場所の特性を活かした設計、それを想う時、あの光景を思い出します。

 

 

 

 ところで今回企画協力のマルグリット&エメ・マーグ財団美術館、写真がコルビジュエっぽいなと調べたら、スペインの建築家ホセ・ルイ・セルト(コルブの弟子)による設計でした。

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com

スタディ模型

 

 住宅改修の打合せが急遽今日に早まったため、事務所で準備。今回は築100年近い旧家のため、既存の建具が全て味がある木の造作で、極力残しながら現在の生活に合わせるように計画する。お盆中でバイトもいないため、自分でスタディ用の模型を作成。考えながら作る、これも楽しい。

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com

【本】「しきり」の文化論

 

今年の29冊目。

「「しきり」の文化論」著:柏木博

 

 パナソニックミュージアムに深澤直人展を観に行った時に、売店で目に止まり衝動的に買った本。

 

 前半は私達の社会生活を成り立たせる無数の仕切りについての論考。辞書は文物の名前をアルファベット順に「しきり」世界を並べることで成り立っているし、会社員は勤務時間とプライベートな時間を明確に区分している。文化社会的な「しきり」の事例を紹介しながら、しきることがいつごろどのように生まれてきたのかを考察している。

 後半は住空間のしきり論。日本の建具による緩やかな仕切り、ウチ外の曖昧な感覚が、1920年代に始まる住空間の欧米化政策により一気に変容していったのかを解説している。そしてオフィスの空間が労働集約的な勤務環境の時代のレイアウトを引きずりながら現代にまで至っている中で、情報通信機器の発達によりコミュニケーションに要する「距離」と「スピード」がどこにいても限りなくゼロに近づくことが予想される現代において、理想的な働く場と暮らす場の環境バランスとは何かを考えさせられる。

 

 第一章で、エドワード・ホールの示した時間に対する区分を紹介している。産業化された世界に生きている人々は、「聖なる時間」「俗なる時間」「形而上的な時間」「物理的な時間」「生物的な時間」「時計の示す時間」などである。我々は無意識的に異なった時間感覚の中を行き来しながら暮らしている。それを意識しながら設計していくことが重要だと思う。

 

 

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com

植栽計画

 

 

 自転車での通勤路の神田川沿いの小路。春の桜のトンネルも良いですが、今も花が咲いていてキレイです。一年を通して、その都度目を楽しませる様な植栽計画をすることが大事だなーと、思いながら通り過ぎましたw。

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com