「日能研の良いとこ悪いとこ」という記事で書いたことのうち、今日は算数に関係する下記あたりの項目を補足したいと思います。かなり主観が入った一意見ですので、考え方が合わなくてもあまり目くじらを立てずにスルーしていただけると幸いです。

 

算数の導入が丁寧かつ本質的(特に学び直し②と育成テストの「応用問題」が秀逸)

パターン暗記や知識偏重に走らず思考力重視

△特に算数は男子難関校を目指すには演習量が不足しがち(「スピードアップ算数」や「プラスワン問題集」など市販問題集で適宜補っていけば問題なし)

 

 

まず、日能研新4年では四則の計算力を固めるところから始まり、5年では小数や分数の計算力を固め、それらの理解を深めるところから自然と「割合」につなげていきます。また、「数の性質」「図形」「場合の数」といった一まとめの単元を何週か連続で学んでいきます。このあたりのつながりや順番はよく考えられていると思います。

 

これに対し、他の大手塾では四則計算はできる前提でほとんど扱われなかったり、週替わりで違う単元を学んでいくところが少なくありません。どちらがいいかはケースバイケースですが、少なくとも苦手な子にとっては日能研の進み方の方が落ちこぼれにくいと思いますし、親としてもサポートがしやすかったです。

 

↓2年半前の関連過去記事ですが伴走を終えた今読んでも違和感はありません。

 

次に、私は算数/数学では「解法を覚えること」よりも「試行錯誤」や「本質的な理解を深める」ことに重点を置いた方が、遠回りなようでも結局は早道と考える派ですが(↓関連過去記事)、日能研の教材はまさにそのような方向性で、知的好奇心も刺激するよくできた内容だと思います。

 

 

その真骨頂が「栄冠」の学び直し②(研究してみよう)です。ここを飛ばしてしまい、①と③だけやっている方も少なくないかと思いますが、この学び直し②のような学びを丁寧にしておくことこそが、日能研生の勝ち筋の一つだと個人的には思っています。この部分が本当は一番書きたい内容なのですが、ここは次の記事で詳述します。

 

育成テストの「応用」問題では、テキストに出てこない(それどころか、他の問題集をたくさん見ても出てこないような)思考力型の良問も出てきます。「育成」テストという名前には、単なる「確認テスト」ではなく「学びの一貫の一部」という意味も込められているのだろうな、と思っています。4年時から全てのテストで毎回1問は途中の考え方を書かせる問題が出るところも、良い方向性だと思います。

 

次回に続きます。