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新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》

謎に満ちた迷宮のギタリスト、新津章夫のオフィシャル・ブログ。迷宮の森 《Forest in maze》

 よく話しに出る「新津章夫はワルツフェチである」という件。その元は、ミュージカルにあります。


 レコード盤をほとんど買わない彼が珍しく持っていた一枚、「サウンド・オブ・ミュージック」。ミュージカル映画の名作です。


ウィキペより

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF_(%E6%98%A0%E7%94%BB )


 この中にはジャズのジョン・コルトレーンの演奏でも有名な「メイ・フェイヴァリット・シングス」という3拍子の名曲があります。


The Sound of Music - My Favorite Things

http://www.youtube.com/watch?v=k-HhoQLC9q8&feature=PlayList&p=CD9F88906F1DD408&playnext=1&playnext_from=PL&index=21


 JRの京都シリーズのCMでも有名な曲です。


 これ以外にも「エーデルワイス」など叙情的な3拍子曲が収録されていますが、この映画(サントラ)を通じて、3拍子曲の創作に熱を入れたのでした。


「シロス・リンダーホフ」「迷宮の森(後半)」、いずれも3拍子を取り入れた曲です。

 そして、彼が影響を受けたもうひとつの曲、やはりミュージカル映画の「メリーポピンズ」の中の「チムチムチェリー」

http://www.youtube.com/watch?v=eD6zfkA5Eqk


 わお、なんとアニメーションは「I・O」のジャケットワークを担当くださった横尾忠則さんです!


「サイエンス・クラシックス」の1曲目、「くるみ割り人形」を聞いていただいた方ならばすぐにピンとくるかと思いますが、こういった幽玄の世界が大好きな新津章夫です。音楽を作るときはすべて理詰めであり、すべて自らのコントロールの及ぶ領域で完結していることを求めていました。


 しかし、結果としてそれが謎に満ちた、奥深い、理解しがたい摩訶不思議な音像となることを理想としていました。


 現在、新津章夫の没後10年に向けて未発表曲集のCDを出す予定でいますが、そこには“ワルツフェチ、新津章夫”ならではの3拍子曲を収めたいと思っています。


 しかしYOUTUBEって便利というか、使い方次第で名もない少年が一躍スターになることもあるし、こうしてイタリアの田舎町から他国の事情も知れるし。


 というわけで、最近、よくチェックしている二人の天才ギター少年を紹介します。


 まずは、Adam Fularaというポーランド人のギタリスト。奏法的には、1980年代に注目されたジャズのスタンリー・ジョーダンと一緒ですが、専用の? ダブルネックまで使って完全にショーと化してます。


http://www.youtube.com/watch?v=wShR8H5QWSM


 もうひとりは、フランスの鈴木堅司(ちょっと古い?)ともいうべき16歳(今は18歳?)、Matt Rach


http://www.youtube.com/watch?v=ggUrTEcllXM&feature=channel


 二人ともテクニックはすごいですね。よどみがない。素晴らしい。新津章夫が生きていたらさぞかし喜んで見たことでしょう…。


 しかし、二人ともアメリカ人でもイギリス人でもなく、フランスとポーランド。ロックとは無縁な印象ですが、いるところにはいるものです。そして、YOUTUBEの中ではエリック・クラプトンと同格にもなれる。面白いですね。

 加藤和彦さんについては様々な人が様々な場所で彼の作品を紹介しつつ、その功績を語っていらっしゃいますが、僕にとってはフォークルもサディスティックミカバンドも衝撃的でしたが、やっぱりコレなんです。


メケメケ

http://www.youtube.com/watch?v=zjygnQYmXD4


 これはYMOも参加していたことで知られる「スネークマンショー」のアルバム内の1曲で、Dr.ケスラーとのクレジットがありますが、聴けばすぐにわかるように歌い手は加藤さんです。


 加藤さんのセンスって、こういうところに現れてますよね。当時の音楽シーンをご存知の方ならばよくわかるとおもいますが、シャンソンをロックに仕立ててしまう、スゴイとしかいいようがない。


http://www.youtube.com/watch?v=Y6fu8HZmeC8&feature=related


↑こちらは日本で「メケメケ」を最初にヒットさせた美輪明宏さんのバージョン。


 ご冥福をお祈りします。日本のポピュラー音楽に対する偉大な頭脳の損失です。


 1978年に新津章夫のデビューアルバム「I・O」が発売された時、業界内の人の間ではボストンのトム・ショルツとの比較というのが話題になりました。


 以下はウィキペからの引用です。


1.自宅アパートに多重録音可能なスタジオを構築、そこで作り上げたデモ・テープがCBSレコードに認められ、デビューの運びとなる。このデモ・テープの完成度は異様なほど高かったので、ほとんどショルツ一人で作ったという話をCBS側はにわかには信じず、後で「実は…」とバンドのメンバーが明かされるのではと期待していた


2.アルバムジャケットに刻印された「No Synthesizers Used(シンセサイザー使用せず)」「No Computers Used(コンピュータ使用せず)」という有名なクレジットは決してハッタリではなく、その綿密に手を加えられた音源と、膨大な時間と労力を費やしたミックス作業を物語るものである。


上記の2点が新津章夫のケースと酷似していたからです。


 新津章夫の場合は、スタジオと呼べるようなものではなく、ソニー製の4チャンネル・オープンリールデッキを使って自室でシコシコ録音したものですが、「アルバムの制作はショルツの完成度の高いデモ・テープの内容を、プロのスタジオのクオリティで忠実に再現することに費やされた」という部分ではまったく一緒です。


 新津章夫のデモテープを発掘していただいたのは、スーパーバイザーであり、音楽ライターである、岩田由記夫氏ですが、岩田氏の言葉を確かめるために、当時の日本フォノグラムのプロデューサー、三浦光紀氏は自宅に新津章夫を招き、目の前でギターを弾かすという「確認」をしました。デモテープを聴いた限りでは、それがたった一人で自室にて録音されたものとは到底思えなかったためです。


 トム・ショルツが「コンピュータ不使用」とクレジットに書いたように、新津章夫はインタビューにて、「今後、コンピュータで音楽を作る時代がくるだろうが、その時代のミュージシャンたちでも、僕の音は作れないと思うよ」と語っています。


 僕は今でもたまに若いミュージシャンたちとコンタクトすることがありますが、デモテープ作りは、野球で言えばキャッチボールやノックに相当する、基本中の基本で、しかも地味な作業です。が、この段階で完璧なものが作れなければ、いざプロのレコーディングスタジオに入っても、機材におんぶにだっこの底の浅いものしか作れないだろうと断言します。


 昔、原田真二さんがフォーライフレコードに送ったデモテープを聴かせていただいたことがあります。それはそれは、コレが本当に高校生が作ったものなのか、耳を疑いました。あのデモテープがあっての、その後の原田さんの音楽性なのだと思います。


 これからミュージシャンを目指す皆さんは、ぜひともデモテープ作りに全神経とエネルギーを費やしてください。


新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》-LP&CA


 ギタリストのレス・ポールさんが亡くなられました。

 僕がハタチの頃、爆発的にヒットしたアルバムに「Chester & Lester」という1枚があります。チェット・アトキンスとの共演盤で、味のある演奏にジャンルを超えて多くのギタリストを虜にした名盤でした。

 新津章夫も例外ではありません。「I・O」の2曲目「ワンダーランド」はまさに、「Chester & Lester」に触発されて作った曲です。

 マニアックにいうならば、ギターの6~3弦をミューとしてピックを滑らせながら1、2弦のメロディーを弾く奏法などは、まさいレス・ポール氏のそれを真似たものです。


「天気雨」という曲も「第三の男」(アントン・カラス)のオマージュのようで、演奏的には「Chester & Lester」気分で弾いています。ぜひ聞き比べてみてください。


※「Chester & Lester」はYOUTUBEに音だけのっていました。

Chester Lester Its Been A Long Long Time Moonglo


 僕自身は「無印良品BGM」の新津章夫(新津彰夫はありません。何度も言いますが…)の楽曲について「適度な手抜きが心地よい」と評しておりますが、その典型ともいえる曲。


 TR-909を使って、おまけみたいにスネア音だけちゃらちゃら鳴らす人っていないと思いますね。手抜きですね。基本的に、ドラム嫌い、いや、ドラムを憎んでいた人ですから、まぁ、スネア音が入っているだけでも珍しいのですが。


 この頃と「I・O」を作っていた頃との大きな違いは、デジタルディレイを手に入れたことでしょうか?  「I・O」の頃はまだデジタルなんて概念は少なくとも楽器にはなくて、すべてアナログ。ゆえに残響関係もスプリング・リバーブとか使っていました。外付けのもありましたが、ギターアンプのリバーブ部分だけエフェクターとして用いたり。音が悪いはずですよね。


 このピッチカートな主旋律を聞くとデジタル・ディレイ様様というのが思い起こされます。新津章夫の音作りの一面である「かわいらしさ」の演出にも欠かせません。これがアナログのリバーブだと、もっともっさりと、肉感的な感じになっちゃいますしね。


 というわけで、「適度な手抜きが心地よい」の代表曲は、本当に手抜きな感じの一曲です。

 新津章夫の戒名は「冬琳院日章…」といいます。


 最初、この戒名を頂いた時にはどきっとしました。もしやお上人様は新津章夫の「無印良品BGM」を聴いたことがあるのだろうか、と。


 あとで聞いたところによると、「冬」は物事に整理をつけて蔵などにしまうこと、「琳」は光り輝く音のことだそうですが、正直言いまして、お上人様には新津章夫の詳細な略歴はお伝えしていないはずなのですが、「光のオルゴール」も連想される「琳」という文字もあって、とても驚いた思い出があります。


 さて、「無印良品BGM」は「冬の夜」からはじまります。


 自分の曲に進んで曲名を付けなかった新津章夫は、多くの曲を番号で呼んでいました。それがなぜ、「無印良品BGM」だけが「星」にちなんだ曲名を付けたのかわかりません。


 しかし、「冬の夜」はまさに静かな冬の夜の印象が音に表されています。文部省唱歌にも「冬の夜」という曲がありますが、新津章夫がこれに影響を受けたかどうか、それも今となってはわかりません。


「冬の夜」のポイントはやはりサビのメロディーでしょうね。特徴あるセンチメンタルなフレーズ。ギタリストである新津章夫が、一度もギターを弾いていない曲、というのも珍しい一曲です。


 ちなみに、器材は鍵盤がヤマハのDX7、リズムボックスはローランドのTR909(彼の特徴として全編のプログラムはせず必要部分に応じてアナログで発進させる。手打ち部分も多い)。で、たぶん、効果音シンセとしてKorgのMS-20を使っていると思われます。

 しばらく日本に帰っていたため更新が遅れておりました。近々、新しい記事を載せます。ごめんなさい。

 本当にごめんなさい。更新が遅れておりました。ここにお詫びするとともに、今回はかなり骨っぽい話をお届けします。


 これはホットドッグプレスという雑誌に載った新津章夫の記事です。まだホットドッグプレスが月刊誌だった時代。ちなみに、私、新津隆夫がライターとして活動を始めるきっかけは、この記事の取材でいらっしゃった当時の副編集長の方の名刺を見つけて、「先日、取材をしていただいた新津章夫の弟なんですが…」と手紙を出したから始まったのでした。つまり、新津兄弟にとっては思いで深い記事なのです。


 ここで、新津章夫は「プレイヤー」や「サウンドレコーディングマガジン」などのミュージシャン専門誌顔負けの超専門的でディープな話をしております。これも執筆していただいたのが、新津章夫のスーパーバイザーであり、音楽製作に精通する岩田由記夫さんだったからこそ。これが一般誌の記事とは思えぬ読み応えです。


 ちなみに、このページには、新津章夫の他にも坂本龍一氏、茂木由多加氏が紹介されておりましたが、天下の坂本龍一を差し置いて新津章夫が大々的に紹介される破格の扱いでございました。岩田さんに重ねて御礼申し上げます。


新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》-HDP1


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 すみません。2ヶ月も空けてしまいました。にもかかわらず安定したアクセスをいただき感謝します。アクセスしてもぜんぜん更新されていないとガッカリしますよね。申し訳ありません。近々、新しい記事をアップします。