よく話しに出る「新津章夫はワルツフェチである」という件。その元は、ミュージカルにあります。
レコード盤をほとんど買わない彼が珍しく持っていた一枚、「サウンド・オブ・ミュージック」。ミュージカル映画の名作です。
ウィキペより
この中にはジャズのジョン・コルトレーンの演奏でも有名な「メイ・フェイヴァリット・シングス」という3拍子の名曲があります。
The Sound of Music - My Favorite Things
JRの京都シリーズのCMでも有名な曲です。
これ以外にも「エーデルワイス」など叙情的な3拍子曲が収録されていますが、この映画(サントラ)を通じて、3拍子曲の創作に熱を入れたのでした。
「シロス・リンダーホフ」「迷宮の森(後半)」、いずれも3拍子を取り入れた曲です。
そして、彼が影響を受けたもうひとつの曲、やはりミュージカル映画の「メリーポピンズ」の中の「チムチムチェリー」。
http://www.youtube.com/watch?v=eD6zfkA5Eqk
わお、なんとアニメーションは「I・O」のジャケットワークを担当くださった横尾忠則さんです!
「サイエンス・クラシックス」の1曲目、「くるみ割り人形」を聞いていただいた方ならばすぐにピンとくるかと思いますが、こういった幽玄の世界が大好きな新津章夫です。音楽を作るときはすべて理詰めであり、すべて自らのコントロールの及ぶ領域で完結していることを求めていました。
しかし、結果としてそれが謎に満ちた、奥深い、理解しがたい摩訶不思議な音像となることを理想としていました。
現在、新津章夫の没後10年に向けて未発表曲集のCDを出す予定でいますが、そこには“ワルツフェチ、新津章夫”ならではの3拍子曲を収めたいと思っています。