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新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》

謎に満ちた迷宮のギタリスト、新津章夫のオフィシャル・ブログ。迷宮の森 《Forest in maze》

今日は12月18日です。ネットを見ていると、そこらじゅうにチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の話が出て
いるので、なんだろうと思ったら、1892年12月18日、サン
クトペテルブルクのマリインスキー劇場で初上演されたのだそうな
。今年は120周年記念。なるほど。


というわけで、新津章夫「サイエンス・クラシックス」の「金平糖の踊り」でも聞きましょうか。



新津章夫 「金平糖の踊り」

http://www.youtube.com/watch?v=trM90UTd9_A



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新津章夫がレコーディングをしていた70年代末から80年代初めにかけてはエフェクターも創生期であり、今ほど選択肢はありませんでした。

とくに歪み系についてはファズからディストーション、オーバードライブと多種多様なタイプが出はじめた頃でしたが、ボリュームペダルとなるとほとんどバリエーションがなく、プロが使えるクォリティーとしては、ショーバッドとアーニーボールの2大ブランドの時代でした。

この2機種については大きな違いがあって、ショーバッドはたしか2万6000円ほどし、アーニーボールは1万5000円くらいで買えたと記憶しています。30年も前の記憶なので、間違えていたらごめんなさい。

結果、ビンボーミュージシャンだった新津章夫は否応なしにアーニーボールを使うしかなかったわけですが、アーニーボールの特徴は写真を見てもらえばわかりますが、サイドにボリュームがついていて、これで音の立ち上がりを調節できたと記憶しております。ボリュームカーブですね。

要するに、ちょっと踏むだけでぐぐーっと音が大きくなるか、踏み込まないと大きくならないかという違いです。

アルバム「I・O」では「ワンダーランド」のエンディング付近、また「迷宮の森」では笙篳篥を模した音などに大活躍をしております。とりわけ、笙の音の立ち上がりの遅さを表現するには、このサイドボリュームがとても役にたったわけです。

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$新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》-Nadines Over Drive

新津章夫はエフェクターフェチでした。というわけで、当時としては手に入るものはほどんど持っておりましたが、機材を順番に紹介してまいりましょう。入手時期、使用曲などは順不同です。すみません。

まずは、いきなり珍品登場、ネイディーンのオーバードライブです。1980年ごろにL.A.のネイディーンズ社と椎野楽器とで共同開発したエフェクター「Nadine's / Signal Device」。右側の「IN」にギターのプラグを差し込むと自動的にスイッチが入り中央上のインジケーターが点灯します。チューブアンプを彷彿とさせる倍音の多い情感豊かでとてもナチュラルな歪みが特徴です。

これは何に使いましたかねぇ…、入手したのは「I・O」の後ですから未発表状態かもしれません。そのうち、音をアップします。イメージ的にはボストンの名曲「宇宙の彼方へ/More Than A Feeling」のリード音に近いですかね。

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実はこれについては実弟である私もよく知らないのです。新津章夫が亡くなる半年くらい前にもらったメールに書かれていたメモ程度にしか…。

話を総合すると、1985年に所属事務所である「オレンジ・パラドックス」を辞め、ミュージシャンを廃業してコンピュータ・プログラマーに転身しました。

しかし、その頃に知人を通じて「曼荼羅」というコンピュータグラフィックスを使ったメディテーションビデオへの音楽の依頼があり、そのために作られた音源かと思います。

キーボード数種の重ね録りという極めてシンプルな音作りなれど、そこはそれ、新津章夫らしい切なくもロマンティックなメロディーになっています。


新津章夫 「曼荼羅」 01
音楽ライターであり新津章夫のスーパーバイザーである岩田由記夫さんのおかげで、あのカタブツもレコード制作以外にもそれなりに楽しい仕事をさせていただきました。そのひとつが、ラジオのCMです。

1970年代はFMラジオの音楽番組をエアチェック(要するに録音ですね)するのが一大ブームでして、FM放送の番組表とオーディオ雑誌を兼ねたような媒体がたくさんありました。FMレコパルは小学館から発行されていた雑誌です。

糸井重里さんがDJをやっていた番組だったと思いますが、そこで流すラジオCMの制作を担当したことがありました。

といっても音楽担当ではなく、SE…、今時はエスイーというとシステム・エンジニアのことですが、当時はコンピュータなどはまだ一般には普及しておらず、SEといえばサウンド・エフェクトを指しました。

CMには音楽も入っていますが、これは新津章夫の物ではありません。最後に♪え~ふえ~む、れっこぱーる、というジングルが入りますが、このメロディーとエンジニアリングは新津章夫の物です。♪レコパール、ではなくレッコパールと促音にしてあるところがアザトイですね。

歌声は女性の歌手の方の物ですが、加工してあるのでヴォーカロイドのように聞こえます。デジタルとアナログの境目にあった時代が感じられます。

FMレコパル ラジオCM
http://www.youtube.com/my_videos_edit?ns=1&video_id=65qB8UrTLUU
しばらく間を空けてしまいました。すみません。

1973年のデモテープはまだまだ音源がたくさんあります。準備ができ次第、アップしていきます。

今回は「ドイツの印象」です。ダラダラBlogを書きなぐっているため、これについて以前にも書いたかどうか、だんだんわからなくなってきておりますが、YOUTUBEの新津章夫のページには2テイクあります。

ひとつは、プロデビュー前に浅草にある某楽器店のスクールでギターを教えていた頃に、他の楽器の先生たちと一緒にバンドを組み、同店が楽器フェアに出展した際に出演した時のライブ音源と、その元となった多重録音のテイクです。


「ドイツの印象」(多重録音テイク)

http://www.youtube.com/watch?v=wy1dzW5i8g0

「ドイツの印象」(ライブテイク)

http://www.youtube.com/watch?v=dgR0RsCjm2U

1973年当時なので、新津章夫は21歳くらいですかね。早熟な演奏ですね。

YOUTUBEの欄にも書いてありますが、多重録音の音源はSONY製の4トラック2チャンネルのオープンリールを使ってピンポン方式で録っています。Eギター、Eベース、シンバルとスネアだけのリズムによる演奏で、最終的に「ドイツの印象」はアルバム化もマルチトラックを使った録音もされませんでした。
以前紹介した「未来永劫」のもっとも早い時期の音源です。別テイクと同時期の録音。

「未来永劫」 デモテープ音源(1976年)
http://ameblo.jp/petstep/theme-10046742372.html

大きな違いは途中のバロック部分で、個人的にはうまくまとまっている別テイクよりも、おそらく計算外に速く細かくなってしまっているこちらの方が好きなんですけど…。レコードでは、別テイクを採用したようですね。

未来永劫・初期テイク
http://www.youtube.com/watch?v=2FJ3m_tNfyQ
前回同様、新津章夫が多重録音を始めるきっかけとなったSONYの4トラック2チャンネルのオープンデッキでピンポン方式で多重録音した音源から。

高校時代はもっぱらマイケル・ブルームフィールドばりのブルース一辺倒だったが、高校末期からバーニー・ケッセルやウェス・モンゴメリーなどのジャズギターに傾倒した。4つ、5つの音をフリークエンスするだけのシンプルな曲だが、メロディーはオクターブ奏法、途中のソロパートはケッセル風あり、ウェス風あり。一人でいろいろなキャラクターのソロを弾き分けるテクニックは、のちに「I・O」の「天気雨」などに昇華していく。

新津章夫「Octave01」1973年のデモテープより


前回同様、新津章夫が多重録音を始めるきっかけとなったSONYの4トラック2チャンネルのオープンデッキでピンポン方式で多重録音した音源から。

「India01」と同じころに録音された曲。ギター、ベース、ボンゴによるシンプルな曲。途中からのミュート気味のバッキング(新津章夫曰く、三味線ギター)は「迷宮の森」で後半の和風な展開になってから聞こえる琵琶ギターの元となったもの。ギターはテレキャスターで、たぶん、ブリッジのところにスポンジを挟んでいたと思う。「India01」ではプラスチックの下敷きを挟んでシタール風、「India02」ではスポンジ。アナログ時代ならではのアイディア。終盤からのジャンジャカジャンジャカの三味線ギターも聴きものです。

新津章夫「India02」1973年のデモテープより

気が付けば半年も放置してしまいました。申し訳ありません。

早いもので新津章夫が亡くなって10年が経ちました。今年は没後10年、生誕60年のCDを発表する予定でしたが、もしかすると来年にズレこむかもしれません。

そのお詫びといってはなんですが、これから定期的に面白い音源をアップしていく予定です。

まずは、新津章夫が多重録音を始めるきっかけとなったSONYの4トラック2チャンネルのオープンデッキでピンポン方式で多重録音した音源から。曲名はなく、当人はインド風と呼んでおりました。まだ音数は少なくギ­ターを3、4度重ねた程度のシンプルなもの。全音モラレスのセミアコースティック・ギターのチューニングを落として、ブリッジ付近にプラスチックの下敷きを切った物をはさ­んでシタール風の音を作ったものです。「I・O」制作への最初の一歩というべき作品です。

テープには1973年とありますから20歳か21歳かな? 


新津章夫「India01」1973年のデモテープより
http://www.youtube.com/watch?v=UYK8SHExjy8&feature=g-upl