マンガ原作とマンガ制作 その裏側 Part1  | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

今日は。
 能登半島地震の応援ため、「東映アニメーションミュージアムチャンネル」で『劇場版 マジンガー Z / INFINITY』を期間限定で公開されました。 
 これに続き、永井豪原作の映画3作品が、「東映シアターオンライン」でのチャリティー無料配信決定したといいます。
配信で得た収益の一部は能登半島地震災害義援金として日本赤十字社に寄付されます。
作品と配信スケジュールは次の通りです。

 〇『マジンガーZ対暗黒大将軍』

  1974年の作品です。「マジンガーZ」の危機を兄弟の「グレート マジンガー」が救出します。
 

   2024/2/22(木) ~2024/3/7(木) 20:59
   https://www.youtube.com/watch?v=cDs8N_Kq36Q&t=567s
  
 〇『グレートマジンガー対ゲッターロボ』
  2024/2/29(木) 21:00~2024/3/14(木)20:59

 〇『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』
  2024/3/7(木) 21:00~2024/3/21(木)20:59

  今回は、小学館の『セクシー田中さん』の脚本問題もあり、最近気になっている「マンガ原作とマンガ制作」のトピックスについて、雑誌社毎に書きたいと思います。


<マンガ原作とマンガ制作  その裏側 Part1  >
●秋田書店
まずは、秋田書店です。
 ●AI制作の新作『ブラック・ジャック』


  2023年 「少年チャンピオン」11月22日号に「TEZUKA2023」プロジェクトチームによる新作『ブラック・ジャック』が掲載されました。
手塚治虫の『ブラック・ジャック』200話以上を構造分析してデータ化し、最近のテキスト・画像生成AIの急速な進化を取り入れ、より高いレベルで「AIと人間の共創」したといいます。
同チームは2020年にもAI技術による手塚新作『ぱいどん』を発表しています。
この時のAIの役割はキャラクター原案やあらすじにとどまり、実際の漫画化は人間の手による部分が大きかったといいます。

  〇生成AIとヒトが制作した「ブラック・ジャック」掲載の週刊少年チャンピオン発売 制作過程も紹介

 


残念ながら、僕は、うっかりこの号を購入し忘れています。
これからはAIとマンガの関係はどのようになるのでしょうか?


●集英社 
●「キャプテン翼マガジン」 『キャプテン翼 ライジングサン』

 


(写真:雑誌表紙)


 現在『キャプテン翼』「キャプテン翼マガジン」に連載中で、欧州や日本などのプロ選手として活躍する翼たち主要登場人物たちがオリンピックで試合を展開しています。

 その中で、「キャプテン翼マガジン」19号で重要な発表がありました。
連載中の『キャプテン翼ライジングサンTHE FINAL』は、4月初旬発売予定の『キャプテン翼マガジンvol.20』の話をもって最終話とするというのです。
ただ、同時に高橋陽一の頭の中には『キャプテン翼』の一応の目安の最終回までの構想があり、「ネイム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)」を担当する形等で「物語」を継続すると言っています。
高橋は一種の原作者にまわり、作画を別の作家に任すということかと思います。

「キャプテン翼 オフィシャル」サイトでも高橋本人が簡単に説明しています。
 『キャプテン翼』連載終了のおしらせ

 


 高橋は、この連載終了は、60歳をすぎて、老眼と原因不明のめまいなど体力の衰えと執筆環境の変化を理由に挙げています。
執筆環境の変化については、デジタル化の余波を受けて、「スクリーントーン」がなくなり、廃番となっていることや「執筆スタッフ(アシスタント)」もデジタル化で、ペンやインクを使わなくなっているとしています。
また、憧れ水島新司の訃報が一番の理由とも説明しています。

 高橋は連載中のオリンピック編『ライジングサン』の、その先のシリーズまで含め、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまい、書ききれずに死んでしまったらと危惧しています。
そこで、ネイムのようなかたちでなら完結できると考えたといいます。
「キャプテン翼マガジン」4月号で、詳細を伝えるとのことです。

●「少年ジャンプ」『キャプテン2』

 


 

  『キャプテン翼』は1972年に「少年ジャンプ」で連載が開始されました。
 同じ、1972年に「少年ジャンプ」で連載(連載開始は『月刊少年ジャンプ』)が開始されたのが、ちばあきお『キャプテン』です。
ちばあきおは、残念ながら、躁鬱病を患った後、41歳で1984年9月に仕事場2階にて首を吊り自殺していて、連載が途切れていました。
ですが、現在『キャプテン』は『キャプテン2』として新しい形で連載が現在続いています。

 2019年からコージィ城倉が、ストーリーはまったく新しもので、設定だけ、『キャプテン』当時のままで『キャプテン2』(『グランドジャンプむちゃ』で連載が開始)として現在「グランドジャンプ」で連載中です。
『キャプテン2』は「コージィ城倉 原案 ちばあきお」と作者がクレジットされています。
   
 〇『キャプテン2』第1話 レガシーを作れ!の巻(無料)

 

   https://ynjn.jp/viewer/1315/145174

 僕は、ちばあきおの描いた『キャプテン』と違和感なく、この『キャプテン2』を楽しんでいます。

●「グランドジャンプ」『Dr.Eggs』


 

  「グランドジャプン」連載中の三田紀房『Dr.Eggs』で三田は原作に回っているのではないでしょうか?
『キャプテン翼』のように公式にアナンスはされていませんが、連載中の『Dr.Eggs」の絵が何か変です。


  以前『インベスターZ』、『アルキメデスの大戦』『ドラゴン桜2』の連載が重なっていた時に、『ドラゴン桜2』を他人に描かせいることは明らかにしていました。
最新号(2月14日号)の『Dr.Eggs』は少し作画が良くなっていますが、それでも以前の三田の絵とは違います。
内容も、少しマンネリ化していて いつものキレがないようにも思えます。

 「モーニング」に連載されていた『アルキメデスの大戦』がいつのまにかネットの雑誌に移り、その後終了していて、どうやら三田の雑誌での連載は『Dr.Eggs』だけのようです。

 AIの原作を実験する「秋田書店」。
 漫画家に新たな展開をしかけている「集英社」
(原作の側に回る高橋陽一、回った思われる三田紀房。
原作者・作画家の両方ができるコージィ城倉が名作の続編に挑む。)

 実は、『セクシー田中さん』小学館でも動きがあります。
それは、次回に。