アップル・レコード Part1:ベスト・オブ・アップル・レコード上 | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

 今日は。
 2024年の第一回、ブログ通算、702回のブログをお届けします。
本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。


  『風光る』『Dream』の漫画原作者七三太郎(なみ たろう)が2023年12月30日に逝去していました。
七三太郎の本名は千葉樹之ちばてつや(リンク)の「千葉四兄弟」の末弟で、逝去については長兄のちばてつやが自身のブログで報告していました。
上の両作品ともに、ちばてつやの弟子の川三番地が作画を担当していて、味のある野球漫画でした。

 昨年の末「手塚治虫が『綺麗な色の秘密を教えろ』と迫った漫画家」(リンク)「佐川美代太郎展」についてご紹介しました。

本日14日まで開催していますので是非、お時間のある方は足をお運びください。

 今年からは月の初めに大瀧詠一「ナイアガラ・カレンダー」の曲を紹介したいと思います。
1月は、「年末年始の恒例行事 ~60年代から80年代の年始編」(リンク)でも取り上げました、『ロックンロール お年玉』

 〇ロックンロール お年玉

 さて、毎年、第一回は毎年恒例のビートルズネタで書いています。
今年のテーマは、「アップル・レコード」です。

<アップル・レコード Part1:ベスト・オブ・アップル・レコード上>


●プロローグ
 昨年、「ジエイムズ・テイラー」(リンク)について書いていて、ジエイムズが「アップル・レコード」でデビューしたのに気がつきました。
僕たちWritres 4は、今まで、ビートルズが設立した「アップル・レコード」について書いていません。
「アップル・レコード」といったら、やはりビートルズです。
しかし、「アップル・レコード」のビートルズ以外で僕が知っていたアーティストといったら、「メリー・ポプキンズ」ぐらいでした。
「アップル」以前に、ミュージシャンが起こした「レーベル」はあったのでしょうか?、他にどんなアーティストがいたのでしょう?
なぜ、ビートルズはこのレーベルを立ち上げたのでしょう?
などなとの疑問が次々湧いてきました。

 そんな時に「ベスト・オブ・アップル・レコード」というCDを見つけました。
このCDにライナーノーツがあるので、これを資料に所属するアーティストを紹介しようと簡単に考えました。
すると、「メリー・ポプキンズ」「ジェイムズ・テイラー」の他にも、「バッド・フィンガー」「ビリー・プレストン」など、僕でも知っている有名なアーティスト、「ブラック・ダイク・ミルズ・バンド」「ブルート・フォース」など聞きなれないアーティストの名前が出てきました。

「メリー・ポプキンズ」にポール・マッカートニーが関わっていたのは知っていましたが、ビリー・プレストンやジャッキー・ロマックスなどにジョージ・ハリソンがプロデュースしているのを知りました。
更には、19 曲目の「ゴッド・セイヴ・アス」ビル・エリオット&ジ・エラスティック・オズ・バンドジョン・レノンがプロデュースをしています。
ビートルズのメンバーが様々な形で、アップルのアーティストと関わっています。
これは簡単には、行かないなと痛感しました。

そこで、第一回は勉強のため、アルバム「アップル・レコード」をご紹介します。

●ベスト・オブ・アップル・レコード



(写真:CD)


  まずは、ライナーノーツをつかった、簡単にこのアルバムの内容をご紹介します。


〇「ベスト・オブ・アップル・レコード」 ライナーノーツ
 ビートルズは、1968年にクリエーターに優しい環境の中で才能を育み、第二次世界大戦以来、イギリスの音楽業界を牛耳ってきた旧来のレコード会社とは別の可能性を提供する、美しい、輝かしい、先進的な、アーティスト志向のレーベルをロンドンで設立した。

1968年から73年にかけて、ビートルズ以外のアーティストによるシングルをおおよそ50種類発売。
ここに収められたのは、其の選りすぐり。
どれもがA面曲、ごく一部は米国にみでリリース、どれもがアップルの何たるかを象徴している。

 様々な音楽ジャンルをカバーし、世界中からの影響を取り込んだ、刺激的で多岐に渡るコレクション。

 決して売れ筋狙いだけのレーベルではなかったが、アップルレコードは大成功を収めた。
アップルのシングルのおよそ四分の一が、イギリスかアメリカのチャートに入った。
ここまでのヒット率を達成できたレーベルは、きわめて数が限られる。

(Writers 4 補足)
「イギリスの音楽業界を牛耳ってきた旧来のレコード会社とは別の可能性を提供する」とありますが、「旧来のレコード会社のしばりは?」どんなものだったのでしょうか?
  2010年のリマスター版がには「ビートルズ・クラブ」がここらへんの事情を説明しています。
  これは次回以降に掲載します。

 このCDには、17アーティストの21曲が納められていました。
扱う曲のジャンルとしては、フォーク系から始まり、ロックソウルクラシック風までとても幅が広いのが特徴です。。
(更に驚くのは、このCDは収められていませんが、アルバムではMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)もありジャズまでカバーしています。

17アーティストいますので、2回に分けてご紹介します。
各曲の動画の前までは、CDのライナー・ノーツを転載させて頂きまし
た。

1.メリー・ホプキン
 まずはこの人、メリー・ホプキン。
このCDに1曲目『悲しき天使』と7曲目『グッドバイ』の2曲収められています。



CD1曲目『悲しき天使』
1968年当時は17歳のフォークシンガー志願で、ピート・シガー(リンク)やバート・ヤッシュジョーン・バエズ(リンク)の音楽に傾倒していた。
 ウェールズのスワンシーにほど近い、故郷のポンタダーウィ周辺のタフな労働者が集うクラブで、次第に名をあげていた。

  周囲の人に勧められ、本心は気乗りしないまま、TVタレントスカウト番組「オポチュニティ・ノックス」に出演し、予選を勝ち残った。
 アップル・レコードの新しいタレントを探すとともに、数年前ナイトクラブで耳にしたロシアの古いフォーク・ソング『悲しき天使』にぴったりな声の持ち主を探していたポールが目を留めた。

 彼女とアップルレコードのデビュー・ソングとなった『悲しき天使』は、数百万を超えるベストセールを記録した。

 〇Mary Hopkin - Those Were The Days
  作詞作曲:Gene Raskin(ロシアのフォークソングをもとに書いた) 
  produced ポール・マッカートニー
  アレンジ Richard Hewson

 

  https://www.youtube.com/watch?v=sUh-VlDii6k

CD7曲目『グッドバイ』 
〇Goodbye (Remastered 2010)(レノン=マッカートニー)

 

  https://www.youtube.com/watch?v=pIlbrNBKLYY
アレンジ Richard Hewson
 produced ポール・マッカートニー
 バーカッションのような音 ポールが膝をたたいている

アップル・レコードはこの曲に期待をかけ、全35カ国で発売。
  米国 ビルボード8位 英国 2位


 両曲ともポールの曲かと誤解していました。
『グッドバイ』はポールですが『悲しき天使』はロシア?民謡なのですね。 


2.ジェイムス・テイラー

CD2曲目『思い出のキャロライナ』
 作詞作曲:ジェイムス・テイラー
 produced ピーター・アッシャー
 アレンジ Richard Hewson
 ベース:ポール・マッカートニー
 バッキング・ボーカル:ジョージ・ハリソン

ジェイムス・テイラー(リンク)の米国でのデビュー・シングル。
 英国ではリリースされていない。これはデビュー・アルバム「ジェイムス・テイラー(心の旅路)」がもともとシングル・カットを必要としない、自己完結した作品として構想されていたから。


  〇Carolina In My Mind (Stereo Version/2010 Remaster)

 


 
 ビートルズメンバー3人のオーディションを受けた、ジェイムズはピーター・アッシャーのプロデュースの元、一枚のLPとシングル1枚を発表しています。
 
 この曲、少し走っていないか?
 ギターがジェイムスらしくありません。まさか、アッシャーかな?
 オーケストラが華美すぎます。少年のバックボーカルは不要では。
 その後のワーナーでの再録のベスト盤の方がいいできだと思います。


3.アイビーズ(バッドフィンガー)
 
CDの3曲目 メイビー・トゥモロウ  アイビーズ  1968年
 作詞・作曲:Tom Evatonins
 produced トニー ヴィスコンティ
 アメリカで小ヒット、オランダでベスト20入り。

 アイビーズはロンドンでライブ活動で地固めをしているときに、元ローディでビートルズの友人だったマル・エバンスの目に留まり、アップルに向かい入れられた。

 リリースから何か月もしないうちに、アイビーズはライン・アップ、サウンドそしてバンド名を「バット・フィンガー」に変更した。
 
  〇メイビー・トゥモロウ Come And Get It (Remastered 2010)



CDの12 曲目 マジック・クリスチャンのテーマ バッドフィンガー  1969年
  作詞・作曲:ポール・マッカートニー
 Produced ポール・マッカートニー

 CDの 全英4位 全米7位

 ピーター・セラーズリンゴ・スターが主演した映画「マジック・クリスチャン」(1969年)のためにポールが書き下ろした。
 このシングルが発売する直前にギタリストのジョーイ・モーランドが加入した。 

 アイビーズは、とりわけシングルに関しては、自分たちのオリジナルをレコーディングすることにこだわっていた。
 「メイビー・トゥモロウ」に続くヒットヒット曲候補がなかなか書けず、ポールが新曲を提供し、プロデュースしてくれるとあって、彼等もノーとは言えなかった。
  〇マジック・クリスチャンのテーマ Come And Get It (Remastered 2010)


   https://www.youtube.com/watch?v=oW4Q7EgX-ng
   https://www.youtube.com/watch?v=oW4Q7EgX-ng

  
CDの21曲目  デイ・アフター・デイ  バッドフィンガー 1971年
 作詞・作曲:ピート・ハム
 Produced ジョージ・ハリソン
 スライド・ギター:ジョージ・ハリソンとピート・ハムのユニゾン

 1971年リリースされたアルバム「ストレート・アップ」にはジョージ・ハリソンのプロデュース曲が4曲収録されていて、その中で「デイ・アフター・デイ」いたく気に入っている。 


 〇Badfinger - Day After Day - remastered 2013

 

 

  https://www.youtube.com/watch?v=yOsnns22KdE

 〇Badfinger - Day After Day - Television - 1972
  https://www.youtube.com/watch?v=dzUqkBAv-T4

4 ブラック・ダイク・ミルズ・バンド
CDの4曲目『 シングミーボブ』
 作曲:レノン=マッカートニー
 プロデュース: ポール・マッカートニー
 アレンジ&指揮:ジェフェリー・ブランド(ブラック・ダイク・ミルズ・バンド)

  1968年8月に放映されたTVコメディ・ドラマ「シングミーボブ」の主題歌を依頼されたポールはレコーディングにブラック・ダイク・ミルズ・バンドを起用
  
  アップル創立して最初に発売した4枚のレコードのうちの一つである (カタログ番号は APPLE 4、)
 
  〇Thingumybob (Stereo Version/2010 Remaster)

 

  https://www.youtube.com/watch?v=4d-hJNbRRgA
  
  なおシングルB面は「Yellow Submarine」でした。
 
  〇Black Dyke Mills Band Yellow Submarine

 

https://www.youtube.com/watch?v=84Ead5CV28A

5 ブルート・フォース
CDの5曲目 『キング・オブ・ファー (King of Fuh)』
 
 作詞・作曲:ブルート・フォース 
 produced The Tokens
 ブルートは不条理詩人でトーケンズの元メンバー。
  
 トーケンズがプロデュースし、それを プルートがアップルに送る。
ジョージは、ロンドン・フィルハーモニック オーケストラを使って、ストリングをオーバーダビング。

この曲はジョージだけでなく、レノンにも大うけ。

"Fuh King"は”Fucking"と聞こえ、製造を依頼されたEMIはそれを拒否。
アップルは、やむなく数千枚を自社でプレスした。
だれもこの曲をオンエアーせず、店頭にも並ばなかった。


 〇Brute Force-King Of Fuh (New Stereo Remix)

 

 https://www.youtube.com/watch?v=PZyA9f0tChs

6 ジャッキー・ロマックス

CDの6曲目 『サワー・ミルク・シー』   1968年
 
 作詞・作曲:ジョージ・ハリソン
 produced ジョージ・ハリソン
 ジョージ:リズムギター ジャッキー リズムギター
 ポール:ベース
 リンゴ:ドラム
 クラプトン:リード・ギター
 ニッキー・ホプキンズ:キーボード

 ジャッキー・ロマックスのアルバム「驚異のスーパーセッション」からのカット。
 
  ジャッキー・ロマックスはごく初期からビートルズとのミュージシャン仲間だったといいます。
 アップルと契約する前からブライアン・エプスタインの傘下にいました。

 ジョージがインドで書いた『サワー・ミルク・シー』のテーマは、瞑想で自分の人生を選り分けることだといいます。

 〇Sour Milk Sea (Remastered 2010)



 僕がこのCDで気に入った曲。
 ビートルズ版もありました。


 〇The Beatles - Sour Milk Sea (band version) 3:55

 

 

  https://www.youtube.com/watch?v=zZptgM6rbD8

 

残りのアーティストは次の機会にお届けします。