【書評】多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21) [新書] 成毛眞
実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ (角川oneテーマ21)/成毛 眞

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前著の大人げない大人に引き続き、
今回もネタの使い回しがほとんどないところがすごい。
ファンなら即買い。
成毛さんの文章が好きな人ならニヤけながら読むことは間違いない。
二章の「古典は他人に任せて、新刊を読もう。」
では成毛さんの天邪鬼ぶりが存分に発揮されている。
古典は、原典の文章が下手、さらに翻訳も下手。
海外の古典は「違訳を通り越して、全く通じない。」
マルクスの資本論については、「主語と述語すら判然としない。」とバッサリ。
「古典を読みなさい。」と説教臭い爺たちに囲まれている
若い人は思わず「クスッ」と笑ってしまうのではないだろうか。
五章の厳選ブックガイドでは、ブログで紹介されていない本も多くて参考になる。
【書評】編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書) [新書] 柴田 光滋 (著)
編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)/柴田 光滋

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普段特に意識もせずに読んでいる、日本の書籍。
試行錯誤をなんども繰り返して、合理的に出来上がったという先人たちの努力に感動した。
ベトナムの本と比べると日本の書籍が持ちやすくて、読みやすくて、美しい。
本文紙、書体、印刷技術など差が歴然。
「これがジャパニーズクオリティだ。」って胸をはって言える。
本の構造と校正とは何か?
本の各部には全て名称があり、それらが図で示されており「ここはこんな名称があるのか?」と発見があって面白い。
新潮の文庫にはスピン(ひもの栞)があるのに、他社はなぜないのか?
なぜ文字の寸法は、級数ではなくポイントなのか?
とにかく本好きにとってはヘェーの連続である。
【書評】日本人へ 国家と歴史篇 (文春新書)/塩野 七生
しばらく更新サボっていました。
現在、ホーチミンに在住しているため書評が中心のこのブログはちょっとネタが無い。
あと、物理的にも精神的にもブログを更新する余裕がありませんでした。
日本人へ 国家と歴史篇 (文春新書)/塩野 七生

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塩野七生ファンはちょっとがっかりかもしれない。
「国家と歴史篇」ってなっているけど2006年から2010年4月までの「文藝春秋」の連載をまとめただけ。
題名の付け方に問題があると思う。
読者は勘違いするでしょう。
ストレートにエッセイ集でいいじゃない。
私は文藝春秋の連載を読んでいないため、新書という形でだしてくれたのはとてもありがたかった。
リーダ編よりこっちのほうが取り上げられているネタが新しいのでピンと来る。
激しいなと思ったのが
P12「一神教こそが諸悪の根源、と思っている私は宗教としてのキリスト教は嫌いだが、人間としてのイエスは好きである。」
ちょっと面白かったのが
P34「歴史に名を残す女たちの多くの女は馬鹿である。」
励まされたのが
P114「歴史が前進するとすれば馬鹿になることの大切さを理解し、それに徹した人々がいたからではないか。」
納得したのが
「事業に成功するかどうかはそれに参加する全員が得するか否かにかかている。」というマキャベリの言葉もよかった。
久しぶりに書評をやろうとしても書抜しかできない。
塩野七生さんは、一般的な言論人とあえて外れたことをいう。
作家でありながら自分の思ったことをストレートに表現するのは読み手として面白い。
15年続けたローマ人の物語を書き終えた時の気持ちも載っていて「ヘェーそういうもんか」と意外でした。
もっと感慨浸るものかと。
日本人へ リーダー篇 (文春新書)/塩野 七生

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絵で見る十字軍物語/塩野 七生

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