書評に魔法はない -30ページ目

【書評】ナイチンゲールは統計学者だった!-統計の人物と歴史の物語-/丸山 健夫

ナイチンゲールは統計学者だった!-統計の人物と歴史の物語-/丸山 健夫
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ナイチンゲールといえば、クリミア戦争の戦場で献身的に活動し看護学校を設立したことで有名だ。

しかし、ナイチンゲールの本当のすごさは博愛精神ではない。

何がすごいかを言うと、勇気と統計学者の力を借りて真実を数字で証明したことだ。
真実を暴いただけでなくその改善策を実行したところにすごさがある。

同書はナイチンゲールを統計学の先駆者として見ている。

そもそもナイチンゲールは、大富豪の娘で何ひとつ不自由ない。
そんな上流階級のお嬢様がわざわざ戦地に行くのだから当時は新聞でも報道されたほどだ。

ナイチンゲールが戦地に行くと、戦争の負傷が原因より、戦地の病院内の不衛生な環境による伝染病が原因で死ぬほうが多いことがわかった。
「死ななくていい人間が死んでいる。」と憤慨。
ナイチンゲールの凄さは、批判に使ったのは単なる資料ではなく実際の数字だった。
陸軍の不衛生を証明するために統計を統計学者のウィリアムファーと組んで割り出す。

例えば、クリミア戦争のあった1854年4月から1856年3月まで一カ月単位で死亡者数を原因別で割り出した。1855年の1月は負傷で死んだ のが83人だが伝染病で死んだのは2761人にもなる。しかし、これを公表するのは一種の政治的スキャンダルで政府の政策の失敗を暴くに等しかった。
これによる改革は保健制度のみではなく、陸軍全体の組織改革といえる。

以後どうなったかは同書を読んでほしい。

かなり陸軍や政府は恐れられたようだ。

以下Wikiより引用
超人的な仕事ぶりと必要であれば相手が誰であろうと直言を厭わない果敢な姿勢により、交渉相手となる陸軍・政府関係者はナイチンゲールに敬意を示 し、また 恐れもした。オールド・バーリントン通りにあったナイチンゲールの住居兼事務所は関係者の間で敬意と揶揄の双方の意味を込めて「小陸軍省」 Little war office とあだ名された。
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人の力の借り方、数字で証明、勇気、改善策の実行力、後ろ盾の得方。
批判をしても数字がなければ説得力に欠けるし、いくら論理の正当性があっても、権力の後ろ盾がなければ世間に注目されない。そして、改善策が実行されなくては意味がない。

はっきりいってこの女は隙がない。
全てにおいてパーフェクトである。

大電社<9907.Q>買い気配、立花エレ<8159.T>が1株400円でTOB実施へ

大電社<9907.Q>買い気配、立花エレ<8159.T>が1株400円でTOB実施へ
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnTK035645220091202

こりゃまたひどいTOB。

EDINETで有価証券報告書見たけど、現預金が15億で有価証券が28億。
以下参照。
https://info.edinet-fsa.go.jp/E01EW/BLMainController.jsp?1259848541343

固定資産を無視して、単純に金融資産だけで40億以上の価値がある。
1株当たり800円以上の配当は楽にできる。
このTOB価格は不当に安いと思う。

買い付け代金は14億3000万円。

清算しただけで20億以上のおつりがくる。

ほとんど子会社みたいなものだから、不利益な取引をして業績を悪化させ株価を下げたところでスクイーズアウトさせたってストーリが簡単に思い浮かぶ。

糸山氏 再び9月末時点でJAL大株主に

糸山氏 再び9月末時点でJAL大株主に
以前にJALの大株主であった糸山氏が、JAL第2四半期の報告書で発行株の2.16%にあたる5900万株を9月末時点で保有していることが明らかになったと日本経済新聞が報じている。なお、内訳は、9月末の時点で個人では3250万株・関連会社で2650万株。

http://www.kabujouhou.com/pcdata/html/15/0911/19179.html

ただ、これからJALはきついだろうな。

僕個人としては、政府の保護が必要なら潰れていいと思っています。

潰れて困る会社ではないので。

そうすればもっと価格競争力のある会社が参入してくるのはわかるし。
政府の保護のもと生命維持装置を付けて延命させるのは国民としてもメリットはないです。