書評に魔法はない -32ページ目

【書評】大人げない大人になれ!/成毛 眞

大人げない大人になれ!/成毛 眞
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同書が成毛さんの著書が初めてという人に特におススメ私は成毛さんの著作昔に出されたものも含めてほとんど読ませていただきましたが、具体例も他著のネタの使いまわしはないのがすごい。成毛さんの他の著作を読んだ通も楽しめる。

マイクロソフトにいた頃の自身の体験に基づいたものや読書を通じたものなど、本当に面白い。
私の中で意外でしたのが、肝臓を悪くするほどの接待営業をしていた。
もっと理論的にドライにやられていたのかと思った。

自己中心的で理不尽なあまのじゃくは通常の認識を持った人なら反感を買いそうなことだが、それこそ人に好かれるための大事な個性と言い切る。
P85「自分のことを売り込みたいのであれば、やはり自己中心的でなければならない。」
P90「確固としたら理不尽さ」

人は短所で好かれる。その程度のことなら、誰もがどこかで聞いた話だと思うけど、成毛さんはそれより一段上回る。既存の場当たり的な自己啓発書やノウハウ本に飽きたり、胡散臭さを感じている人にはお勧めしたい。

【漫画】コナン第66巻

名探偵コナン 66 (少年サンデーコミックス)/青山 剛昌
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以下ネタばれ注意

殺されたのが30歳の証券マン。
殺したのが、恋人の27歳の女性。
この被疑者の女性は27歳で、被害者の男性に質に入れたりして7年間貢がされていた。
ある時、被疑者の母の形見の指輪を被害者が別の女性にプレゼントをしたのを見てプッツン来て犯行に及んでしまう。

「私の7年間は戻ってこないわ。だから止めてやったのよ。あの男の人生を。」

「若くて美しい私の7年間を無駄に浪費させた罰としてね。」


この被疑者の男性は僕の知る男SKにっそっくりな気がする。
職業も同じだし。

被疑者の女性が言うとおり、詐欺罪で訴えたところで若いころは戻ってこないからね。

十代の女性が同様のことで、1,2年ろくでもない男性に騙されても、青春を空費したってぐらいで切り替えはできると思うけどね、上記のケースは気の毒だ。

その被疑者の女性は殺人犯だけど同情してしまった。
特に女性の場合は、結婚市場としての時間価値は男性より高いと思うし。

いいおっさんが若くてきれいな子を嫁にするのは結構あるけど、逆はあまりない

被疑者、被害者の名字が自分と同じだとなんだかなぁっていうのは昔からあったが、それより自分に近い境遇の物をみると、ちょっと他人事と思えなくなる。

白黒はっきりしない奴はよくないよね。

【書評】リクルート事件・江副浩正の真実/江副浩正

リクルート事件・江副浩正の真実/江副浩正
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序章は現状についてなのだが、20年前のことなので登場してくる政治家や財界の人も知らない人が多く、ちょっと読みにくかった。

リクルート事件って、要するに何が悪くてどのような罪で捕まったのか?
私自身、イマイチよくわかっていない。
「未公開株を譲渡して賄賂として捕まったんだろう。」ぐらいの認識しかない。
そして同書を読んでも、結局よくわからないんだけど日本の刑事罪の多くはメディアによって計画され、検事によって作られるというのがわかった。

中盤以降は、ぐいぐい引き込まれる。
検察における取り調べがすさまじいものだった。
10人の観衆の前で全裸で歩かされた後に、四つん這いにさせてガラスの棒を肛門にいれ前後に動かす。

「これからは名前でなく番号になる。君は、一二六番だ。」

「一二三日間の点呼で、一二六番は私にとって生涯忘れられない番号となった。」

一代で売上高1兆円、従業員1万人の大企業を作り上げた創業者がこんなことをやらされるとは。まさに、屈辱以外の何物でもないだろう。

拘置所というのは刑務所以上につらい場所といわれている。窓はガラスではなく鉄格子。
寒気が入ってきてとても寒い。
夏は、蚊に刺されてそのかゆみで眠れない。

また、特捜検事に拷問に近い取り調べをさせられる。
チェスター付きのイスに座っている時に、イスごと思いっきり蹴っ飛ばしたり、土下座をさせたり、目を開けたまま鼻が壁につくほどの近距離で立たされた。

特捜検事の取調べのあり方提起する。

そして、終章。
なんと担当の特捜の主任検事と遭遇する。
かつての敵である。
また、さだまさしのライブでは法廷で向かい合った山室元裁判官と楽屋でばったり。

最後まで楽しませてもらった。