【書評】リクルート事件・江副浩正の真実/江副浩正 | 書評に魔法はない

【書評】リクルート事件・江副浩正の真実/江副浩正

リクルート事件・江副浩正の真実/江副浩正
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序章は現状についてなのだが、20年前のことなので登場してくる政治家や財界の人も知らない人が多く、ちょっと読みにくかった。

リクルート事件って、要するに何が悪くてどのような罪で捕まったのか?
私自身、イマイチよくわかっていない。
「未公開株を譲渡して賄賂として捕まったんだろう。」ぐらいの認識しかない。
そして同書を読んでも、結局よくわからないんだけど日本の刑事罪の多くはメディアによって計画され、検事によって作られるというのがわかった。

中盤以降は、ぐいぐい引き込まれる。
検察における取り調べがすさまじいものだった。
10人の観衆の前で全裸で歩かされた後に、四つん這いにさせてガラスの棒を肛門にいれ前後に動かす。

「これからは名前でなく番号になる。君は、一二六番だ。」

「一二三日間の点呼で、一二六番は私にとって生涯忘れられない番号となった。」

一代で売上高1兆円、従業員1万人の大企業を作り上げた創業者がこんなことをやらされるとは。まさに、屈辱以外の何物でもないだろう。

拘置所というのは刑務所以上につらい場所といわれている。窓はガラスではなく鉄格子。
寒気が入ってきてとても寒い。
夏は、蚊に刺されてそのかゆみで眠れない。

また、特捜検事に拷問に近い取り調べをさせられる。
チェスター付きのイスに座っている時に、イスごと思いっきり蹴っ飛ばしたり、土下座をさせたり、目を開けたまま鼻が壁につくほどの近距離で立たされた。

特捜検事の取調べのあり方提起する。

そして、終章。
なんと担当の特捜の主任検事と遭遇する。
かつての敵である。
また、さだまさしのライブでは法廷で向かい合った山室元裁判官と楽屋でばったり。

最後まで楽しませてもらった。