書評に魔法はない -34ページ目

【映画】マイケルジャクソン

【映画】マイケルジャクソン

見る人間が見ればすごい面白い映画だと思う。

マイケルジャクソンの人生訓や仕事の哲学に興味があったのが、そういった部分にはあまり触れられずドキュメンタリーでライブのリハーサルを流しただけだった。

歌や踊りやファッションにも無縁の私にはいささか退屈な内容だった。
まわり見渡したら寝ている人結構多かったので同様の感想を持った人はそれなりに多かったんじゃない。
京都の寺参りと同じで、最初はすごいなって思うけど慣れが生じてきて飽きてくる。
前提の知識がないと楽しめない。
予習して行けばもうちょっとおもしろく見れたかもしれない。


私があの映画から伝わって来たのはマイケルの完璧主義なところとでしょう。
マイケルと長くし仕事をしていた人のコメントによると同業者であそこまで細かくこだわる人はいないらしい。
仕事仲間に対する謙虚な姿勢。 マイケルの自伝的要素や長く仕事をしていたマイケル評をもっと見たかった。

例えばこんなの
マイケル・ジャクソン - ソニー元会長との親交秘話


ちなみにアメリカでは盛田さんの訃報はすごいメディアで取り上げられたらしい。 日本ではそんなんだったが、アメリカでは本田宗一郎より。 日本人の死でここまで騒がれたのは天皇以来だったとか。

【書評】ヒルズ 挑戦する都市 森 稔

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都市論や今までの建築物についてが8割。
企業の哲学や起業したばかりの話が2割。

一番面白いところは、地権者(住民)とのやりとり。

近所付き合いにしろ、友人関係にしろ、基本的には好きな奴とだけ付き合い、嫌いな人間とは付き合わなきゃいいってスタンスが取れる。
しかし、土地の所有者は選べない。

再開発の場合まとめて土地を刈り上げるため、その人数が数百人単位になるとどうしてもわがまま言うやつが出てくる。俺のところだけ少し多めにくれとか、一人でも反対したらできないんだろ?総額の半分よこせとか無理難題言ってくるのもいる。

血気盛んな人がいて暴力に訴えようとするのもいたりと、まとまった土地を得るための交渉が非常に大変なんだなと。

P166「人間関係とは、不思議なもので絶対はない。」

「真面目すぎて敬遠されたり、逆にこんないい加減で大丈夫かなと思う人が奥さんに可愛がれ話をまとめたり、非常に人あたりがいいのに最後のところで信用されない人がいたりいろいろだった。」

森さんによると長い付き合いになれば担当者との相性が交渉を進めるうえで非常に大切になるそうだ。
そして、最初の印象のままだった人はほとんどいなく、意外な一面を見せられて唖然としたり、最初は強引なことを言っても納得すると意外にさばさばして決断の速い人もいた。

人間はいろんな相性や組み合わせがあるから、いろいろいた方がいいのかもね。

【書評】生命保険のカラクリ (文春新書)/岩瀬 大輔

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P52「会社側の利益が最優先され顧客にとっての利益がまったく無視。」


P62「販売至上主義と顧客軽視によって誰も理解できない複雑な商品を顧客に理解しないまま加入してもらう。」

(1) 社会主義ともいえるような、高コスト非効率、不透明、複雑な業界の生命保険の過去の歴史、
(2) これから生命保険業界がどのようになっていくのか?
(3) どのような保険に入るのが経済的に合理的なのか?
これらに興味がある人はぜひとも読んでいただきたい。

「売りたいものを売りたい値段から、買いたいものを買いたい値段に。」
「知識がどんどんメーカー側から消費者側に」
「情報を持つものが能動的に購買活動を行う。」
筆者の意見に全面的に賛成である。
老獪な生命保険会社にカモにされている人が少なくなり一人でも多くの人が合理的な選択をし、生命保険業界が良くなればいいと思う。