書評に魔法はない -28ページ目

古本市場って上場企業だったのか。

売った本と買取確認表です。
状態が悪くて買取できないのもあったけど。
電話で買取価格聞いてから売りに行った。
そのとおりの値段で買取していただいた。


僕「どれがいくらで売れたか教えていただいてもいいですか?」
店「電話くださった方ですよね。」

カイジは一冊250円5冊で1,250円
ワンピース3冊250円3冊で750円
シバトラ5冊150円5冊で750円
ワンピース最新刊300円

いい値段で売れた。
もろもろ合わせて3750円。

近くのブックオフ潰れてくれて良かったわ。

その後、店員と30分ほどしゃべった。

僕「定価420円の本を300円や250円で買い取って商売になるんですか?」
店「薄利多売なんですよ。最新刊だけ320で円売るんです。」
僕「420円の本を320円で売れるんですか?」
僕「話題の本になればそうですね。」

今、ワンピースは映画化されているからね。

ドラマ化やアニメ化された単行本は、新しいものだけ買取価格が高い。
理由は、ドラマやアニメが途中で終わって続きを見たい人が買うんだそうです。
シバトラは11巻以降が150円だけどそれ以下は10円から30円。



古本市場って上場企業だったのか。

全然知らなかった。
社名が 【7610】(株)テイツー
となっているので気付かなかった。
「古本業界初の上場を果たした株式会社テイツーの会社概要。」とHPにあります。

社名も古本市場にすればいいのにね。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7610

岡山の会社でした
http://www.tay2.co.jp/corporate/04.html
東京の多摩近辺でこじんまりとやっているものだと思っていた。
単独の売上みたら、ブックオフの403億、古本市場の385億と規模だけで見たらほぼ互角。
店舗数は古本市場が99店舗でブックオフが919店舗と10倍近く差があるけど。

もっと深く読み込む。
わかりやすさを優先するため、細かい数字は省く。
単独決算で売上高から仕入れと販売実績、棚卸資産回転率も計算してみた。
(使った数字は期首期末平均ではなく当年度)

売上380億のうち280億が売上原価。
売上原価率約75%と高い。
棚卸資産回転率7,4倍。
http://www.tay2.co.jp/archives/pdf/yuukashoken/yuuka_20.pdf


ちなみにブックオフは、売上406億のうち197億が売上原価。
約半分といったところ。
棚卸資産回転率は3.04倍
http://www.bookoff.co.jp/ir/pdf/repo_090701_01.pdf


今のところ古本市場は新品も扱っているので単純に比較はできないが、ブックオフの方が安く仕入て高く売っている印象で回転率が悪い印象。

さらに細かく見る。

古本市場の仕入れ実績と販売額とその構成比を見ると、
リサイクル本は14億で仕入れて(4.9%)46億円販売(11.3%)
家賃や人件費などの固定費がかかるけどやっぱり本は儲かるらしい。

中古CDは1%、中古DVDは1,6%であわせても2,6%の7億5千万。
販売額で16億の4%とかなり小さい。
一番大きいのはゲームで53億(18%)で販売81億19.6%。
リサイクル事業を全体から見ると75億(25%)で仕入れて145億で販売している。(35%)。

380億のうち残り240億の売上は新品ゲームで稼いでいる。

新品ゲームは186億(66%)で仕入れて205億(49%)販売。

なんと売上の半分が新品ゲームだった。
そういうえば、昨日カード作って予約すれば3%ポイントが付くと説明された。
利益でいうと20億程度、利益率は10%程度であまり儲かっていない。
売上も前年比84,5%と下がっている。
FF13で見ると古本市場は7980円でポイント考慮してもアマゾンのほうが安い。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-15783001-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BCXIII/dp/B000FNQXEO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=videogames&qid=1261366582&sr=8-1

客層はアマゾンを利用しない子どもが多いと思われる。

利益で見ると古本や中古ゲームだけど、売上の大半は新品ゲームだった。
本は利益が高いけど、人件費や家賃などの固定費が大きいし、ゲームは場所をとらないけど利益が低い。

古本市場は、駅から遠いところにある。(小平と小金井で見た場合。)
ブックオフの場合、駅近いところにあるし、大きい店舗も多いからね。
「人財(当社では「人は財産である」との思いから「人財」と呼称しております。)」
らしい。ブックオフの有価証券報告書に書かれいる。従業員料、パート代、福利厚生費、役員賞与などすべて合わすとブックオフは人件費だけで100億近くかかっている。
一方、古本市場は、全部あわせても30億いかない。せいぜい27,28億ぐらいでしょう。

ブックオフは商品別のセグメントは載せていないので詳しくはわからないけど、147億円で仕入れて408億円の販売。

大体、予想していたとおりだったけど古本市場の新品ゲームの売上が半分も占めているとは驚きだった。購買層のほとんどが子供だろうから、少子化と彼らが年をとってアマゾンやコンビニに移動することは十分考えられるので減少傾向になるとおもう。
ブックオフの中抜きが大きいのは、固定費の高さからでしょうがないね。
ブックオフに本を売る人間というのは、事前に調べて1円でも高くというよりは、家にある邪魔なものを処分といった性格の方が強い。ブックオフの圧倒的知名度で処分が優先の客から安値で買い取れる。駅に近い、宅本便などもあるけど知名度で本が集まるんだろうね。
清水國明の功績は大きい。
ブックオフは駅前に構えているのがほとんどだし、人が多いから中抜きが大きいのは仕方ない。

どっちがいいかっていうのは非常に微妙な問題です。

車持っている人は古本市場。
処分が優先で交通手段が限られている人はブックオフ。

ちなみに僕の家の最寄り駅である小平や国分寺にはブックオフがないです。
調べてて結構面白かった。

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投資銀行の仕事の概要についてが半分ぐらい。
あとは、M&Aや企業経営のあり方など。
使われている具体例も他で引用されているようなありふれたものではないので新鮮だった。それでいて、誰でも知っている企業を題材にしているのでわかりやすい。

投資銀行の仕事は効率的で合理化の最先端を行く。

基幹システムを「ビューティーコンテスト」といって納入会社に競わせて他社の方が優れているとわかったら乗り換えるという。

日本の銀行では一人に一台のPCが支給されていなかった頃に、一人に一台のPCを支給されるのは当たり前でさらに自宅にまで高速のブロードバンド回線を引いた。

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