第25条 ボールの一時的な除去
得点と計測編最初の条文です。
「どちらのチームのボールがポイントになっているか(ビュットに近いか)」という場合、まず最後にボールを投げたチームが計測し、その結果に合意すればよし、合意できなければ相手チームも計測を行い、それでもなお合意に至らない場合には審判員に計測依頼・・・これが一連の流れであることは、ほとんどのぺタンカーがわかっていること。
この25条では、対象となる2つのボール以外でのボールとビュットとの距離を計測したいのだが、2つのボールのいずれかが計測の妨げとなる状況を説明しています。
「そのボールにマーキングをして一時的に取り除くことができます」との解説。
この行為は、なにも審判員でなくて選手でも出来る・・・これがこの条文のいわばキモ。
もちろんそのためには正しいマーキングができなければ、元の位置に戻すことは不可能です。
また、一時的に取り除くボールを取り除く前にグリグリッと地面に押し付けて凹みを作ってから取り除く選手あるいは審判員の行為はやってはいけないはずですが、時にそのような行為がまだ見受けられるようです。
同じく解説文では「ボールとビュットの間が狭すぎる場合は、通常のメジャーでは計測することが困難なため、先の細いもの等を用いて計測します」とあります。言い方をかえれば、選手であっても審判員の用いる計測用具を使っての計測が可能であるということになります。
ただ、「取り除きたいボールが他のボールと接触している場合は、取り除くことによりボールを動かしてしまう恐れがありますので、審判員を呼んで計測してもらうことができます」とあるように、速攻で審判員を依頼することになります。
審判員の立場から注意しなければいけないこと。
たとえば「動かしてはいけないボールをどのような手段で動かさないようにするか?」
紐で固定する、近くにある砂等を寄せ集めこれを土手にして固定する等が一般的には言われることですが、現実で考えた場合紐で固定できるケースは限定的であり、砂等で固定した場合においては計測が終了した時点で現状復帰させるのが・・・なかなか難しいかもしれません。
審判員として心掛けなければならないのは(たとえてみれば相撲の取り組みで行司待ったからの現状復帰同様に)計測前の状態をできるだけ再現できるように記憶してからの計測でしょう。
また、そのような方法をとらない場合にはこれに代わるボールまたはビュットを固定できる器具を自分なりにみつけて、これを使用することになります。もちろんペタンク専門店でもそのようなものは売っているわけではないので、経験があり研究熱心な審判員ほど「コダワリの用具」をホームセンターなどから見つけて使っているはずです。