気ままな日常を綴っています。 -13ページ目

気ままな日常を綴っています。

いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

(物語)

ピエールは、恐ろしさの余り夢中で跳ね起き、周囲の全ての恐怖からの避難所がそこしか無いように砲兵陣地へ駆け戻って行きました。

壕円に入った時、ピエールは陣地に砲声が聞こえないで、数人の人々がそこで何かしているのを見ました、ピエールは、その人々が何者かを見分ける事が出来ませんでした。

彼は、こちらに背を向けて土塁に腹ばいになり、下の方を偵察する様な格好をしている古参士官をみました、そしてその時見覚えのある1人の兵士が、抑えている人の手を振り切ってこちらへ来ようと暴れながら「戦友❗️」と叫んでいるのと、さらに何か奇妙な光景を彼は見ました。

 

しかし彼はまだ、大佐が戦死した事と、「戦友」と叫んだのが捕虜である事と、目の前のもう1人の兵士が銃剣で背を突き刺された事を判ずる事が出来ませんでした。

彼が壕内に駆け込んだ途端に、青い軍服の痩せた汗まみれの黄色い顔をした男が、軍刀を振り上げて、何やらわめきながら彼に躍りかかって来ました。

ピエールは本能的に衝突をかわすと、両手を突き出して、その男の肩と喉元を掴みました(それはフランスの士官でした)。

士官も、軍刀を離して、ピエールの襟首を掴みました。

 

数秒の間、2人は互いに相手の見知らぬ顔に怯えた目を見張っていました、そして2人共、自分達が何をしでかしたのか、これからどうしたら良いのかわかりませんでした。

『俺が相手を捕らえたのか、相手が俺を捕らえたのか❓』と、どちらもこう思いました。

しかし、どうやらフランスの士官の方が捕らえられたと言う考えに傾いた様でした、本能的な恐怖に動かされたピエールの強い手がますます固く相手の喉を締め付けたからでした。

フランスの士官が何か言おうとした途端に、彼らのすぐ頭の上を恐ろしい唸りを立てて砲弾がかすめました。

ピエールは咄嗟に、フランス士官の頭が吹っ飛んだと思いました、それほど素早く士官は頭を伏せたのでした。

ピエールも首をすくめて、両手を離しました。

 

それ切りどちらがどちらを捕らえたなどと言う考えは消し飛んでしまって、フランス士官は砲台へすっ飛んで行き、ピエールは丘を駆け下りて行きました。

ピエールは絶えず戦死者や負傷兵につまずき、その度に足を掴まれそうな気がしました。

しかし、彼がまだ丘を降り切らぬうちに、前方からロシアの兵士達の一群が駆け上って来ました。

彼らはびっしり固まり合って、つまずいて転んだり、喚声を上げながら、元気に、暴風の様に砲台へ突進して行きました(これがエルモーロフが自分の功にしたあの有名な突撃でした)。

砲台を占領したフランス軍は、ひとたまりも無く敗走しました。

我が部隊は「ウラー」を絶叫しながら砲台を越えてどこまでもフランス軍を追走し、停止させるのが困難なほどでした。

 

砲台から捕虜が引き立てられて来ました。

その中には負傷したフランスぼ将軍がおり、士官達がその周りを取り巻きました。

ピエールの知った顔や知らない顔、ロシア兵やフランス兵の負傷兵達の群れが、苦痛に顔を歪めて、砲台から歩いたり、這ったり、担架で運ばれたりして降りて来ました。

ピエールはさっきまで1時間以上も居た陣地内へ入ってみました。

彼を仲間として受け入れてくれた、あの家族的な部隊の人達を、彼は1人も見出す事が出来ませんでした。

そこには、彼が見知らぬ戦死者達が大勢転がっていました。

しかし、その何人かに、彼は見覚えのある顔を見ました、若い子供染みた士官は、やはり身体を丸めて、土塁の端の血だまりの中に突っ伏していました。

赤鼻の兵士はまだヒクヒクしていましたが、そのまま放置されました。

ピエールは丘を駆け下りて行きました。

『いや、これでもう彼らはこんな事はやめるだろう。。今こそ、自分らがしでかした事が、恐ろしくなるだろう❗️』戦場を離れていく担架の群れを当てもなく追いながら、ピエールは思うのでした。

しかし、硝煙に影らされた太陽は、ますます高く昇り、前方に、特にセミョーノフスコエ村の辺りで、硝煙の中で何かが煮えたぎり、銃声や、一斉射撃や砲撃の轟が、弱まるどころか、死に瀕した人間の断末魔の叫びの様に、狂的なまでに強まるでした。

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(解説)

目の前に砲弾が落ちて、九死に一生を得たピエールは、恐ろしくなり、とにかく砲兵陣地へ駆け戻って行きました。

壕円に入った時、ピエールは真っ暗で何も見分けがつきませんでした、しかし、そこは異様な空気に包まれていました。

おそらく、この文章から察するに、この砲兵陣地はフランス軍に占領されたのだと思います。

で、古参士官も、顔見知りで「戦友❗️」とピエールに叫びかけた兵士も、おそらくフランス軍によって捕虜にされたロシア人ですね。。

ピエールは、事態をよく呑み込めていません。。

そこへ、急にフランスの青い軍服を着た士官がピエールに向かって軍刀を振り上げて来たのですね。

ピエールは本能的にその攻撃をかわし、逆に男の肩と喉元を掴みました(それはフランスの士官でした)。

 

フランス士官は、急に飛び込んで来た燕尾服にシルクハットの奇妙は男にちょっと驚いたのですね(笑)。

まー、この男はロシア人だろうけれど、『なんで❓❓こんな格好の男が❓』と、フランス士官は不安感すら漂わせています。

しかし、鈍重と思われていたピエールは凄いんですね〜(笑)。

反射神経抜群ですし、力もあります、おまけに度胸が座ってて半端ないんですよねー。

ちょっと笑えるシーンだと思います。

結果は。。『ピエールの勝ち』ですねー♪

この人、軍人に向いているんだ❗️と、読者に意外なピエールの一面を見せている場面ですね。(ピエールは自分が軍人になる事はあり得んと思っていますけれど)

 

で、ピエールはさらに丘を駆け下りて行きます、たくさんの戦死者や負傷者につまずきそうになりながら。。

ピエールは、前方から駆け上がって来た元気なロシアの兵士達の一群に遭遇します。

この一群は、砲台を占領したフランス軍をひとたまりもなく撃退します。(これは歴史的に有名な一群らしい。。)

 

ピエールはさっきまで1時間以上も居た陣地内へ入ってみました。

そこには、彼が見知らぬ戦死者・負傷者達が大勢転がっていました。

その中には、あの若い子供染みた士官も居たし、自分を家族の様に慕ってくれた赤鼻の兵士も居ました。

彼らは、もうどうしようもなく野ざらしにされていたのでした。。

『いや、これでもう彼らはこんな事はやめるだろう。。今こそ、自分らがしでかした事が、恐ろしくなるだろう❗️』戦場を離れていく担架の群れを当てもなく追いながら、ピエールは思うのでした。

 

はい。トルストイ先生のピエールの目を通した『戦争の理不尽さ』を描いた場所ですね。

ピエールは、最初、兵士達の中にあった『愛国心の情熱』に感動しますが、戦争の破壊行為、人間をまるでボロ切れの様に破壊してその辺に放置してしまう、そうせざるを得なくしてしまう。。その矛盾に疑問を呈しています。

この疑問は、あのモスクワの広場で恐らくフランス人というだけの理由で捉えられ、公衆の面前で裸にされ鞭打ちの刑を執行されているのを見物しているロシア人達の『愛国心』への疑問に繋がると思います。

 

お早うございます♪  今朝は、令和8年3月8日の日記です♪

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こんばんはー♪  現在17時27分です♪

室温15.2度。湿度36%です。

 

昨夜は午前0時まで薄ら目でお布団の中でぼ〜っとしていました。

それから寝入ったので、今朝は遅めですね。。

 

朝は大根と人参と練り物の煮物と鍋の下ごしらえをしました。

あとはいつもの英字新聞ですね。。

 

ちょっと明るくなってから朝ごはんにしました。

写真が撮影しやすいのでね(^。^)

 

本業は『ひどかった』です。

これは、仕方が無いですね。

英字新聞を注意力散漫状態でやりながら『う〜む。。』と思っていました。

個人的な意見ですけれど。。米国は、やはりしばらくは石油をストップさせた状態が良い❓と思っていると思いますね。

狙いが中国に打撃を与えるという事であれば、そう易々とホルムズ海峡を通過出来る状態にするのはどうなんだろうね。。と思います。

トランプ大統領は4、5週間って言っているから、そうなんじゃ無いかな。。という気がしますね。

ま。節電、節約に努めたいものですね。

 

はい。お昼ご飯です。

シャケの塩焼きと大根の煮付けとお野菜ですね。

このシャケは美味しかったです。

今日も、少し安かったから買ってきました。小分けして冷凍しておきます✨

 

午後からは、自宅にへばり付いていても何も良い事は無い、と判断して出掛けました。

途中で綺麗なマメ科のお花を色違いで見ました。

グーグルさんに質問すると、ハーデンベルギアという名前のお花らしいです💞

今が見頃ですね🌸🌸🌸

 

 

『節約を〜』と言っている割には、お高いヴェローチェでコーヒータイムです。

株が暴落している時だからこその贅沢ですね✨✨

今日はこんな早い時間から喫茶店だったので、少し夏目漱石の『心』も読めました。

 

帰宅は16時前。

お鍋を温めて熱々で頂きました(^。^)

とっても美味しかったです💞

息子夫妻から貰ったお餅が入っているので、ご飯は無しです♪

 

やっぱり、日本は平和な国ですね。

有り難い事です。

今から少し英単語を調べてお布団に入ります。

今日は、すんなりあの世に行って遊べたらいいな〜と思います♪

 

それでは今日も良い一日をお過ごし下さいね💞

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(余談)

Australian authorities have sparked a backlash by killing a group of dingoes linked to the death of a young Canadian woman on an island in the country's east.

オーストラリアの当局がディンゴの群れを駆除したことで、反発が起きています。これは、オーストラリア東部の島で若いカナダ人の女性の死に(ディンゴの駆除が)関連しています。

  spark:+目的語(+副)〕〈…への〉導火線となる,〈…を〉引き起こす(他動詞)

  backlash:(急激な)はね返り、過激な反動、逆戻り(不加算又は加算)

  linked to〜:〜と関連している、〜と連動してる

 

The Queensland government said six animals were put down after 19-year-old backpacker Piper James's body was found on January 19 at a beach on the World Heritage-listed island of K'gari.

クイーンズランド州政府は、19歳のバックパッカー、パイパー・ジェームズさんが世界遺産に登録されているK'gari(フレーザー島)のビーチで1月19日に遺体で発見されたことを受け、6頭の動物を処分しました。

  be put down:書き留められる、下に降ろされる、(動物が)安楽死させられる

  遺体:corpse、dead body

   World Heritage-listed:世界遺産に登録された

 

The euthanisation programme has stirred debate about how to manage the local population of dingoes, a sandy-coloured canine believed to have first arrived in Australia 4,000 to 5,000 years ago.

ディンゴは砂色の犬種で、約4,000年から5,000年前に初めてオーストラリアに到着したと考えられています。このディンゴの安楽死プログラムは、彼らの個体数をどのように管理すべきかという議論を引き起こしています。

  euthanisation(ユーサナイゼーション):ユーサナイズ(euthanize)という動詞の名詞形。安楽死

  stir:かき混ぜる、動かす、感情をかき立てる(他動詞)➡︎自動詞、名詞用法もある

  debate:(議会などの)討論,論争 〔on,about〕(通常不加算)

  how to manage the local population of dingoes:ディンゴの地域個体群を管理する方法

  sandy-coloured:砂色の

  canine(ケイナイン):イヌ科の動物(加算)

 

An autopsy conducted on James' body found evidence consistent with drowning but also detected injuries corresponding to dingo bites.

ジェームズさんの司法解剖では、溺死と一致する所見に加えて、ディンゴに噛まれた痕跡も見つかりました。

  autopsy(オートプシー):検視、解剖(死因や病変を特定するために死体を検査・解剖すること)

  An autopsy conducted on〜:〜について行われた検視

  consistent:一貫した、矛盾のない、安定した(形容詞)

  consistent with〜:〜と一貫する、〜と調和する

  drowning:溺死、水死、溺れている事

  detected:動詞「detect」の過去形または過去分詞形。検出された、発見された、感知された(形容詞)

  corresponding to〜:〜に対応する、〜に一致する、〜相当する

 

Pre-mortem dingo bite marks are not likely to have caused immediate death, said a spokesperson for the Coroners Court of Queensland.
The coroner's investigation into the cause of death was expected to take several weeks.

クイーンズランド州検視官裁判所の広報担当者によると、死に至る前のディンゴによる咬傷が直接の死因となった可能性は低いとのことです。検視官による死因調査には数週間かかる見込みです。

  Pre-mortem:事前検視(プロジェクト開始前に失敗を想定し、その原因を分析することで潜在的なリスクを特定し、成功確率を高める手法)

  cause immediate death:即死を引き起こす   immediate death:即死、突然死

  coroner(コロナー):検死官

   investigation into〜:〜に対する調査、〜の捜査、〜の究明

  死因:cause of death

(物語)

迫り来る雷雲から放たれるように、これら全ての兵士達の顔に(事件の進行に逆らうかのように)ますますしげく、ますます明るく、秘められた燃え盛る火の稲妻が閃き出しました。

ピエールは、前方の戦場を見ていませんでしたし、そちらで行われている事を知ろうという気も有りませんでした。

彼の心の中にも等しく燃えていた(ような気がした)、このまま激しく燃え盛る火の観察に、彼はすっかり気を奪われていました。

 

10時に、砲兵陣地の前方の叢林(そうりん)と、カーメンカ河岸に陣していた歩兵部隊が、後退しました。

彼らが銃を担架がわりにして負傷兵を運びながら、側方を通り抜けて行く姿が、砲兵陣地から見えました。

1人の将軍が幕僚を従えて砲兵陣地へ登ってきました、そして大佐と何事か話をし、腹立たしげにピエールを睨むと、陣地後方の歩兵援護部隊に被害を少なくする為に姿勢を低くする事を命じて、また丘を降りて行きました。

 

ピエールは土塁の間から見ていました、1つの顔が強く彼の目を射しました。

それは蒼ざめた子供のような顔をした士官でした、彼は軍刀を力無く垂れてしんがりにくっつき、落ち着きなく辺りに目をやっていました。

歩兵の隊伍は硝煙の中に消え、わあーっという喚声と激しい銃声が聞こえました、しばらくすると負傷者の群れと担架の列がその硝煙の中から戻って来ました。

砲兵陣地にはますますしげく砲弾が落下するようになりました。

数人の死傷者が運び去られぬままに横たわっていました。

砲の周りには兵士達が忙しく元気に動き回っていました、もう誰もピエールに目を向ける者は居ませんでした。

道を塞いだ為に、彼は2度ほど怒鳴りつけられました。

古参士官が険しい顔をして、大股で気ぜわしく砲から砲へ歩き回って居ました。

若い子供みたいな士官は、ますます顔を真っ赤にして、ますます張り切って兵士達を指揮していました。

 

雷雲は頭上に迫って来ました、そしてその燃えるのをピエールが観察していたあの火(=愛国心の情熱の火)が、どの顔にも明るく燃え盛っていました。

ふいに何事かが起こりました。。若い士官があっと叫ぶと、飛び立った所を撃たれた鳥のように、もんどり打って地面上につんのめりました。

ピエールの目の中で、全てが異様に、ぼうっと暗く霞んでしまいました。

1発、また1発と砲弾が不気味な唸りを立てて、防楯(ぼうじゅん)に、兵士に、砲に命中しました。

ピエールは、さっきまで音が聞こえませんでしたが、今はもうこの音しか聞こえませんでした。

陣地の右側方で、兵士達が「ウラー」の叫びを上げながら走ってましたが、ピエールはそれが前方ではなく、後方へと走って行くような気がしました。

 

1発の砲弾が、ピエールの立っていたすぐ前の土塁の端に当たって土を吹っ飛ばしました、陣地に入りかけていた民兵がさっと逃げ散りました。

「全砲、霰弾(さんだん)にせい❗️」と、士官が叫びました。

下士官が古参士官の前に駆け寄って、怯えきった掠れた頃で、弾薬がもう切れてしまった事を告げました。

「強盗ども、何をしおるか❗️」と、ピエールの方へ顔を捻じ向けながら士官は叫び立てました、古参士官の顔は汗にまみれて真っ赤に上気していて、しかめた目はギラギラ光っていました。

「予備隊へ行って、弾薬箱を持って来い❗️」と彼は腹立たしげにピエールを睨み、そのまま部下の兵士の方を向いて叫びました。

 

「私が行きましょう。」と、ピエールは言いました。

士官はそれに答えずに、大股で陣地の向こうの方へ歩いて行きました。

「射撃中止。。待機せい❗️」と、彼は叫びました。

弾薬を持って来い、と命じられた兵士が、ピエールに突き当たりました。

「あ、旦那、ここはあんたの居る所じゃねえ。」と言って、彼は駆け下りて行きました。

ピエールは、若い士官が突っ伏している所を避けて、兵士を追って駆け出しました。

 

1発、2発、3発と砲弾がピエールの頭上を飛び過ぎて、前方、側方、後方に落下しました。

ピエールは駆け下りて行きました。。『俺は何処へ行くんだ❓』と、もう緑色の弾薬箱の側へ駆けつけてから、彼はふと考えました、戻ろうか。。このまま行ってしまおうか。。と迷いながら彼は立ち止まりました。

ふいに、物凄い力が彼を後ろへ突き飛ばしました、と同時に大きな火の閃光が彼を照らしたかと思うと、その瞬間、物凄い轟音と振動と、唸りが彼の耳を突きました。

 

はっと気がつくと、ピエールは両手をついて、地面に腰を抜かしていました。

目の前にあった弾薬箱は跡形も無く、ただ焼けただれた草の上に焦げた緑色の板切れとボロが散らばっているばかりで、馬が1頭、轅(ながえ)の残骸を引きずりながら彼の側を走り抜けていました。。

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(解説)

ピエールは砲兵陣地の兵士達の愛国心の情熱の炎を感じ、それと同じものを自分の中にも感じます。

彼は、ただ『その燃えるもの』を観察するのに必死でした。

 

しかし10時も過ぎると、戦闘はますます激化し、負傷者が担架で運ばれ、また、(おそらく)見込みのない負傷者と死者は野原に山済みにされて行きます。

もう、兵士達は戦うのに必死で、ピエールの事など見向きもしません。

そこへ、攻撃の為の弾薬が切れた、と古参士官へ報告が入ります。

 

古参士官は、兵士に弾薬箱を取ってくるように言いつけますが、おそらくピエールはこんな大変な最中に自分が役立たずなのにちょっと引け目を感じたのでしょうね。。

彼は力には自信があります。

だから「私が取って来ましょう」と言いますが、頼まれた兵士は、ピエールが何者かを知っていますので(たぶんね)「旦那はこんな所にいる人じゅねえ。。」と(この生死の境を闘ってるにもかかわらず)優しい言葉をかけて弾薬箱を取りに行きます。

この辺りの遣り取りは、おそらくトルストイ先生の『ロシア人の元々持っている温かい気質』をさり気なく表現している部分だと思います。

 

ピエールはこの兵士の後を追います。

しかし、いざ、弾薬箱のすぐ側までたどり着いた時にピエールは立ち止まるのですね。。

果たして、彼は、『戦争というものが自分の信念に合致しているのか❓』という、この人を殺す武器を手にかけようとした瞬間にちょっと躊躇したのだと思います。(『愛国心』を持ってしても、人を殺す事は良い事なのか。。❓)

その瞬間、敵の砲弾がすぐ目の前に炸裂します。

これは、『神の加護』ですね、ピエールが人を殺す事に躊躇した、という事実が彼を助けた、という表現だと思います。

彼が弾薬庫に即座に手を掛けて運ぼうものなら彼の命は無かったでしょう。。

その炸裂の物凄さを語るような弾薬庫の残骸と馬の様子の表現で、このチャプターは終了します。