いよいよ暑い夏 

そろそろ暑くなりそうで出してきた扇風機、風量「弱」でスタートすると、のろのろと回転を始める状態でした。 毎年、使い始めの時にネットを洗ったりするのですが、今回は根本の機能がダメになりかかってます。

 

モーター修理で2つの事を思い出します。 ひとつは50年も昔の夏、新しいのを買ったと言って、古い扇風機をもらい受けたのですが、綺麗に清掃して電源を入れたら回転せずに煙が出始めた。 まさかの発煙なので、これは鮮明に覚えてます。 もちろん諦めて廃棄したのですが、それまではなんとか動いていたらしい。

 

もうひとつは、レコードプレーヤー。 ステレオセットが置ける新居に引っ越し、10年ほど倉庫にあった一式を並べて鳴らそうとしたら、ターンテーブルが回らない。 調べるとモーター軸が完全に固まってました。 モーターの軸受けを清掃し、オイルを一新して再生できたのですが、オイルって「固まる事がある」という事を知りました。

 

 

 

長く使っている 扇風機

問題の扇風機、製品について調べると「ナショナル製 ジャンバラヤ」というシリーズでした。 ネット上にあった殆ど同デザインの製品が以下。

 

 

自動的にON・OFFする「そよぎ風」を導入した初期の機種です。 そよぎにセットすると4時間で停止するので、朝は暑くて目が覚めるので睡眠時に使えません。 きっと後の製品は改善されたでしょう。

 

メーカーによる情報が無いのですが、1985年前後の製品で、その頃に購入した記憶があります。

 

 

 

修理せずに買い換える方が良い? 

30年程度は使っているので、コンデンサの問題か、軸受けの固着の問題が考えられそうです。 ネットには「コンデンサは始動時のみに関係し、軸受けの油切れが問題」と言う人がいますが、両方が問題の可能性があるはず。

 

この時代のモーター(現在はDC型が流行)はコンデンサモーターと総称され、コンデンサは始動時に回転方向を決め、始動後も回転磁界を作り続けます。 回転中は常時コンデンサに通電され、劣化により回転力に影響するでしょう。 軸受け部の物理的な問題は生じ易いと思われますが、コンデンサ劣化も考慮が必要と思います。

 

コンデンサ交換は今後の様子を見ることにして、先ず軸受けの注油をしました。 ネットには「発火事故」を挙げて、危険なので修理せずに「安いから」新しいのを買った方が良いと言う意見を多く見受けます。 それはもっともですが、修理が安価でし易く、安全に長期使用できる製品作りを目指して来なかったのに、今頃になって「循環型社会」とか「SDGs」とか言い出してと言いたくなります。

 

まあ、それは置いといて、とりあえず安全な部類の修理「注油」です。^^;

 

 

分解のネックになっていたギミック 

このナショナル製は以前にも分解を試みたのですが、首振りの「ON/OFFノブ」が外れずに諦めていました。 今回は、どうしてもモーター部にアクセスする必要があり、ノブの周囲を観察して、結局力まかせに強く引抜けば良い事が判りました。

 

 

ドライバーを差し込んで、ネジを緩めて取り外す機種は、穴を覗くとネジの頭が見えるはずです。 しかし、この機種はノブ自体がクリップになっているだけでした。 上図の青の長い2ヵ所がクリップです。 ノブを上向きに引くと首振りがOFFになり、それ以上は抜けないと感じさせますが、これはクリップが下に繋がるグリーンの軸を強くホールドしているだけで、更に強く引けば抜ける仕組みでした。

 

青の小さな方の突起は、ホールドするグリーンの軸が、この突起より上に進まない様にするストッパーです。 これは穴内部に2個が突き出ていて、過去にドライバーを入れて片方を潰していましたが、問題なく使えています。

 

 

注油孔 

機種によって異なると思いますが、モーターの前後の軸受けの直上に注油孔がありました。 注油に小型注射器を使いましたが、針先を差し込むとスポンジ状の物に刺さる感触があり、それが油を含む仕組みだと確信しました。

 

下は、モーターのファン側(正面)です。

 

 

」の左の小さな穴が注油孔で、ここにミシンオイルを 1㏄程度注油しました。 オイル受けは大きく更に注油できそうでしたが、溢れるとやっかいなので効果を見て追加する事にしました。

 

下は背部の軸受けで、「」の左に同様の注油孔があります。 この写真は、背部の首振り機構のギア類を外していますが、外さなくても注油できます。

 

 

上図の「」の茶色の部品がメタライズドフイルムコンデンサです。 注油後にモーターを回すためにコンセントを繋いでいたのですが、手が当たってビリッと感電しました。 何処に触れたか判らないのですが、コンデンサ周りは 200v程度かも。

 

 

 

注油後の経過 

半時間ほど扇風機を回していると、これまで抵抗になっていた固着部に新しいオイルが回った様で、明らかに「弱」でのスタートが良好になりました。 オイルが溢れて漏れて来る事もなく、ほぼ適量の注油だったのではないかと思います。

 

しかし、「弱」の回転速度は少し頼りなく、以前はもう少し強かったのではないかと思えて来ました。 アマゾンを調べるとコンデンサは多種あり、コンデンサを交換する事にしました。