Guyatone GA-930 改造アンプの回路図
回路図を書くソフトを使わず、PCグラフィックで回路図を起すのは、1日がかりの作業です。 GA-930のオリジナルの回路図を起したついでに、改造後の回路図も起しました。 これはしんどい作業なので、一気にやった方が楽ですから。
以下のページで、スキャンした回路図を載せていますが、明らかに間違っている所を修正しています。
スキャンした回路図を書いた後も、何度か改造を加えています。 改善課題やテストしたい事を考える目的で回路図を書いたので、最後の方の改造は回路図に反映していなのです。 画像に起こしていると、後で変えたなぁと思われる箇所があるのですが、それはまた、シャーシを開いた時に修正しようと思っています。
改造機の回路図
◎ 電源トランス、出力トランスは、GA-930 のオリジナルのトランスです。
◎ チョークトランス、リバーブユニット用の小トランスは、ありあわせの物です。
◎ 電源部の電解コンデンサーは、別途購入したものです。
◎ 音声回路のコンデンサーはメタライズドフイルムコンデンサーを多用。
◎ ボリュームは全て通信機型を使用しましたが、これはとても経年変化に耐えます。
◎ 入力ジャック類はオーディオ用の樹脂ケースに入ったタイプを使用。
◎ リバーブユニットは別途購入した製品を、ヘッド部内に取り付けています。
◎ スピーカーは JBL30cmクラスで、ボックス背面の開口を半分程塞いでいます。
以下のURLをコピーして、ブラウザのURL窓にペーストして開くと、回路図の詳細を読むことができます。
https://stat.ameba.jp/user_images/20210410/00/personwritep/10/73/p/o2150138014923908303.png
実験的な回路
プリ部は通常は 12AX7を使用する場合が多く、これはゲインを稼ぎ易いからでしょうか。 上記の改造回路でも、管を 12AX7に差替えても普通に動作しますが、12AT7を使ってなんとなく気に入っています。
初段を始めとして、カソード抵抗値を通常より大きめにしています。 これは、未だオーディオという概念が出来上がる前の時代の音響回路のテクニックです。 この様にすると、リニアリティ上でマイナスでも、少々大きな入力でも歪が耳に付きにくくなるというものです。 要はバイアスが深めになるのですが、少し鼻づまりの音になります。 しかしそういう音のユガミ方こそ、ギターアンプは必要としていると思います。
メイン部は、通常のオーディオ回路にならった3極管接続の回路です。 回路構成でもっと出力を得られるのですが、高出力を狙った回路の歪より、元々音が綺麗な3極管接続の歪を知りたかったのです。 メイン部の回路の上段に「PLAY / ST-BY」のスイッチがありますが、これはメイン部のNFB(負帰還)回路をオフにします。 このスイッチで一気に音量が増え、30wクラスのアンプとは思えないものになります。 シンプルでストレートな管球アンプの歪、実際に試したり比較する機会がとても少ないまま、現在に至ります。
また、このアンプは実験機で、出力管 6L6のバイアスを「-18v ~ -45v」の間で変える事が出来ます。 これはちょっと怖いので殆ど安全値で固定しています。
リバーブ回路の出口は、ローカット式の音質調整が付いています。 これは、後にスイッチでローカットするだけの簡素な形に変更しました。 ハイパワーで使用する時はスプリングエコーでハウリングが生じるので、ローカットボタンを押す方式です。 デジタルも便利ですが、良質なスプリングエコーの音は捨て難いものです。
実体配線図
改造に熱中して描くに至った、実体配線図が出て来ました。 A4を2枚半繋いだもので、繋ぎのセロテープが変色して古文書状態で、何かのアートに触れる気分でスキャンが楽しくなります。
以下のURLをブラウザに直接入力すると、スキャン像の詳細を見ることができます。
https://stat.ameba.jp/user_images/20210410/09/personwritep/38/a4/j/o1915099514924007805.jpg
○ Chrome / Edge の場合は、下の様に上のURLを反転選択して、右クリックすると「~~~/… に移動」というメニューが出ます。 これを選択するのが一番早いです。