<15th Dec Fri>

ベルハリー王子の結婚式はウィンザーで5月19日(土)に決まったそうですが、祝日にするかどうかの議論を避けるために週末にしたのは正解でしょう。直系跡継ぎ以外の結婚式は普通は祝日にはなりませんが、それでもあーだこーだ言う人はいるでしょうからね。私はその日は南スペインに行ってるので、たとえ中継があっても観られませんが。

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12月14日はリゴレットの初日でした。 当初の予定は先月脳腫瘍で亡くなったホロ様(ディミトリー・ホロストフスキー)だったので、このパフォーマンスは彼に捧げられると開演前に舞台でアナウンスされ、キャストシートにホロ様に捧げる文章と写真も載ってました。

カーテンコールはちょっとしたスタンディングオベーションになりましたが、それはホロ様へのオベーションでしょう。だって、盛り上がらないパフォーマンスでしたもんえー?

 

Music Giuseppe Verdi

Libretto Francesco Maria Piave

Director David McVicar

Set designer Michael Vale

Costume designer Tanya McCalln

Lighting designer Paule Constable 

Movement director Leah Hausman

Conductor Alexander Joel
Duke of Mantua Michael Fabiano
Rigoletto Dimitri Platanias
Gilda Sofia Fomina
Sparafucile Andrea Mastroni
Maddalena Nadia Krasteva
Giovanna Sarah Pring
Count Monterone James Rutherford
Marullo Dominic Sedgwick
Matteo Borsa Luis Gomes

     

 

唯一の期待は公爵役のマイケル・ファビアーノだったのですが、9月のラ・ボエームでは歌も演技もあんなに丁寧で柔軟で圧倒的だったのに(→)、昨日は投げやりで声も乾いてました。途中で声がかすれてきて鼻声になったので、風邪引いてたんでしょうねカゼ、きっと。後半はかなり回復したけど、これまでの素晴らしいテノールが何人か思い出されて歯がゆいったら。これが初ファビアーノだったら「ふん、大したことないテノールだわ」と思ったでしょう。 絶好調ならトップクラスに入るべき実力のファビアーノなのに残念でした。

 

ファビアーノがこれでは良いレビューがもらえる筈はなく、そりゃあ3ツ星がやっとでしょう。
Telegraph ★★★
The Stage ★★★
Bachtrack ★★★

 

   

ジルダのソフィア・フォミナは、去年ホフマン物語(→こちら)で足を引っ張ったオランピアだったロシア人ソプラノ。この日は声はきれいだったけど、ビブラード過多の高音が気になりました。可憐な容姿と同情を買う真摯な演技があればまだ救われたかもしれませんが、ずんぐりむっくりのプラナニアス(リゴレット)と体型的にぴったりの父娘でブタ、それはまあ仕方ないとしても、表情が乏しかったのが致命的ショボーン

ジルダはダブルキャストで、もう一人はルーシー・クロウ。声がかすれてもう終わってるので切符買ってませんが。

リゴレットのディミトリ・プラタニアスは、2012年のリゴレットでROHデビューして以来、他にもいやと言うほど出てるギリシャ人バリトン。輪郭のないふにゃふにゃ声のバリトンは好きではない上に容姿も演技も全く惹かれないので今回は見もせず、代わりにここに出た他のリゴレット(ホロ様やレオ・ヌッチ)を思い出してました。

マッダレーナ役のナディア・クラスティーヴァはよく通る声でなかなか良かったですが、これまた肥満気味。

 

 

   

ビジュアル面で主役準主役が魅力ないので、もっぱら双眼鏡で愛でてたのはマルーロ役の英国人バリトンのドミニック・セドウィック。どっかで見たことあると思ったらJette Parker Young Artistで、彼らのコンサートでも特に印象残ってないので歌はおそらくどうってことないのでしょうが、これからちょい役でここにしょっちゅう出てくれるのが楽しみ。テノールでなくて残念だけど(テノールは隣に立ってるちっこいゴメス君)。

 

   

指揮者アレクサンダー・ジョエルはたしかビリー・ジョエルのハーフ・ブラザーで、前にも振ったことあるけど上手くないねえ・・

 

という、次元の低い楽しみ方しか出来なかった残念なリゴレット初日が、今年最後のオペラ観賞になりそうです。 まだセミラーミデのこと書いてないですが、今シーズンはろくなパフォーマンスがなくて、やっぱりあちこち遠征しないと良いオペラは聴けないのかと凹んでしまいそうなロイヤルオペラの今日この頃・・しょぼん

 

昔はこんなじゃなかったってことを証明するために、これまでのROHのリゴレット記事をリストアップしておきます。クリックで記事に飛びます。

 

リゴレット  2005年6月 Aネトレプコ、Pガヴァネッリ、Pベッツァーラ

リゴレット  2005年7月Dホロストフスキー、Rヴィリャゾン、Eシウリーナ

リゴレット 2007年7月 Pチョーフィ、Wキム、Fグルンドヒバー

リゴレット(これまでの公爵比較)  2007年7月 ROH

リゴレット(これまでのリゴレット親娘比較)  2007年7月 

リゴレット 2009年2月 Lヌッチ、Fメリ、Eシウリーナ、Kリドル

リゴレット  2010年10月 Dホロストフスキー、Pチョーフィ、Wキム

リゴレット(リハーサル) 2012年3月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット  2012年3、4月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット (ジルダ代役) 2012年4月 Vグリゴーロ、Lクロウ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット(中村恵理さんの写真)   2014年9月 中村恵理

リゴレット   2014年9月 Dプラタニアス、中村恵理、Sピルグ

リゴレット   2014年9月 Sキーンリーサイド/Dプラタニアス、Aクルザク/中村恵理、Sピルグ

 

 

最後に、ホロ様へのトリビュートとして、今年5月にニューヨークのメトロポリタンオペラのガラにサプライズ登場して歌ったリゴレットのアリアを貼っておきます。 最後の力を振り絞って歌うホロ様の姿からはどれだけリゴレットをもう一度歌いたかったかが伝わってきて、涙なくしては観られない壮絶な映像ですしょぼん