千葉県鎌ケ谷市在住の弁理士かめやまです。

 

 

 

先日の話。

 

とある成型屋(都内の中小企業)さん。

 

今までは下請けのお仕事をしていたのですが、

 

 自社商品を出したい!

 

ということで。

 

その新商品の一次試作を見せてもらいました。

 

見てみると、

 

 面白い仕組みがあり・・・ニコニコ

 

この仕組みを取り入れた経緯を聞いたところ、

 

 似た製品があってそれを参考にさせてもらった

 

とのこと。

 

 (参考・・・まさか、パクっちゃったのカナ?チュー

 

ということで、いろいろ質問を。

 

 

 

かめやま  参考にされた商品の特許権を調べましたか?

 

お客様  え!こんなチャッチイ商品でも特許になるの?

 

かめやま 他に似たようなものがなければ、

       特許をとれる可能性は十分にあります。

 

お客様 あ、そうなんだ!じゃウチもとろうかな?口笛

 

 

かめやま いえいえあせる

      特許の対象は、新しい発明が対象。

      この商品の場合、すでに販売されているものを参考にされていますよね?

 

お客様 ええ。

 

かめやま そうすると、

      少なくとも、過去の商品と同じ部分については特許は取れないです。

      取るとしたら、新しい部分、つまり、参考商品から改良した部分になります。

 

お客様  あ、そうなんだ。

 

かめやま で。

       私が言いたかったのは、そこ(特許権取得)ではなく。

       参考された商品に特許権がある場合、

       今回の商品を販売すると特許権侵害になる可能性が高く・・・

 

お客様  特許権侵害になるとどうなりますか?プンプン

 

 

かめやま まずは、製造販売の差し止めになります。

       つまり、その商品の販売停止。

       そして、在庫の廃棄処分。

 

お客様  在庫まで廃棄するの?びっくり

 

かめやま 特許技術が含まれている場合にはそうなります。

       さらに、販売している場合には、

       そこから得た利益を損害賠償として支払わなければなりません。

       利益の額の算定方法、ケースバイケースですが、

       大雑把な最低額として、販売価格の3%を見ておかれればよいと思います。

 

お客様  え・・・あせる

       相手の特許権なんて考えていなかったですショボーン

 

かめやま なので、特許権を取得する・・・も大切なのですが。

       その前に。

       安心してご商売できるような準備、

       つまり、

       自社商品が他社特許権を回避しているか否か

       の確認をされたほうが良いと思います。

 

お客様  確かにそうなですね。

       権利回避だけでも調べてもらえないですか?

 

かめやま わかりました。

 


<その後>

 

 

かめやま 調査結果が出ました。

       5~6件、似たようなものがあります。

       そのうち1件は、ほぼ障害となる特許権です。

       この特許権者は、参考にされた商品の会社・・・

 

お客様  じゃ、うちの商品の製造販売はできませんよね。

 

かめやま このままでは、すぐに製造販売できません。

 

お客様  どうすればよいですか?

 

かめやま いくつか方法があります。

 

       1 他社特許を回避するように設計変更する

       2 特許権者からライセンスをうける

       3 特許権消滅(原則、出願から20年で消滅)を待つ

       4 特許権を潰す(特許異議申立や無効審判の請求)

 

       今回の特許権は、あと6か月で消滅します。

       なので、6か月待つか、設計変更かが現実的かと思います。

 

お客様  んー

       これが最終形ではないしな。

       しかし、6か月は少し長いか?えー

       

かめやま 設計変更の余地があるのであれば、

       特許権回避のアドバイスもします。

       それでも回避が難しければ、6か月待つということでいかがでしょうか?

 

お客様  では設計変更のアドバイスをお願いします。

 

 

 

結果として・・・

設計変更の他、PR方法や営業方法等、紆余曲折あって。

そのおかげ(?)で6か月が経過。

障害となる権利が無事消滅したことを確認して、

無事販売!!

との運びになりました。

 

 

 

グーまとめグー

 

新商品企画の落とし穴

 

1 自社商品が合法的に販売できるか否かの確認

  (障害となる他社特許権の有無の確認)

 

    今回は、一次試作後の調査でしたが、

    手戻りを減らすためには、企画段階で調査をしておくことよいでしょう。

    また、万全を期すのであれば、

    量産に入る前のDR(デザインレビュー)あたりで再度調査をしておくとよいです。

 

2 1の結果によっては、設計変更が発生することを考慮する

   (工程管理&知財管理)。

 

  打ち手の基本は、以下の4つです。

  が、こちらの動きが相手に知られること・費用がかかることから、
  2・4番目はなかなかなく、ほとんどは1番目になります。

 

   ・ 他社特許を回避するように設計変更する

   ・ 特許権者からライセンスをうける

   ・ 特許権消滅(原則、出願から20年で消滅)を待つ

   ・ 特許権を潰す(特許異議申立や無効審判の請求)

 

3 自社商品にオリジナル性があるならば、自社の特許権取得を検討する。

 

※商品名(商標)も同じ考え方です。

 商標編はこちら

   酔いが吹っ飛んだ「突然の電話」

   集客・ブランディングの始まり ~名前(商標)の選び方の基準~

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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