昨日26日見てきました。

18:30開演

文京シビックホールにて

 

抜粋ですが感想です。

 

「ラプソディ」

ヤーナとマックレイのコンビは手堅いというか、安定した演技とぶれないクォリティーがいつも感心させられます。特にヤーナ。この人はアーティストというよりバレエ職人と呼びたくなるようなタイトで高い技術がすばらしいです。職人というのはいい意味でですよ。

 

「アスフォデルの花畑」

フランチェスカ・ヘイワードがすばらしかった。踊りがたおやかなのにバネを感じさせる力強さがあって、しかも時折見せるせつない表情がもうたまりません。胸にズキューンと来ました!

この人は確か前回のロイヤルの東京公演のときに「やむを得ない事情」で降板したヤーナの代役でジュリエット踊った人ですよね。あの時のジュリエットも良かったけど、この踊りもすごく良かったです。ちょっとコンテっぽい踊りで内容については良く知りませんが、何か伝わってくるものはしっかり感じました。

 

「アイ・ガット・リズム」

マックレイってタップをやってたらしいです。でこの踊りも自分で振付けたらしいです。ほぼ全編ほとんどタップダンスでしたが、時々バレエらしい動きも入ってました。でもタップシューズでジェテするのは難しいだろうなとか、そんなところが気になってしまいました。きっと靴も特製なんでしょう。

 

「ロミオとジュリエット」

ボネッリとヘイワードのバルコニーのPDDです。やっぱりヘイワードのジュリエットはいいわ。少女っぽさと女っぽさが同居してる感じで、ちょうど少女から大人に成長する過程なんだなぁと思わせます。このシーンがいわば幸せの絶頂でこのあと悲劇になるわけですが、それを知ってるだけになおさらこのシーンは切ないです。フランチェスカ・ヘイワードって写真で見るとそうでもないんですが、踊ってる時は時々若い頃のジェシカ・アルバに似てるような気がしました。ダークエンジェルの頃のね。

 

「白鳥の湖」第三幕PDD

レオノール・ボラックのオディールです。この人も美人ですが、オディール独特の挑発的な踊りや表情がとても良かったです。目力があって引き込まれそうでした。踊りもパとパの間のわずかな隙間にも目線の流し方とか肩の動きとか、一つ一つが悪女っぽいんですよ。なかなか役者です。

 

「エスメラルダ」

待望のオニール八菜です!。この人見たかったぁ。今まで動画とかでは見てたけど実物はけっこう背が高いんですね。しかもメイクのせいかも知れませんが顔が濃い!!顔の濃さではドロテに負けないと思います。踊りも私が言うのもなんですが、うまかったです。バランスを決めるところが何回かあったんですが、満面の笑顔で余裕です。さすがです。

 

 

「ドン・キホーテ」ディベルティスマン

全員で踊るフィナーレのようなものでした。どうやって全員で踊るのかと思ってましたが、二人のキトリやバジルがデュオで踊ったり、何組かのペアがパートごとにリレー形式で踊ったりでなかなか楽しかったです。最後は全員でコーダを踊って盛り上がりました。

考えてみればロイヤルとオペラ座のトップダンサーが全員で踊るところを見られるなんて、なんという贅沢でしょう。

楽しかった!!

 

今度はBプロ、29日です。

 

本日マチネ見に行きました。

7月17日

東京文化会館 14:00 開演

マリア・コチェトコワ、オシエル・グネオ、他

 

いやぁ、良かったです。こないだのコッペリアと同じバレエ団とは思えない弾けっぷりでした。

まず構成が良かったです。

私が知ってるバージョンでは海賊船が難破して島の娘らが助けるところから始まるんですが、今回のバージョンでは、最初からメドーラは奴隷商人にさらわれている設定で、救助に行くところから始まります。なので第一幕がいきなり奴隷市場で、ここでもう全員が踊るわ踊るわ。

ここではランケデム役のブルックリン・マックが目立ってたかな?笑うと白い歯がニカッ!と光る、いかにもな感じも良かったです。休場予定だった加瀬栞さんも急遽参戦して、復帰直後とは思えない安定した踊りを見せてくれました。見てる方はちょっとハラハラしましたが、そんな心配はまったく無用という感じでした。康千里さんも日本人らしいたおやかな踊りでよかったです。

普通のバレエなら大団円に向かって盛り上がる最後の幕ぐらいの盛り上がり方で、例えて言うならドン・キホーテの第三幕を最初に見たような感じでしょうか?

しかしこれだけ盛り上がった第一幕もまだ序章でしかありません。

第二幕がスゴイッ!

PDTがもう三人の見せ場の応酬で、アリ役のセザール・コラレスが高いジャンプと高速回転をみせたかと思うと、コチェトコワも連続フェッテで魅せます。多分32回だと思うんですが実感ではもう少し多いように感じました。そしてグネオがジャンプなら負けないぜと言わんばかりの踊りです。なんかENBの層の厚さを感じました。ゲストダンサーもいるけどね。

もうこの辺でおなかいっぱいと思った頃にまた次の幕で味わいが変わります。

第三幕は例の花園の踊りが良かったです。他の場面と違って幻想的でロマンティックでコチェトコワが本当にきれいでした。あんな女の子がいたら僕が奴隷になりたいです。コール・ド・バレエも今回はきれいでした。

全体的にマイムはかなり省略して最低限にしたような感じでした。その分踊りに注力したんでしょう。まぁ、ストーリーは分かってるし、もうその辺は細けぇことはいいんだよ、ということでしょう。

ほんとに見ごたえがありました。

 

今日は客席にタマラ・ロホがいて、席は近かったんですがお話しする機会はありませんでした。休憩中はさっさと奥へ引っ込んでいたようです。ウロウロしてると変なオッサンが寄って来ると思ったんでしょう。彼女は最後のカーテンコールにハプニングで引っ張り出されて、ちょっと照れくさそうにレベランスしてました。今日は彼女にも惜しみなくスタオベです。

また日本に来る機会があれば、もう一回「海賊」持ってきて欲しいです。

 

 

7月8日 18:00開演

東京文化会館

 

昨日見に行ってきました。お目当てはタマラ・ロホです。生で見るのは初めてです。

で、感想ですがタマラは正直それほどでもという感じでした。うまいことはうまいんでしょうが、コミカルなマイムの表現は良かたものの、踊りは第一幕と第3幕でそれぞれ一回ずつふらつく所があって、仕上がりが不十分という印象でした。特に第3幕の方はかなり大胆にふらついたんで、多分トウが何かに引っかかったのかもしれません。

しかしそれを差し引いても特に見せ場的なものもなく、そこら辺のソリストの踊りと変わらない感じでした。監督業に忙しくて自分の調整が不十分なのか、年齢のせいなのか分かりません。もし若い頃から知っていたら、この日のバレエも感慨深く見られたのかの知れませんが、何の思い入れもない私としてはやや精彩を欠いたように見えました。99%完璧でも1%のミスが印象に残ってしまうところがバレエの残酷なところです。

ファンの方ごめんなさい。

 

その代わりと言ってはなんですが、周りを固めるソリストたちが良かったです。特に第1幕でスワニルダの友人を踊った6人は全員粒がそろってました。あと第3幕で仕事の踊りを踊った4人。それと男性陣も良かったです。

 

他に気になったのは第1幕で全員で踊る群舞のシーン。ステージセットが張り出しすぎでスペースがせまいのか、人数が多すぎるのか、あるいはスカートが翻りすぎなのか、すごく過密な感じがして群舞としての美しさが見えてきませんでした。もう少し人数を減らしても良かったんじゃないかと思います。

 

全体としては前に見たバーミンガム・ロイヤル・バレエと同レベルという感じで、イギリスはロイヤル一強であとはその他大勢かなと思いながら帰りました。