吐き気を堪えながら歩いていた

(このままではあの女王にこの国が……………なんとかしないと………どうする)

周りの人は一様こちらを見るが

関わりたくないらしく素通りしてゆく

(王や幹部は洗脳してあるらしいから、話しても無駄だし、捕まって女王の元に連行されてしまうかもしれない、それだけは避けなければ…………西の国に話しに行ってみるか、いや無理だ、この国を出るのが大変だ
、更に西の国の大統領は既に洗脳してある可能性もある)

考えながら食堂まで来ていた






「ザルサ、北の使者は帰っていったな」

女王はまだ謁見の間にいた

「ブツブツ言いながら帰りました」

「そうか、じゃこれからの話をしたいが、あの兵士がいないと始まらない、探しに行くか」

「女王その前に体を洗われたらどうですか」

今だ返り血を全身に浴びた鮮血姫のままである

「そうだな、このままではやばいからな」

今の姿を見られたら大騒ぎになりそうだ

「あの兵士は私が探しておきます」

「そうか、じゃ任した。そうだこれを持っていけ」

スコップとバケツを渡した

「これは?」

「あんなに忠告したのに………話したら溶けると………あいつ誰かにあたしの事を話すはず、溶けていたら回収してあたしの部屋に運んでこい」

「わかっていてしますかね」

「あいつは馬鹿だ、底抜けの馬鹿だよ」

「そうですか、わかりました」

ザルサは部屋を出たのを確認して女王は浴室に向かった

 





食堂に入るとあのとき一緒だった悪友が目に入ってきた

(あれ言ったら信じてくれるだろう)

「やああの時の……トイレ長かったな、なかなか帰ってこなかったから部屋に帰ったぞ」

相手から話しかけてきた

「…………実は………」

先を言いかけて

[もしこの事を誰かに話しそうになったら体が溶ける呪いよ]

頭の中に女王の声がした

(そんな呪い………聞いたことない……あるわけない)

頭を振って追い出そうとした

「実はこの国の姫は……」

その直後左手に激痛が走ったので見てみると

「…………えっ!溶けてきている?」

やがて全身に激痛が……その場に崩れ落ちた

「どうした?やばくないか!誰か呼んでくる、待っていろ」

待ってる時間はない

既に半分は溶けている

あの呪い………は……本…………物………だっ………たの…………か

軈て意識は闇の中に………………………………………




とりあえず状況を整理してみる

姫(女王)は抜刀しながら、北の使者に近づき首を切り落とした

もしかして……凄くヤバいことをしているのでは

残った使者は何が起こったのかわからず唖然としている

笑い終わった姫(女王)は

「おいザルサ、こいつを梱包しろ」

ザルサは立ち上がると転がっている生首を広い別室に消えた

ようやく状況を理解したもう一人の使者が

「何をやったのかわかっているだろうな」

「勿論わかっている」

そこに大きな箱を抱えたザルサが帰ってきて

「ザルサそれはこいつに渡せ」

北の使者はそれを受け取りながら

「こんなことしてただで済むと思っ…」

姫(女王)はセリフを遮るように

「どうだ、素晴らしい贈り物だろ、気に入ってくれたかな、ところで貴様は生かしておいてやる、その箱を持って帰れ、勿論………意味はわかるよな」

「…………………………」

「返事は?しないなら切り殺す!」

「…………何をしたい」

姫(女王)は納刀しながら

「貴様ら、北の国から攻めてくるのを待っているんだよ、そしてそれを口実にこちらからもやれる」

戦争の口実を作る気だ

「この場の事はどう説明する気だ」

「北の使者があたしにいきなり斬りかかって来たからザルサが首を切り落とした」

「誰がそんな事は信じる?」

「姫になって言ったら案外みんな信じるのよ」

「………この事をバラすぞ」

「馬鹿だね、誰が信じるんだ、この場に居るのはこの国の人間3人対して北から使者はあなた一人………隠滅ぐらい簡単にできるのよ」

「…………くそー………悪女め!」

「それ最高の褒め言葉……ありがとう」

そんなやり取りを見ていた俺は、その場に膝まついて吐いていた

(………このままでは………このままでは)

思わず部屋から出ていた

「女王、奴が逃げました、どうします?」

「…………ほっておきなさい、あいつも少し痛い目を見ないといけないみたいね、それよりザルサ、北の使者を連れていきなさいそして帰ってきたらこれからどうするか説明する」

それを聞いたザルサは北の使者を立たせて部屋を出ていった

「さあこれから面白くなる、さあ楽しみましょうザルサ、あの兵士」

笑いながら部屋を出ていった








「…………………………」

北から使者は姫を睨んでいた

「………………………………………」

「………………………」

数秒が何時間にも感じるなか、しびれを切らした姫(女王)は

「何か話さないか!ないなら立ちされ!」

「それでは…………あなたは本物の姫ですか」

それは誰もが抱く疑問

俺だって最初にこれを聞くだろう

「それはどう言う意味だね」

「そのままの意味です、聞いた話ではこの国の姫は大人しくて優しい性格と聞いているが、目の前の姫は………」

確かに違いすぎる

こう言うのを月と鼈………と言うのだろうな

「このあたしが影武者だと思っているのか!、馬鹿共!あたしは間違いなくこの国の姫だよ」

「……………でも……」

まだ続けようとしている北から使者に

「この話はこれで終わり、まだ続けるなら切り殺す!わかったか!」

強引に終わらせる女王に対して北から使者は諦めて

「ところで呼び出したのは貴様らの方ではないか」

「そうだったかな?…………あっ………思い出した、確かにそうだ」

「……………で、何のようだ?経済制裁を解く気になったか?」

確か北の国には怪しい兵器が開発されている噂がある

それをやめさすために我が国と西の国と協力して経済制裁を課していたがあまり効果がない

なぜなら東の国の存在があるからである

東の国は北の国を子分のように扱っているからであり、経済制裁に対して消極的な態度である

「経済制裁を解くだと、馬鹿か!貴様らが怪しい兵器の開発を放棄しない限りそれはない、前から言っているだろう」

「…………じゃあ…………何のようだ」

「…………人数も二人だし……丁度いい」

姫(女王)はザルサから離れ、抜刀しながら

「貴様らの国にちょっとした贈り物がしたくてな」

「贈り物?それより何故抜刀している」

姫(女王)は怪しい笑みを浮かべながら

「こうするためよ」

その直後、一人の使者の首が床に転がり赤いのが噴水のように立ち上がった

一瞬何が起こったのかわからなかった

「イヒィ………イヒィイヒィイヒィイヒィ」

返り血を浴び真っ赤に染まった姫(女王)は鮮血姫となって怪しく笑っていた