アリスを探す事にした


どうするかはその時に考える事にしている


授業が始まっているらしく廊下には誰もいない


先生には見つかったらやばい事はわかるから足音は出せずに、教室の近くは中の様子を伺いながら進めていく


そうしているうちに階段に


さてどちらに行くのが正解なのか


上は………俺の教室がある………


下は……教室はないが………職員室と校長室がある………


そしてそのまま進むと………食堂と売店がある


この時間なら生徒も先生もいないはずだしその先には保健室もある


見つかっても、保健室に行くと言えば怪しまれない筈と考えながら前方を見て


「………アリス………がいた」


アリスが来ているのが見えた


手にしたプリンを見ているからこっちは見ていない


(見つかったらやばい……かもしれない)


慌てて死角に隠れる


さてこれからどうする


後をつける………それしか思いつかない


早くしてくれ一ノ瀬………


前を過ぎる気配がしてゆっくりと出てみるとアリスの後ろ姿が見えた


相変わらずプリンに夢中で気が付いていないようだ


あまり近づくと気づかれそうだし、離れすぎると見失う可能性もある


それにしてもプリンがそんなに好きなのか


死神の世界にもプリンはあるのか


今度イービルに聞いてみるかと考えているとアリスの姿が消えていた


さっきの階段の所……早く行って上か下かを確認しないと


慌ててその場所に行くと背後から


「さっきから後をつけて何か用かしら」


アリスは俺の背後にいた


どうやら気づかれていたみたいだ


さてどうする?


アリスはゆっくりと前に回り込みながら


「あっ!お前はイなんとかと一緒にいた奴じゃ近くにイなんとかもいるのか」


慌ててアリスはあたりを見渡すが


「気配は………感じない……じゃお前は何故後をつけていた」


「それは…………たまたま同じ方向だったからだよ、決して後をつけていたと言うことはないよ」


「 ホントかな?ホントかな?ホ、ン、ト、か、な、?まあいいか、それよりも」


アリスは息がかかる距離まで近づいて、何かを確認し離れながら


「契約しているね、イなんとかと」


わかるのか、見ただけで


「わかるのよ、なにせ独特の気配がするから、じゃいまこの子を殺そうとしたらイなんとかが飛んでくるかも、なにせ一心同体こいつが死ねばイなんとかも死ぬからな、じゃ試してみるか」


怪しい笑みを浮かべながらアリスが近づいてきた















「誰だ!」 


暴れる一ノ瀬を


「 暴れるな!アリスにバレてしまう、俺だ一ノ瀬」


「 …………哲郎か……」


なんとか落ち着かせる


「なんでこんな事をした」


「アリスから離す必要があった」


「離して何をしたい」


「アリスとイービルを仲直りさせたい」


「…………出来るのか」


「わからないが、二人で考えたら何かいいアイデアが浮かぶと思う」


「そうだな………考えるか」


「アリスとはどうして知り合った」


「コンビニを出たところで会った、そう言う瑛太は」


「ゾンビらしき者に襲われている所を助けられたよ」


「…………大変だったな……で契約は」


「したよ………しないと助けないと言われたからな、一ノ瀬はどうなんだ」


「まだしてないよ、何か嫌な予感がしているんだ」


それは当たっている


野性の感………ってやつなのか


イービルが死んだら俺も………黙っておこう


「別に何も………ないぞ……………それより早くしないとアリスに見つかってしまうぞ」


「それならまだ大丈夫………の筈」


「一ノ瀬が言うなら………それよりアリスの事を詳しく聞かしてくれ」


「そうだな………プリンに目がない………三食プリンでも文句は言わないらしい」


そんなに好きならプリンと結婚したら


「他に何か」


「 それくらいしかわからないな、あまり詳しく聞いたことないからな」 


「なんでアリスは怒っているんだ」


「 イービルにプリンを食べられたらしい」


「じゃイービルがプリンを、世界一のプリンを返せばいいんじゃないの」


「………世界一のプリンね………確かにそれなら機嫌が治るかも………誰が買いに行くんだ」


「一ノ瀬頼めるか」


「いいけど……瑛太は何をする」


「 アリスを足止めしてみる」

 

「…………わかった………瑛太……無理はするなよ……危なくなったら…………イービルに頼るんだぞ」


「 ああそうする、じゃ作戦開始」


二人は目を合わしながら拳を合わし部屋を出た

 









教室を出て直ぐに一ノ瀬は見つかったが


「脇にいるアリスが邪魔だな………なんとか離さないと………なにか手はないか」









「なあ一ノ瀬………お前はプリンは好きか」


「いきなり何を聞く……まあ嫌いではないなアリスはどうなんだ」


「この世で一番好きだぞ………なんなら三食プリンでも文句は言わない……筈」


「…………そうなんだ………まあ……」









聴こえてくる会話からある作戦を思いついた


「これなら………いけるかも知れないが………やるしかないか」


俺は準備のためその場を離れた




「ところでまだイなんとかは見つからないのか」


「もしかしたら学校にはいないのでは」


「 さっき会ったぞ」


「だからもう学校から出たのでは」


「確かに………その可能性はあるな………もう少し探して見つからなかったら外に出てみるか」


「 アリスだけで行くんだな」


「 はぁ、お前も一緒に探すんだ」


「 ………そうですよね……わかりました……一緒に探します」 


「わかればいい……じゃ……」


歩き出したアリスはいきなり止まると


「どうしたアリス……イなんとかが見つかったのか」


「 違う………一ノ瀬……あそこに落ちているのは……プリン……だよな」


指差す方向にプリンが落ちていた


「間違いなくプリンだが……何故廊下に落ちている?」


その直後アリスは走り出しながら


「一ノ瀬……凄いぞ……見てみろ……プリンが沢山落ちている」


そんな馬鹿なことがあるわけ無いとアリスの後から見てみると確かに


「 プリン………確かにプリン……何故」


気が付くとアリスの姿はなかった


慌てて追いかけようとあるき出した俺の手を誰かに掴まれて教室に引きずり込まれた