明るい世界の中を漂っていた

上下左右がわからない

そして動いているのかも………

(あの光の壁は何だったのか、サテラの反応から、知らない事らしい、もしかしてここは死後の…………サテラの姿が見えない………まあいなくても…………)

と、いきなり頬に痛みが走った

(?………なんだ?)

その直後視界が暗くなり、明るくなるとサテラが馬乗りになり往復ビンタをして

「やっと起きたか!これで起きなければ去勢していたよ」

えっ?もしかして危なかったのか俺

「早く立ち上がれ!」

言われるままに立ち上がると

「ここは…………何処?」

緑の絨毯の上に寝ていたらしい

遥か彼方に街らしきものが、反対には古城が見えている

「あたしに聞かないの、一つわかるのは北の国や我が国ではないことだ」

確かに我が国にはこんな場所はない

北の国にも無い筈だ

「これからどうするかだが………ここが何処か調べるのが一番だと思う」

サテラの言う通りだが

「………あの街を目指すとか」

「瑛太………言葉が通じる保証がない」

じゃどうする気だ

サテラは反対の方を指差して

「あそこを目指して進む」

あれを目指すのか?

よく見るとかなり怪しい雰囲気が………

「なんであれを……言葉が………それより怪しい雰囲気がしているが」

「……………感だよ……文句ある!」

サテラは感だけで動くのか

「さあ行くよ、時間がない」

「考え直して………」

「あたしに意見をする気!あたしの言葉は神の言葉、意見するのは万死に値する!」

「………わかりました」

仕方ない、従うしかない

もし………もし死んだら元の世界に帰れるだろうか

歩き出した俺達に

「その選択は間違っています、再検討するべきだと」

「瑛太!逆らう気!去勢するわよ」

「今のは俺じゃない」

「嘘を言わない!あんたとあたししかいないでしょう!」

「だから……」

呆れてふと見上げた上にそれはいた

「サテラ…………あれを見ろ」

「えっ………浮かんでいる?……………誰?」

二人の上に女性が浮いていた





「遅いぞ!一体何日待たせるんだ」

部屋に戻って急いで準備をして出てきたのに女王はイライラしながら待っていた

「ごめん」

とりあえず謝っておくのが最善の手に思えてくるが

それに3時間後と言っていただろう

聞き間違いか

それに待っていないだろう

「それより貴様は剣を持ってないのか」

持っているが………忘れてきたとは言えない

「メンテナンスに出しているんだ」

咄嗟に出た嘘に

「……………仕方ないやつだな………とりあえずこれを貸してやる」

受け取りながら

(誤魔化せたのか?もしかして女王は………少し抜けているかも)

「では出発するが、質問は歩きながら聞いてやる」

門を抜け、町中を歩いてゆく

早朝だからまだ誰もいない

「ザルサは何をしている」

「特殊な任務があるらしく、自らから申し出てきた」

「じゃ内容は」

「聞いていない、まあ問題はないだろう」

聞いていない?なんだか嫌な予感がしてくる

「女王と姫は自発的に代われるのか」

「勿論、変わってやろうか、貴様が好きな姫に」

「………今はいい」

今変わられたら大変な事になる

「しかしたまに………たまにだが………」

「えっ?」

「………気にするな、大した事ではない、滅多には起こらない」

「あっそう」

軽く流したが聞いておかなかったことを後悔する事になるとは

そうしているうちに森の中に入っていた

「そう言えばまだ名前を聞いていなかった」

国なかでは姫で通しているから

「どっちの名前を知りたいんだ?」

女王と姫では違うのか

「じゃ………今の方を」

多分………俺の前では女王の方が多そうだから

「…………サテラ……それが名前だ……因みに姫の時も同じだ」

……………同じかい!

「で、貴様の方は」

「俺か、瑛太………山田瑛太」

「山田瑛太……パットしない名前だな」

そうしているうちに

「瑛太………止まって低くなれ」

言われるままにすると、サテラに草の中に引きずられてしまった

「瑛太……あれが国境の川だな」

少し頭を上げると2つの国を分けている川が見えてきた

あれを超えると北の国……鬱蒼とした森が広がっている

「見張りは…………」

対岸に人影はなかった

「千載一遇のチャンスかもしれない、あの川なら泳いで渡ることも……さあゆっくりとゆくぞ」

草むらから出ると、低い姿勢で辺りを警戒しながらゆっくりと前進してゆく

そして真ん中あたりで何かにぶつかり止まった

「どうした瑛太」

「目の前に………何かあり前進できない、サテラ少し下がってくれ」

サテラは少し下がるが

「瑛太……こちらにも何かある」

改めて辺りを見ると白い壁に囲まれていた

「………これはなんだ?瑛太!」

「俺に聞くな!逃げ道は?」

「………無理だ!囲まれている」

軈て空中に浮き周りの壁が迫ってきた

「………罠?北の国の罠か!」

「奴らにそんな事は出来ない」

「じゃ………誰が!」

白い壁に挟まれながら意識が無くなった









暴走姫(仮)プロローグ終了

次回から

暴走姫と○○


窓から差し込んでくる光に朝の気配を感じた

今日もいい一日になったらいいなと思いながらゆっくりと目を開けて…………

ちょっと待て

前にも同じことがなかったか

それより俺は確か……………………

「あなたは綺麗に溶けたわよ」

見なくても分かる

そこに居るのは間違いなく

「じゃ何故…………」

「感謝しなさい、一回だけ助けてあげたのよ」

「……………とりあえず………ありがとう」

「その言葉はザルサに言いなさい、愚痴りながら回収してくれたからな」

「……………そのザルサは」

「外に出ている、それより多分すべて回収しているはずだが、抜けてたらごめんね」

「………………………………………」

「これに懲りて、もう誰にも話さない事だな」

「ああ…………そうする」

「じゃこの話は終わり、これの先の事を教えてやる」

そうだ

北から使者の首を切り落とした

宣戦布告と捉えられてもおかしくない筈

「明日の朝に、あたしとザルサ、貴様の三人で北の国に乗り込んで頭を殺る、以上だ質問あるか」

ちょっと待て、今なんて言った

あたしとザルサ、俺の三人で北の国に乗り込んで頭を殺るって言わなかったか

「三人でやるのは不可能ではないのか」

「大軍で動くと北の国に気づかれてしまう、それに少数精鋭って言うだろう」

俺も頭数に入っているのか

「北の国から攻めてくるのを待ってないのか」

「断言できる、攻めてくる勇気なんてないよ、奴等は東の国に相談するさ」

「でも怪しい兵器を持ってるんだろ」

「実戦で使えるかは怪しいものがある」

だから最近発射実験を繰り返しているのか

「奴らも攻めてくるとは夢にも思わないだろう、だから三人で殺る、今しかない」

「やはり俺も………」

「当たり前だ!!!」

どうやら不参加は認められそうもない

「何時開始だ」

「ザルサは先に行っている、開始はあと3時間後だ」

こうして俺は大変な事に巻き込まれたのである