自室に戻ると慌て用意して駆けつけたが

「遅いぞ!うす野呂!一体何年待たせる気だ」

姫はすでにいて、この雰囲気は多分女王モードで間違いない、腕組みをして睨んでいた

それにそんなに待ってないだろう…………とは言えない………言ったら確実に……………

想像しただけで背中に嫌な汗が流れた

「ところで王様や他の幹部は立ち会わなくていいのか」

「いいんだよ、ところで貴様に教えておいてやる、王様や他の幹部はすでに洗脳してある、あたしが一番なの、だからあたしのことを王様や他の幹部に言っても無駄だからね」

いわいる独裁者………になるのか

「さあ中に入るぞ」

ちょっと待てこのまま入ると

「女王モードで会うのか」

「何を心配している?、立ち会う人をあたしの事を知ってる人間にしたからな、ザルサと貴様だ、問題があるか?」

「いえ……………ありません」

言い返せない

「ならよろしい」

そう言うと女王は扉を乱暴に開け中に入っていった

北から使者が驚きの表情でこちらを見ているのがわかる

そうなるわな

神々しい雰囲気はまるでなく、悪意の雰囲気を感じていると思う

俺達、来る国を間違えたかもと思っているかもしれない

(ごめん北から使者、これが本来の姿…………女王モード………)と心の中で謝罪をした

その使者の前は一段高くなっていて、中央には姫が座る豪華な椅子が用意されていた、そして少し離れた所にザルサが仮面を外して立っていた

素顔を初めて見た

釣り上がった目に気の強さを感じる

髪は短く肩にもかかっていない

そんなザルサの前を通りながら

「おいザルサ………あたしの椅子は?」

椅子なら女王の目の前にあるだろう

「これは失礼しました、今すぐに」

そう言うとザルサは女王の背後に、そして膝まついで、両手を前に出しそのまま前方に倒れた

いわいるこれが人間椅子…………初めて見た

北から使者も唖然てみている

女王は躊躇うことなく腰をかけると、ザルサの顔に苦痛の色が浮かんだ

「そうそうこれがあたしの椅子、ザルサ崩れたら…………わかってるだろう、おい貴様も早くその豪華な椅子に座らないか!それとも同じやつを用意してやろうか」

同じやつ………それに座る度胸は…………ない

黙って豪華な椅子に座った

座り心地は悪くないが、場違いな気もしてくる

北から使者がかなり驚いているのがわかる

多分、この国の姫は大人しくて優しい性格と聞いているはずだ

目の前の姫は本物なのかと疑っているかもしれない

「さて待たせたな、北からの使者、あたしに何のようだ?あたしは忙しいから手短に話せ」






窓から差し込んでくる光に朝の気配を感じた

今日もいい一日になったらいいなと思いながらゆっくりと目を開けて

「えっ?ここ何処?」

と声が出てしまった

いつもの汚い部屋ではなく

整理整頓されたチリ一つない部屋の、豪華なベッドの上にいた

「えっ……………誰の部屋?」

ゆっくりと伸ばした手に

「…………柔らかい?」

何かが触れて慌て飛び起きそこを見ると

「おはようございます、いい朝ですね」

「えっ!………姫?………何故?」

ここは姫の部屋……で間違いないようだ

「そんなに驚いてどうしたの?」

………何故俺はここにいる

昨日は確か……怪しい部屋を見つけて、中にいたのは…………そこからの記憶が曖昧であるが………確か仮面の剣士………と……………

慌てベッドから飛び出すと

「あなたは姫……それとも女王…どっち?」

「今の私は姫の方よ………女王のほうが良かったかしら、変わってあげましょうか」

思い出した

この人物は………二重人格……………

「教えてあげる、私に睡眠の魔法で…………ザルサにここに運んで貰ったわけよ」

「俺に…………何をする気?」

怪しい笑みを浮かべながら

「もうすぐわかるわ」

「…………女王に変わってほしい」

「いいけど…………………………………面倒くさいけど変わってやったぞ!このあたしになんのようだ、手短に言わないと切り殺す!さあ!」

間違いない………女王の方だ

「この国に何をする気だ」

「知りたいか?知りたいだろう、しかし貴様みたいな下等種に教える気なんてない……と言いたいが、下僕の貴様には特別に教えてやろう、何故教えるかというとあたしが優しいからよ」

「………………それは………ありがとう」

「ハァ……なんのありがとうなんだ……まあいいか、簡単なことよ、あたしは楽しいことが好きなの。楽しい事………貴様みたいな馬鹿にわかるかな」


「…………………………………」

はっきり言ってわからない

楽しい事…………って何

「もうすぐこの国に楽しい事が起こるのよ楽しい事……楽しい事……楽しい事。貴様も楽しみだろ」

だから何が楽しいの

「そら向こうから来たぞ」

その直後、ノックがされ

「ザルサいるな、多分あれだから準備をしておけ」

そう言うと女王は振り返らないで

「君はそこに座っていろ、変な事をしたらわかってるだろう」

言われるままに着席すると同時に兵士が中に入ってきた

「姫、朝早くから失礼します」


「こんなに早くから一体何事ですか」

姫モード開始

「今朝北の国から特使が、姫との面会を求めています」

「北の国から…………特使ですか。今はどちらに」

「いちよう客間に通しております、姫どうします」

「わかりました、会いましょう。何人ですか」

「二人ですが」

「二人か、なかなかいい数だな」

「姫今なんか言いましたか」

「気にしないでください、じゃ特使方には謁見の間に通していてください、立ち会うのは仮面の剣士にこちらの兵士、私を入れて3人にします」

そこで初めて俺の存在に気がついて

「姫、この兵士は?」

「悩み事を聞いていました、そして私についていき勉強がしたいと、いいですね。彼を同行さすのに」

「いいですとも、さすがは姫、1兵士にもここまで気を使うなんて、憧れます」

「憧れるなんて、私は当たり前の事をしただけです、では準備があるから出ていってください」

敬礼をして兵士が出ていったのを確認して

「さあ、あたしも準備があるからお前は部屋を出ろ、謁見の間の扉の前で待っていろさあ早くしろうす野呂」

俺は部屋から追い出されてしまった









「女王様、怪しい奴が中の様子を伺っていたので捕まえてきました、もしかしたらスパイかもしれないので斬っていいですか」

連れ込まれた部屋は窓がなく、天井にある電灯が辺りを照らしていた

その中央にその人はソファーに座っていた

「………姫?」

一見すると姫とはわからないくらい変貌していた

高貴な感じは完全になくなり、悪の感じさえしてくる

手にはグラスを持ちこちらを睨んでいた

「ザルサ………待って、こいつ見たことある何処だったかな…………ああ思い出した、あの場所にいてあたしの事をいやらしい目で見ていたやつだ」

決してそんな目で見ていません

「それなら尚更の事斬っても…………」

「まあ待てザルサ………」

姫は探る様に睨んで

「ザルサ………席を外してくれ」

「そんなことしたら……こいつが………」

「大丈夫だ、そんな勇気はない………」

「…………………しかし……………」

「ザルサ!あたしの言う事が聞けないの!」

「そんな事は………決して……わかりました」

そう言うとザルサは俺を睨みつけて部屋を出ていった

「お前もしかしてこのあたしとやりたいのかしら」

「…………決してそんな事は」

あの姫となら………目の前にいる姫らしき者とはしたくない

「じゃこうしてやる」

女王は目を閉じ一息入れてから目を開けたら雰囲気が一変していた

女王から姫に

「………………ねぇ私としたいでしょ?私はあなたとしたいな、嫌なのかしら」

「………………こ………こ…………こ………とわります」

「………………」

再び目を閉じ一息入れてから目を開けると元に戻っていた

「姫モードでも駄目か、つまんないやつ。ついているのかしら?まあそんな所がいいんだけど、さてこの事は決して口外しない。そう言っても無駄だから」

女王はいきなり近づくと唇を合わした

「…………!」

俺は慌て女王から離れて

「女王………いきなり何を」

「気にしないで、少し呪いをかけただけ、死の接吻……と言ったところよ」

「…………死の……………接吻?」

「もしこの事を誰かに話しそうになったら体が溶ける呪いよ」

「………そんな呪いある筈がない」

「そう言うなら試してみたらどう」

体が溶ける呪い………聞いたことないが………もしホントなら…………

そうしているうちに眠くなってきた

「もう一つの方も聞いてきたみたいね」

「………なに………を………………し…………」

「簡単なことよ、眠くなる呪い、さあ」

俺はその場に倒れた

「ザルサ……入ってきなさい」

「女王………無事でしたか」

「当たり前、それよりこの男を運んどきなさい」

「何処に?」

女王は運ぶ場所を指示するとザルサは俺を抱えて部屋を出ていった

「これから忙しくなる、さあ楽しもう、あらゆる事を」

女王はグラスを取ると一気に飲み干し床に投げ捨てると砕けた