彷徨うこと数分

「エイタ………もしかしてあれかしら」

「………多分……そうだと……思うけど」

目の前に現れたのは小屋とはかけ離れた立派な一軒家だった

「エイタの世界ではこれを小屋って呼んでいるんだ」

「………………………」

唖然とするしかなかった

女神は一体どんな感覚をしているんだ

女神の世界ではこれを多分、小屋と呼んでいるんだろうが、俺の世界ではそう呼ばない

俺の家より広いかもしれない

「ねぇエイタ、こんな所にいても」

そうだ、こんな所にいたら魔物に………

ミルフィーユを連れて入り口らしき場所の前に立つが

「ここで間違いないよな……」

ドアノブが見当たらない

どうやって入るのだ

「退いて!エイタ!」

そう言うとミルフィーユは強烈な一撃を入れたがびくともしない

「ハズレみたいね」

当たり前だ、蹴って開けるドアなんて聞いたことないし、それよりミルフィーユの性格がサテラに見えてきたのは気のせいか

同一人物だし、もしかしてもう……

(よくたどり着きましたね)

アタナの中に女神の声が響いた

(それはありがとう、それよりこれが小屋なのかと)

(間違っていない筈ですが、私から見たら小屋としか見えません)

(女神はどんな所に住んでいるんだ)

(城ですけど、文句ある)

なるほど、城からみたら間違いなく小屋だわな

「エイタどうしたの?ボーとして」

ミルフィーユに聞こえていないみたいだ

(女神これはどうやって入るのだ)

(エイタ……脇にある白い所に手をかざしなさい)

言われるままに手をかざすとゆっくりと玄関が開いていった

(どうエイタ、セキュリティーは万全でしょう、あなたしか入れないわよ、勿論魔物の攻撃に壊れない、なんて完璧)

それはありがとう………

「エイタ開いたわよ、私先に入るわね」

ミルフィーユが入ったのを確認して

(とりあえずありがとうな女神)

俺も後に続いた





「何ボーとしてるの、そんな暇なんてないわよ」  

サテラの怒声で我に返った

どうやら3回目が始まったみたいだ

「サテラ、何処を目指すんだ」

「さっきも言ったでしょう、もう忘れたの馬鹿なの、仕方ないからもう一回だけ言ってあげる」

「頼む、次は忘れないようにする」

「あの……………街を目指していて行くわよ」

良かった、城を目指さなくて

「さあ行くわよ」

「ちょっと待ってサテラ」

俺はサテラを呼び止めると、石を突き出し

「何?その石は、まさかあたしにプレゼントとか、しかし石なんと貰ってもつまらないや、宝石なら貰ってあげる」

俺には宝石買う金なんてない

だって給料がやす…………考えるのは後回しだ

呆れながらあるき出したサテラを捕まえると、再び石を突き出しながら

「交代の石に命じる!サテラとミルフィーユを入れ替えなさい」

その直後石が赤く光だし、サテラがその場に倒れた

「女神………赤く光るなんて言ってなかったぞ、それより成功したのか」

サテラはゆっくりと立ち上がると周りをキョロキョロ見渡しながら

「ねぇここは何処?あなたは誰?私は何でこんな所にいるの」

「一様聞いておくが……名前は………俺は瑛太と言う1兵士だが」

「私は姫………ミルフィーユ姫」

どうやら成功していたみたいだ

そう言えば女神は







「入れ替えたら一日はそこにいろ」

「でも何もない所にいても」

「大丈夫………泊まれる小屋を近くに作っておいてやるから移動しろ」







と言っていた

「ミルフィーユ様……歩ける」

「………大丈夫、それに様はいらない、ミルフィーユだけでいい、私もエイタと言うから、それでどこに行くの」

「多分、もうすぐ日が暮れそうだから、近く小屋を見つけているんだ、さっきの質問の事も話したいし移動しない」

僅かに頷くミルフィーユを引き上げると女神が言っていた小屋を探し始めた








「(はぁー)もう死んだんですか、早くないですか」

「ごめんなさい………ごめんなさい」

俺達は再び女神の前にいて、ひたすら謝っていた

「と言っても今回はあの四天王の一人、殺鬼姫が相手だし仕方ないと言ったら仕方ないかな」

「じゃ………」

「回数は減らさないと言うことでいいですあと3回のままです」

「ありがとうございます」

「今回だけですよ、次はありませんから死なないようにしてください」

「努力します、それと………」

俺の横に寝かされているミルフィーユを指差して

「どうしてサテラとミルフィーユが入れ替わったか知りたいんですがわかりますか?」

「見てやるよ」

女神は面倒くさそうに立ち上がるとミルフィーユを覗き込んで

「ふむ……ふむ……なるほど………そういう事か…………」

「何がですか?」

「簡単に言うと電池切れだな」

はぁ?電池切れ?

「一つ聞く、どれくらいサテラの状態でいた」

「えっと…………3日かな」

「そんなにサテラの状態でいたんなら、精神力を使い果たしただな」

「サテラは今何処に」

「こいつの、ミルフィーユの中にいる、深い眠りについているな、一日は起きないだろうな」

そういう事か、じゃ

「戻ってくるんですね」

「ああ嫌でもあと半日したら……なんなら戻らないようにも出来るが」

サテラがいないと攻略は不可能な気がしてきた

「……今はいいです」

「そうか、まあ気が向いたら声をかけてくれ、さて何か聞きたいことはあるか」

「それじゃどうすればあの殺鬼姫を倒せますか」

「無理だな……しかし追い返す事は出来る、知りたいか」

「勿論………知りたいです」

「とりあえず再開したらサテラを温存するためミルフィーユと交代してもらえ」

「………言う事を聞いてくれるかな」

「まあ貴様では無理だな、だからこれを使え」

一つの石を手渡された

「これは……復活の石…じゃない」

「交代の石と言って、二重人格者の人格を強制的に入れ替える、使い方は相手に石を向け、交代しろと叫ぶだけ、戻すには相手の足元に投げるだけ、簡単だろ、入れ替えたら一日はそこにいろ、これだけ待てばサテラも完全に回復するだろう」

「サテラなら殺鬼姫を追返せるんですか」

「無理だな、最初に出てくる怪物は倒せるだろうが」

「じゃどうすれば」

「サテラが怪物を倒したあとに殺鬼姫が現れる、そこに無音がやってくるから、瑛太近くに来い」

言われるままに近づくと

「瑛太はこうして………こうすると………こうなるから……あとは………こうなるはず」

「えっ?そんなことして……大丈夫なんですか?俺の命が危ないような」

「大丈夫だ…………多分……」

「………やるしかないか」

「頑張れ瑛太」

わかりました、頑張ってみます、帰ってきたらごめんなさい

「どうして殺鬼姫は両手から切ったと思う」

「武器を持たせないように」

「確かにそれもあるが、実は………………………なんだ、だからそれをしても大丈夫なんだよ」

ああそういう事か

「もう無いかな、じゃ一様聞いておく、直前に戻るか、復活の石の所に戻るか」

「復活の石の所で」

「わかりました、次はなるべく死なないようにしてください」

俺達は淡い光に包まれながら宙に浮いてゆく

意識が無くなる直前

「あと3回」

と聞こえた気がした