ニノさんのお誕生日企画の番外編です。
本編を読んでなくても全く問題ありませんが、よろしければこちらからどうぞ。
最初のお話はこちら ⇒ 「Winback 1」
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「誰だ!? てめぇはっ!」
胴元が恫喝する。
「櫻井といいます。」
「名前なんぞ聞いちゃいねぇ!」
「えっ? でも・」
「なんでまたガキが混ざってんだって言ってんだよ。
おいっ、今日はどうなってんだっ?」
「あ、兄貴。 あいつ、松兄が連れてきた学生ですよ。」
「なに? 松岡が?
なんで学生なんか。」
「よくわかんないっすけど、勉強させてやってくれって。」
「べんきょぉだと~? ヤクザ、舐めてんのかっ!?」
ボカっと下っ端の頭を叩く。
「いてぇよ、兄貴」
「松岡の野郎・・・どうもあいつは気にくわねぇ。
親父のお気に入りだかなんだか知らねぇが、でかい顔しやがって。」
「でも次期若頭候補ですぜ。
あまり波風立てない方がいいんじゃ・」
「うるせぇっ!」
忌々しそうに吐き捨てた胴元が、櫻井の前にずいっと歩み寄る。
「で、その学生さんがなんか文句あんのか。」
「文句なんてとんでもない。」
まだ上げたままだった片手を、顔の前でヒラヒラと振る。
「じゃあなんだっ!」
小ばかにしたようにも見える態度に胴元の眦が吊り上がる。
「その子、僕に譲っていただけませんか?」
「はぁっ!? てめぇ、ふざけてんのか?」
「いえいえ、ふざけてなんてません。
もちろんタダでとは言いません。
おいくらなら譲っていただけますか?」
「このガキ~、舐めたことをっ!」
櫻井の胸ぐらを掴んだ胴元を、
「まあ、待てや。」
盆を仕切っている采配が止める。
明らかにこの中で一番序列が高いはずなのに
先ほどから一言も発せずに事態を見守っていたのだ。
「兄ちゃん、あの子の知り合いか?」
「いえ、違います。」
「じゃあどうして助けようとする?」
「ん~・・それは・・他人事じゃないと言うか・・・。」
櫻井が困ったように人差し指で鼻を掻く。
「まあいい。お前の度胸に免じてチャンスをやろう。
こいつを賭けての一発勝負。
お前が買ったらこいつはお前の物だ。
掛け金はそうだな・・・これでどうだ?」
と、5本の指を開いて示す。
「5百万ですか?」
「ははっ、ガキの遊びじゃねぇんだ。 5千万だよ。」
「5千万・・・。」
「どうだ? やるか?」
「それで・・僕が負けたらどうなるんですか?」
「5千万分、お前もこいつと一緒に働いてもらう。」
采配が片手で札を繰りながらニヤリと笑う。
順番を入れ替えるたびにパシッ、パシッと乾いた音が鳴るが、
手の中にすっぽりと収まった札の動きは全く見えない。
おそらく札師としてかなりの経験があるのだろう。
「・・・。」
唇をつまんで考え込んだ櫻井を
「どうした? 兄ちゃん。」
「もちろんやるよなぁ?」
「ここで降りたら男じゃねぇわ。」
男達が口々にあおり立てる。
「・・・わかりました。
その勝負、受けて立ちましょう。」
あっさりと頷いた櫻井に、
「えっ? だめだってそんなの・」
二宮の顔からさらに血の気が引いていく。
≪つづく≫
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松兄、登場! 実際には出てきませんが櫻井と知り合いです。
「夜会」で翔さんが、ずっとひっついて歩いてた言ってましたね。
すごく頼りになる兄貴なんだろうな~。
「魔王」の大野さん、カッコ良かった~。(*´艸`*)
「truth」も大好き! 実はこの曲で初めて嵐さんに興味を持ったんですよね。
それまでは普通のアイドルグループだと思ってたから全くケアしてなかったの。
もっと早くから気づいていれば録画とかたくさん残せたのに~、残念。