メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。
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翔の日本での滞在は5日間。
3日目に当たる講演翌日は朝から二人で警察に出向いて詳しい事情聴取に応じた。
どうやら並木は会社の金を使いこんで投資をしたのものの大損を出してしまい、その補填のために消費者金融から金を借り、それも返せずに危ない連中からの取り立てに追われていたらしい。
そこで翔をある国の研究機関に売り渡して大金を得ようと誘拐を計画した。
あの誘拐犯達は借金の取り立て屋で、暴力行為はお手の物だったが
誘拐にはド素人だったというわけだ。
そのせいもあって大事に至らずにすんだが、それでも結構危なかった。
今更ながら未然に阻止できてよかったと胸をなで下ろす。
滞在4日目。
「今日は遊ぶぞ~!」
本当だったら2日間だったフリータイムが1日に減ってしまい、
翔はやりたかったことを全て詰め込むと朝から意気込んでいた。
並木は拘留されているとは言え、どこから情報が漏れているか分からない。
外出はさせたくなかったが、俺の言うことなんて聞くはずもなく、
東京タワーに上ったり浅草寺に行ったりチームラボを観に行ったりと、
外国人観光客が好きそうな場所にがっつり付き合わされた。
そしてアメリカへと帰る日。
並木のサポートがなくなったため、俺が成田まで送ることにした。
翔は最後までハイテンションで、食べそびれていたラーメンに舌鼓を打ち、
友人へのお土産にとお菓子を買い込み、珍しいガチャガチャに目を輝かせ、
あっという間にチェックインの時間になってしまった。
「じゃあな。気をつけて帰れよ。」
「うん。 あのさ・・・。」
「ん?」
「ほんとにありがとう。潤は命の恩人だよ。」
「ははっ、そんな大げさな。」
「ううん。ほんとに。」
「アメリカでも気をつけろよ。
・・・じゃあ元気でな。」
「・・・うん。」
ちょっとうつむくと、リュックに付いたスクイーズを握りしめる。
「どうした? まさか帰りたくな~いとか駄々こねたりしないよな。」
茶化すように言ってやる。
「そんなガキじゃないよ。」
ちょっとムッとしたように顔を上げると、
俺の襟を掴んで引き寄せチュッと唇を合わせる。
はぁ?
「ふふっ、何その顔。
まさかファーストキスだなんて言わないよね。」
からかうように見上げてくる大きな瞳。
「そんなことあるか!」
「なんか潤って奥手みたいだからさ。
それとも・・彼女とかいるの?」
「はんっ、余計なお世話だ。」
ったく・・・ガキのくせに。
「あまり気安くこういうことするな。」
「だから、アメリカじゃ挨拶みたいなもんなんだってば。」
「アメリカの習慣がどうか知らないが・・危ないだろ。」
「えっ? 何が危ないの?」
言ってもわからないようなら・・・
細い顎を捉え、ぽってりとした唇を舌で割る。
「んぅ?」
まんまるに見開かれた大きな瞳。
ふふっ・・鳩が豆鉄砲ってこういうのを言うんだろうな。
「ん・・・。」
ガクッと力の抜けた腰を支える。
「ガキのくせに大人をからかうといつか痛い目をみるぞ。
誘拐だけじゃなくて危ないヤツはどこにでもいるんだからな。」
「・・・。」
「じゃあ・・元気でな。」
そのまま軽く抱き寄せて背中をポンポンと叩く。
「あ、あのさ。 俺の・・・専属のボディーガードにならない?」
「えっ?」
「あっちはガンとか持ってるから大変かもしれないけど、
俺、これからもっと危なくなると思うんだ。」
「もっとってどういうことだ?」
「実は今書いてる論文やばいんだよ。」
へ? やばい?
それは更に注目されそうな物を書いてるってことか?
「考えといてね。
じゃあ、see you.」
「あ、ああ。」
手をヒラヒラとさせるとゲートの向こうに消えていった。
アメリカへ? 俺が?
ふふっ、それも楽しいかもしれないな。
だがこれには大きな問題が。
俺の英語の成績、壊滅的だったんだよな~。
≪終わり≫
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しゅ~りょ~です。\(^o^)/ 例によって長くなっちゃった。
短編のくせに、起承転結が、きしょ~~~~てんけッ! みたいな感じ?
潤君のお誕生日企画なのにすでに9月も半ば過ぎっていうね(笑)。
確か翔さんが年下の翔潤(潤翔って言うの?)を書いたのは初めてだったかと。
生意気で可愛い翔と、振り回されながらも保護者的な潤の組み合わせもありだなと思いました。
もう少し翔が育ったらムフフな関係になりそうな予感も(笑)。
この画像の翔さん、15歳よりは全然上だと思うんですが、雰囲気だけこんな感じで。
お話全然関係ないんですけど、『西園寺さんは家事をしない』を観てた方います?
分かる人は分かるシリーズなんだけど、最終回で津田さん演じる横井が「後は頼みます。」ってセリフを言うんですけど、これが呪術廻旋の七海の死の直前のセリフと全く同じで、くぅ~ってなりました。絶対狙ってたに違いない(笑)。