自殺者数の増加について
日本における自殺者数は、1998(平成10)年に3万人を超えた。
その後同じような水準で推移し、2005(平成17)年は32,552人であった。男性が23,540人で全体の72.3%を占めている。年齢別の状況では、「60歳以上」が10,894人で全体の33.5%を占めている事が特徴だ(警察庁統計)。
厚生労働省のHPによれば、自殺死亡数の年次推移は以下のとおりとなっている。『明治32年の5,932人から昭和11年の15,423人までは増加傾向を示しているが、昭和12年から戦時中まで減少傾向となっている。戦後は、再び増加傾向となるが、戦前と異なり、増減を繰り返し、過去2回の高い山があり最近も1つの山を形成している。1番目の山は毎年2万人を超えた昭和29年~35年であり、2番目の山は毎年2万3千人を超えた昭和58~62年である。最近の山は3万人前後で推移している』と。3万人以上の人が毎年毎年、何らかの理由で自殺している現実は、国民の一人一人が深刻に受け止めるべきである。
また、先の統計から以下のことが分っている。2005(平成17)年中の自殺者の原因・動機別の割合をみると、健康問題による自殺が全体の46%、倒産、失業、負債、生活苦などの経済・生活問題を原因とするものが24%、家庭問題を原因とするものが9%、勤務問題が6%となっているのだ。
わが国では「自殺者は交通事故死者の約5倍」と言われるが、前者と後者の死因はまったく違っているのだから、比較が正当ではないと私は考える。
自殺の背景には様々な社会的要因が関係することから、2006(平成18)年6月に「自殺対策基本法」が公布された。自殺予防対策が社会的な取り組みとして行われることとなったのである。「自殺は個人の問題だけではない」ということを国民が等しく共有するべきなのである。
自殺者の家族や親族の心のケアーも大切だ。一昔であれば、強い意志を持って耐えつづけることがあたかも使命のように言われたものであったが、福祉国家を望むのであればもっと「人に優しい」対応の仕方が社会にはあるはずだ。もし万が一、あなたの肉親が自殺したらどうしますか?ありえないと誰が断言できますか?その悲劇をうまないように、もっともっと人の命を守ことができるようにしませんか?
交通事故死者数減少について
交通事故による死者数は、昭和45年には1万6,765人に達した。当時、交通事故が急増し死者数が増え続けたことから「交通戦争」と呼ばれた。交通事故で亡くなる人が毎年1万人を超えていたのであった。
私の10歳年上の長兄は昭和16年生まれだった。今生きていれば、齢66歳となる。昭和45年3月、長兄は深夜の国道の歩道を歩いているところを後ろから来た自家用車3台によって次々と轢かれたのだった。25歳の若さだった。16,765人の一人となってしまった。将に残酷である。
わが国の交通事故死者数のピークは昭和45年だった。国は交通安全基本計画で10年間に半減するという目標を立て、9年後の昭和54年に8,466人となり、半減目標達成まであとわずかというときに頓挫した。その翌年から再び増加に転じたのだった。国は第6次交通安全基本計画により再び死者数を減少させ、平成9年までに1万人以下、平成12年までに9,000人以下とすることをめざしたのだった。
国と国民の斯様な努力の結果、15年7702人、16年7358人、17年6871人、18年6352人となった(警察庁HP)。国の目標が達成され たのだ。更に交通事故で亡くなる人が少なくな るようお互いが努力しようではありませんか。あなたの身近な人が交通事故に会わないようまた事故を起こさぬように。特に、飲酒運転の撲滅を図ろうではありませんか。
お粗末とは斯く言うべきか。
小型木造船が6月2日早暁、青森県深浦漁港に漂着した。その船には北朝鮮の男女4人が乗船していた。メディアによると、船は老朽船でたかだか全長7メートルに過ぎない小船の類だと報じられている。地元の漁師によれば、よくもこんな小さな船で来たものだと言われている。
話題となっている北朝鮮問題に関連して言えば、この不審船は工作船ではないらしい。新聞報道などでは、北朝鮮では食べてはいけず、人権もないと言っている。彼らは、飢餓的状況から一刻も早く脱出して、日本に来たかったのであろう。そして日本の保護の下、第三国に政治亡命を願っているのであろう。警察や出入国管理局の事情聴取や扱いは慎重にせねばならないが、首相も街頭演説で言っているように人道上のこととして扱ってもらいたい。それがわが国の差し迫った対応だ。
さても、この漂着の事実は何を意味するかである。わが国は、1999年の能登半島沖の不審船事件を契機として日本海の警備を強めてきたのではなかったのか。11隻もの高速特殊警備船を新たに建造し、哨戒活動を頻繁にやってきたのではなかったのか。
この小型木造船の漂着は、どのような言い訳をしても、国防に粗相があったことには違いない。我々は、日本の領海を侵犯されたことを恥じねばならないし、海保の怠慢と言われても仕方のないことだ。言い訳で国防が務まるはずはない。
北の工作船がいたいけな「めぐみ」さんを拉致し得たのは、この領海を突破されたからではないのか。拉致は許しがたいことだが、領海が何度も侵犯された事実を国はもっと深く反省せねばならないのではないか。ここから日本の領海ですから入らないで下さいなどと言う甘えた考えは捨てるべきだ。国際法上の問題として厳正に対蹠する権限は日本にあるのだから。
領海が侵犯されると言うことは、国家主権が侵されると言うことである。木造船で小型だったからレーダーに捕捉されなかっただけでは済まされない問題だ。日本の海防はお粗末と言わざるを得ない。