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高校を半年で中退し、
ファミレスのアルバイトに明け暮れた。
幼い頃に家族でよく行った地元のファミレスで、
毎日働く日々。
ファミレスでは、ホールのリーダーとなり、
ランチからディナーの時間を
仕切るようになった。
高校の時の学級委員長の経験から
何かの代表になることは苦手だと
そのときは思い込んでいたが、
リーダーシップは、少しはあるみたいだった。
15歳から働き始め、
3年くらいそのファミレスで働いた。
ファミレスの正社員と付き合うことにもなった。
相手は当時23歳で8個差の初めての彼氏だった。
大阪出身の人だったが、
テレビで見る関西人とは、かけ離れた性格で
話し方も柔らかい人だった。
某招待制のSNSが流行り始めていた頃だった。
17歳の時、求人誌で見つけた
人材派遣会社に電話をして面接を受けに行った。
面接の日、繁華街の片隅にある面接先の会社に
なかなか辿り着けず困り果てた。
当時は、ガラケー時代。
今のように住所検索をしてマップで経路案内など
夢のまた夢。
面接先に場所を聞こうと電話をかけたが、
出たのはコテコテの関西弁の男性だった。
私は方向音痴らしく、
裏路地に佇むその小さな会社に
なかなか辿り着けずにいた。
何度も会社に電話し、関西弁の男性と話すが
相手をイラつかせてしまい、
会ってもいないその男性に
コテコテの関西弁で怒られた。
当時付き合っていた大阪出身の
ファミレスの社員のやわらかい関西弁とは
かけ離れすぎていて、とてつもなく怖くなり、
良からぬ妄想が広がった。
面接だけ行って帰ってこよう。
生きて帰って来れたら。
そう決心し、会社の扉を開けた。
分かるわけがない、アパートの一室を
会社のオフィスとして借りているところなんて。
そう思いながら、面接を受けた。
電話していた関西弁の男性は、
会社の副社長だった。
後に私がなんでも相談するようになるくらい
信頼する人であった。
元看護師でカウンセリング知識のある人だった。
心の病気に理解がある
当時30歳過ぎの男性だった。
人材派遣会社の仕事内容は、
街頭のビラ配りがメインだった。
こうして、私はファミレスとの掛け持ちで
その人材派遣会社でアルバイトを
することとなった。
派遣のバイトは楽しかった。
当時17歳の私にとっては、
時給780円から始めたファミレスバイトしか
知らなかったから、
(その頃は地域最低賃金が上がり、
バイトリーダーということもあり、
810円くらいに上がっていたが。)
初日から時給1000円の派遣のバイトは
とても新鮮だった。
何かとお金が必要な17歳、
週払いということもあり、夢中で働いた。
研修時給から一般時給の1200円に上がった。
1都3県の大きな駅には、ほとんど行った。
毎日電車で、東京、埼玉、千葉、神奈川を
飛び回る日々。
友達がたくさん出来た。
俳優を目指す人、
バンドを組んでいる人、
私と同じように高校中退した17歳など
多種多様な人たちが各地で働いていて
みんな良い人たちだった。
街頭のビラ配りの他、
当時、無料通話サービスが始まった
某PHSを家電量販店で販売したり、
神奈川の某市営地下鉄沿いの駅で
当時ADSLから移行し始めた光ファイバーの
ブース獲得営業をしたり、
本当にいろいろやった。
その頃、
ファミレスの社員である彼氏は転勤し、
神奈川県に近い都内、
かつてアザラシが住んでいた川沿いの町で
初めての同棲生活をしていた。
今思えば、歴代で1番良い彼氏だった。
だが、若かった私は
平凡な暮らしより刺激を求めていた。
派遣で出来た友達の紹介で、
未成年でも働けるという
今思えば危なかっしい飲み屋で
接客業を始めた。
その店はすぐに辞めたが、
そこから火がついてしまった私は、
都心の大型繁華街に繰り出した。
時給2500円。
あっという間に福沢諭吉が
財布に飛び込んでくる魅力に取り憑かれた。
が、17歳であることが店にバレて、
クビになった。
特に欲しいものはなかったが、
お金を稼ぐことに取り憑かれ始めた私は、
一歩ずつ足を進めていた。
ファミレスバイトは辞めた。
流行に敏感な若い子が集まる繁華街の外れに
小さな出会い喫茶ができた。
まだ出会い喫茶が流行り始める前だったから
店側もよくわかっておらず、
友達と話してお菓子を食べてるだけの待機で、
時給1000円をもらえていた。
マジックミラーの中に入っていたが、
お客さんはそんなに入ってなかったように思う。
1・2回、店内で男性客と話したことはあったが
外出することはなかった。
そこで出会った子たちは
普通の子たちばかりで
外出した子が洋服や化粧品を
買ってもらって店に帰ってくると
「何かあったに違いない。
じゃないと欲しいものを買ってもらったり、
お小遣いなんてもらえないよね。」
と口々に言っていた。
前略プロフィールの全盛期、
その店は潰れた。
当然の事態だった。
その場に5時間いるだけで
1日5千円もらえるところだった。
彼氏とそういう行為はしていたものの、
まだまだ性には疎い17歳。
繁華街に出入りはしていたが、
私は少し性に対して潔癖な節があった。
ふと、小5の時の強姦のことが
頭をよぎった。
私は何も知らなかった。
小中学校で同級生とそういう話を
したこともなければ、経験も浅い。
このまま大人になっていくのかな。
そう思い、18歳の誕生日直前に
ある店の門を叩いた。
面接をして、
18歳の誕生日がデビュー日に決まった。
18歳になった日、私は新たな世界に飛び込んだ。
今思えば、荒療治だとわかるが、
若気の至りだったと思う。
場数を踏んで、トラウマをかき消す毎日。
同棲していた彼氏には言わなかった。
好きな人ができた。
派遣会社の社員だった。岐阜出身の27歳。
10個上のその人の周りには
常に周りに人がいて、輝いていた。
お酒が好きで、歌が上手で、仕事ができた。
こち亀のバイクの本田さんに似ている人で
声が好きだった。
人気者で派遣会社の中心人物であったが、
なぜかモテなかった。
惚れっぽく、仕事した子に片っ端から
恋していたが、ことごとく玉砕していた。
そんな彼に2年間の片想いをした。
家出同然で実家を出て、同棲をしていたので
彼氏とは別れなかった。
2年間の片想いで、
彼はたくさんの子に恋をした。
恋愛に不器用な私は、
どうすればいいかわからず、
体当たり→玉砕の連続。
一方で、彼が好きになる女の子と片っ端から
仲良くなっていった。
派遣会社で1都3県を飛び回る生活、
彼が好きになる子と出会うことも、
仲良くなることも、私には容易いことだった。
出会って、すぐに仲良くなり、
2人で遊びに行き、
そのことを彼と繋がっているSNSに書く。
彼には好かれるどころか
どんどん嫌われていった。
彼が気になっている女の子に
根こそぎ近づき、仲良くなり、
彼の恋路を邪魔することに
生きがいを感じていた。
この頃に今までは皆無だったコミュ力が
異常なまでに培われた気がする。
同棲していた彼氏とは別れ、
実家に戻った。
2年間片想いした派遣会社の彼は、
私のあまりの熱意に根負けし、
付き合った。
夜の仕事は荒療治で始めたものの、
肌に合わず、そこまで続かなかった。
19歳になる頃、
私はバイトしていた人材派遣会社に就職した。
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