荷物はどこへ? サカイ引越しセンターの闇を暴く裁判傍聴記 -5ページ目

有名企業の名が泣く、サカイ引越センターの対応

201212月 額のない鏡が届く




鏡を破損し、その半年後の201212月、サカイ引越センターの担当者である山本氏が届けてきたのは、額のない鏡だった。過去にアップした写真を見てもわかるように、今中さんの鏡は、その額に特徴があり、愛着があるものだった。ところが、その額がないではないか。額がなく、鏡だけなので、その鏡すら、今中さんの預けたものであるかどうか、確かめようがない。



なぜ、サカイ側は額のない鏡を持ってきたのか? これで納得してもらえると思ったのだろうか? もし、そうであれば、甘く見られたとしか考えられない。



額がなければ意味がない。これを受け取ってしまえば、幕引きにされてしまう心配もある。そのため、今中さんは鏡の受け取りを拒否した。額もつけた形で返してほしい。今中さんはサカイの担当者である山本氏に伝え、お引取り願うことにした。


 

その後、サカイ引越センターからの連絡は途絶えた。今中さんはこれまでの経緯を振り返り、自分が女性であるがゆえに足蹴にされているのではないか……という疑念がわいてきた。そこで今中さんは、サカイ引越センターを薦めてくれた中村さんに協力を求めた。中村さんは快諾し、それ以降、ときには単独で、ときには今中さんとともにサカイ引越センターへの対応を努めることになった。



 さっそく、中村さんは担当者の山本氏に電話し、今後は自分が中心となって対応していくことを伝えた。やはり、女性だからという理由で甘く見られていたのか、山本氏は早急に今中さんの家に鏡を届けると、約束をした。



 数日後、約束通り、山本氏は今中さんの家を訪れた。しかし、今中さんの前に現れたのは山本氏本人だけであり、そこに鏡はなかった。山本氏は、何かしらの不具合が生じ、鏡が額にうまく収まらなかったと説明するだけだった。



 今中さんの家で立ち会っていた中村さんは、山本氏に対し、「鏡を額に入れて持ってきてください」と伝え山本氏は期日を指定し、その日に額に入った鏡を届けることを約束した。その期日当日、耳を疑うような電話が、山本氏から中村さんの元に届くのであった。




つづく