荷物はどこへ? サカイ引越しセンターの闇を暴く裁判傍聴記
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サカイ引越センターは荷物を壊してもロクに弁償もしない


 引越しの作業時、お客の鏡を破損し、修理すると言いながら、挙句の果てに、鏡を処分。しかも、その事実を隠蔽し、悪質な時間稼ぎもしていた。これが、大手の引越し業者がすることだろうか……。中村さんや今中さんが訴訟を起こさなければ、こうした事実は表沙汰にはならなかったはずだ。この裁判はサカイの不誠実な対応を世に示す意味でも、非常に有意義だったと思う。

 しかし、サカイの不誠実さはさらに続く……。

 鏡の額をサカイが勝手に処分した以上、それが戻ってくることは困難と言わざるをえない。だからといって、「はい、そうですか」と看過することなど、到底できない。サカイは相応の補償をすべきであり、もちろん、中村さんたちもそれを求めた。

 今中さんの鏡は、22年前に祖母がフランスで購入したものだ。木彫りの額には細かい細工が施してあり、とても味わい深いものだった。サイズは、縦150cm、横115cm、厚さ7cmと、かなり大型である。

 価格がつけられないほど大事な鏡だったが、海外の貴重な年代物であることに加え、職人による手作業とみられる細工、長年の愛着もあり、同じようなものを作るにしても、相当な金額が必要なことは素人でも容易に理解できる。中村さんたちは、弁護士と相談しながら、再製作費用として34万6470円を損害として提示した。職人の手作りでオーダーすれば、このサイズの鏡(額)であれば、決して高くはない。

 それに対し、サカイ側が示した金額は、10万円ないし15万円。原告が提示した金額の半額にも満たない。それどころか、口頭陳述の中で、中古品なので実質1円だという、信じられない発言もしている。これでは、サカイで引越しをお願いし、荷物を破損させられても、中古品という理由で、すべて1円になってしまうのではないか。10~15万円とした金額にしても、額は処分してしまったのに、何を基準に算出したのか? 呆れたことにインターネットの鏡の価格表を参考にしたという。自らが処分してしまった鏡の記憶を辿り、専門の職人に見積もりを出してもらったのならば、まだ話はわかる。それが、インターネットで検索しただけとは、誠意のかけらも感じないではないか。本来ならば、被害者である原告の提示した金額を了承するのが当然だろう。

 中村さんらは鏡の弁償額に加え、慰謝料20万円、弁護士費用の21万円を損害賠償額とした。実に、2年以上もサカイの不誠実な対応に振り回されたのだから、この程度の慰謝料は当然だろう。サカイの不誠実な対応が原因で裁判になったのだから、弁護士費用の負担も当然だ。

 そして、口頭弁論が終わった。次回は判決が下る。

つづく

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