荷物はどこへ? サカイ引越しセンターの闇を暴く裁判傍聴記 -2ページ目

サカイの責任者は法廷から逃げた?



 平成25年8月2日、横浜簡易裁判所で第1回口頭弁論が行われた。そこで現れたのは、山本氏ではなかった。山本氏とは別の支店の、支店長の水野氏だった。どんな意図で水野氏が代理を務めることになったかは不明だが、当事者が出廷しないということは、裁判官の心象を損ないかねない。その後の口頭弁論でも水野氏が出頭している。

 その第1回口頭弁論で、水野氏は山本氏の嘘を認めた。修理業者に預けた鏡は見つからず、代わりの鏡を作らせるつもりだと水野氏は証言した。

 これまでの話とずいぶんと違うではないか。鏡は誤送されたサカイの函館支社から、これまた誤送された千葉支社で紛失、その発見に警察も動いているという話ではなかっただろうか? それがどうしたことか、修理業者に預けた鏡が見つからないとは? ということは、鏡は修理業者が紛失したのか? さっぱり、訳がわからない。これでは「売上高日本一のサカイ」の名が泣くのではないだろうか? サカイの代表取締役社長・田島哲康氏によれば、サカイのモットーは「まごころこめておつきあい」。サカイの「まごころ」とは、いったい何なのか、田島氏に聞いてみたい。

 その後、口頭弁論は計4回、行われた。サカイ側は、山本氏が嘘をついていたことは認めたもの、謝罪の言葉は一切なかった。サカイの「まごごろ」には呆れるばかりである。それどころか、目を疑うような事実がわかった。今中さんの鏡は、再三お伝えしている通り、額の部分が大切だったのである。その大事な額を、年末の大掃除のときに処分したというのだ。開いた口が塞がらないとは、このことだ。

 サカイの愚行はこれで終わりではない。口頭弁論の中で、鏡の弁償金額において、信じがたい主張をしてきた。詳しくは次回にて。